ディレクターのYusukeです。
今日は広告文章の特徴を考えてみます。
今さらのことと思われるかもしれませんが、
広告文章の特徴を知り、そのポイントを押さえることは、
「良い広告」をつくるために必ず役立ちます。
人に読まれる、反応につながる。
こうした良い広告をめざす上で、
何かのヒントになれば幸いです。
ポイント1 読み手のモチベーションが極めて低い
早速、大きな関門です。
最初にして、最大の難所であるかもしれません。
優れたブランド力を持つ企業や商品の広告ならいざ知らず、
自ら「進んで読みたい」広告は本当にまれです。
広告の文章は、後ろを向いている読者の肩を叩き、
こちらに気づいていただくことから始まります。
そして、振り向いた後にも、
できる限り退屈をしてしまわないよう、細心の注意が必要です。
ポイント2 自画自賛が大前提!
広告のおもしろい点として、自画自賛のメディアであることが挙げられます。
広告の目的はひとりでも多くの人に好かれることにありますが、
自画自賛って、皆さんあまり好きではありませんよね?
それなのに、自画自賛をしなければならない。
広告のつらいところです。
アピールが強すぎる広告は嫌われてしまいますが、弱気な広告もインパクトに欠けます。
きっと誰も振り向いてくれないでしょう。
相手のことを十分に尊重しながら、自分をしっかりアピールする。
ただでさえ嫌がられる自画自賛です。
それが更に自分本位のものだとしたら、耳を傾ける人はいなくなります。
目指すべきは、相手本位の自画自賛です。
お客様の琴線に触れるためには、こうしたバランス感覚が欠かせません。
ポイント3 短く端的に伝えよう!
ポイントの1と2を踏まえると、
広告文章の条件は少しずつ明らかになります。
つまり、広告文章は簡潔でなくてはなりません。
誰にでも伝わるものでなければなりません。
ポイント4 書き手と広告主のギャップ?
広告文章は広告主のメッセージです。
ただ、実際に筆を執っているのは私たちのようなコピーライターだったり、
企業の広報担当者だったりします。
この点に注目すると、発信元は企業でありながら、
代弁者ともいえる書き手の存在に、気づきます。
この二重構造を理解することはとても重要です。
なぜなら、発信者と実際の書き手が異なると、
本当に伝えたいメッセージと実際の広告との間に、
大きなギャップが生じることがあるからです。
企業のメッセージは、
そこで働く人たちひとりひとりの考え方や理念を反映し、
ひとつの形にすることが理想です。
しかし、広告文章の書き手は、
”ひとりの存在”にならざるをえません。
この点をハッキリ意識しないと、
意図と異なる文章となってしまったり、
思わぬ誤解を与えてしまうこともあります。
広告文章の作成を依頼する時は、
あなた自身の考え、広告の狙い、何を伝えたいかをハッキリさせておくことが重要です。
もし、あなた自身が書き手であるのなら、
その企業に働く人や関係者、
場合によっては既存のお客様にもインタビューして、
依頼主やそこに関わる人たちとの意思統一が求められます。
ポイント5 お客様、お客様、お客様!!
ポイントの最後は、誰にメッセージを伝えたいのか?の重要性です。
どのような表現手段も、受け手の存在を軽視してはいけませんが、
その重要度が飛躍的に増すのが広告であるといえます。
よく起こりがちなのは、広告主が伝えたい内容と、
見込み客のニーズがまったく合致していないケースです。
また、革新的なデザイン、すばらしい機能性、
すべてを満たした商品とそれを的確に伝える広告があったとしても、
実はお客様が求めていたことは、「価格の安さ」の一点だけだったということもあります。
お客様は、何を求めているのか?
広告はこの点がとにかく重要です。この点がすべてとも言えます。
説得力に長けた広告文章も、
その方向が間違っていれば、何の反応も得られません。
あなたの見込みとなるお客様は、
何を考え、何を求めていらっしゃいますか?
ここを分析し、理解することができれば、
広告文章をつくる作業の半分以上は達成したも同然です。
最後に
今回は広告文章が持つ特異性について、まとめてみました。
もちろんこれらは一般的な広告の場合であり、
媒体や商品、キャンペーンの内容によっては、
セオリーをあえて無視することもありえます。
ただ、基本的な考え方を押さえておくことは、決してムダにはなりません。
基本があるからこそ、初めて見えてくるものもあるからです。
私自身も基本事項の理解を深め、
“より伝わる文章”を書けるようもっともっと努力していきます!