アース・ウィンド・アンド・ファイアー+シック(CHIC)コンサート

 

学生時代、ディスコで必ずかかっていたのが、
アース・ウィンド・アンド・ファイアー。
そして、シック(CHIC)!

ときは1970年代の終わり頃なのかな。

世はディスコブームで、週末になると、
ボクも友人たちと夜な夜な踊りに出かけていた。

今回はその懐かしさから、横浜のピアアリーナへ。

まぁ、予想通りなんですが。
当日はとんでもない人の波に圧倒されました。

とにかくぞろぞろと並ぶ。歩く。
それが延々と続く。
年寄りにはかなりキツく感じる。

1階のアリーナ席ではないので、
安い席は上へと上へと上がらなくてはならない。

一番安い席は、途中から階段。
いや、さすがにそれはないけれどね。

飲食はいっさい持ち込み禁止なので、
館内の売店で買おうと向かうも、
ここも長蛇の列。

いろはす持ってきてよかった!
腹は満たしてきたのでなんとかなった。

やはりこの規模のライブって「慣れ」が必要なんだなぁ。
一緒にきた友人はこうしたイベントの達人なので、
コンビニのおにぎりを鞄に忍ばせていた。
もちろんペットボトルも。

で、席にたどり着いたんだけど、
そこがまあ山の頂上みたいなところで、
景色がいいというか、崖のふちにたたずむ席。

高所恐怖症の人にはまず無理だろう席。

おまけに前の柵が低くつくってあって、
立ち上がってはいけませんと、係員から忠告される。

(2・3時間ここでじっとしていなくてはならない 汗)

まあ、そんなこんなで、ぐったりとしてると、
ようやく開演のMCの声が会場に轟き渡る。
カラフルなライトが広大な会場をグルグル回り出す。

 

 

で、シックとアース・ウィンド・アンド・ファイアーの登場だ。

会場に異様な興奮が湧き上がるのを感じる。
開幕からなんだかすごい熱気なのだ。

ボク的に、彼らの音楽は懐メロの部類なのだが、
会場を見渡すと、確かに若い人が目立つ。

70年代から活躍している彼らは、
当然メンバーも入れ替わりが繰り返され、
現在では初期のメンバーは3人しかいない。
(CHICはよく分からない)

オリジナルメンバーではないにしろ、
彼らの音楽はその後さらに進化して、
それがいまに繋がっているのだろうと推測する。

そうした観点から思うに、
彼らは懐メロを披露してツアーをしている訳じゃない。

まさに現在進行形のグループ。

あいかわらずファンキーなサウンドは健在。

当時より力強さは増していて、熱量が高い。

彼らは常に脱皮を繰り返し、
新しいサウンドを取り入れ、
いまに至っている。

だからファン層がとても広いグループなんだと
改めて感心してしまった。

高所の席から会場を見下ろすと、
みな総立ちである。

音がスモークがライトが…

が、ボクの席は立ち上がり禁止なので、

なんだかいらいらとする。

ストレスMAXなんだよなぁ。

会場全体がディスコと化し、
それはボクが知っている芝浦のディスコより、
さらに巨大なのであった。

アース・ウインド&ファイアーは結成50年だそうである。

全世界でのCD・レコード総売上は9000万枚以上。
グラミー賞を6回受賞。
2000年にはロックの殿堂入りを果たしている。

先の友人は、この数日後にはなんと、
武道館のクラプトンにも出かけていた。

すごい!

ボクはまだ疲労が残っているというのに。

 

 

 

 

フジコ・ヘミングのコンサートへ行ってきた

 

 

 

クラシック音楽、好きですかと聞かれると、

それほどでもとこたえるだろう。

正直、クラシックという柄じやない。

 

以前のブログでも書いたけれど、

リストという作曲家のラ・カンパネラを弾く、

フジコ・ヘミングは別である。

 

イタリア語で鐘を意味するラ・カンパネラ。

 

ピアノの高音が魅力的でなければ、

あの美しく荘厳な欧州の教会の鐘の音は、

再現できない。

そして、その音に哀愁のようなものがなければ、

ただの音になってしまう。

 

僕は、ん十年前イタリアのフィレンツェでこの鐘の音を

間近で耳にしたことがある。

 

夕暮れだった。

 

それは、日本の寺院から聞こえる鐘の音と、

ある意味で双璧を成す、

美しくも厳かな響きだった。

 

フジコ・ヘミングは、その鐘の音に

心を宿したといっても過言ではない。

 

ラ・カンパネラという曲をピアノで弾くのは、

超絶技巧である。

それは演奏を観ているシロウトの私でも分かる。

 

リストは、この曲をピアノで弾く際に、

器用さに加え、大きい跳躍における正確さ、

指の機敏さを鍛える練習曲としても、

考えて作曲したというから、

天才のアタマは複雑すぎて分からない。

 

この難曲を正確無比に弾くという点では、

辻井伸行の右に出るピアニストはいない。

彼もこの曲に心を宿しているひとりに違いない。

 

 

では、フジコ・ヘミングの何が僕を惹きつけるのか?

 

それは、人生を賭けたピアニストという職業に

すべてを捧げたフジコ・ヘミングが、

ラ・カンパネラが自身に最もふさわしい曲と、

ある時期、確信したからと想像する。

 

真っ白なガウンのような豪華な衣装で彼女が登場すると、

当然のように満場の拍手がわく。

杖をついている姿はこちらも折り込み済みだけど、

もう90歳近いこのピアニストの演奏を

いつまで聴けるのだろうかと、ふと不安がよぎる。

 

しかし、彼女が弾き始めると会場の空気が、

いつものようにガラッと変わる。

これはどう表現したらよいのか分からないが、

とても強いエネルギーのような旋律が、

その場を別の次元にでも移動させてしまうほどの、

力をもっている。

 

興味のない人でも、たかがピアノなのにと、

平静を装うことはまずできない。

そんなパワーのようなものをこの人はもっている。

 

レコードやCDで聴くのとはなにかが違う。

いや、全く違う。

そっくりだけど別物の存在なのだ。

 

僕はクラシックがあまり好きではないし、

知識も素養もない。

 

だけどフジコ・ヘミングの弾くラ・カンパネラは、

どういう訳か、とても深い感動を得ることができるのだ。