遠い世界に

 

一枚のハガキ届いて

ボクのココロにふたつの風船おどり出す

開け放った窓から飛び込む風に

ふたつの風船おどり出す

 

街へ出て

目ぬき通りのいちばん端のくだもの屋で

小さなオレンジをひとかご買った

 

ステップを踏むように歩いていると

太ったおばさんが笑っているのを

小さな少女がけげんそうに眺めていた

 

街の外れの道を逸れ

柵を乗り越え

牛の背中に飛び乗って

 

流れる白い雲につかまった

 

かごのなかのオレンジ

空に放たれ

黄色の風船も

空のかなたに消えていった

 

一枚のハガキ届いて

ふたつの風船おどり出し

そしてボクは世界を見渡し

ちょっとオトナになっのさ

 

 

夏の夕ぐれ

 

 

 

夏の夕ぐれ

今日の終わり

 

光る雲

遠い空

 

窓辺の椅子に身体を委ねたら

ハニー&ケーキで昼のほてりをしずめましょう

 

窓辺の花が物憂い

けだるい

 

過ぎてゆく時間

陰影のドラマ

 

だから夏の夕ぐれは

誰だって遠いくにの夢をみる

 

 

空をあげよう

 

この絵の真ん中に

一本道があるだろ

その遙か先に

実は

薄く水色にのびる地平線があってね

その上に大きく広がっているのが

僕の空なんだ

 

想像してくれないか

あとはもう描くスペースがないからね

 

思えば

空って

泣いたり笑ったり怒ったりと

ホントに忙しい

ああ

僕と同じだって…

気まぐれで面倒

ときには心変わりだってするし

 

でも

空には

おひさまも

お月さまも

星もある

誰だって輝くものを

きっと幾つももっていて

それと同じなんだと

 

そして空は

宇宙へと続く

 

僕には到底描けないけれど

そんな僕の空を

受け取ってくれないか

 

 

恋のうた

カラッ風の吹く寒い夜は

あの人のことを思いだそう

ラジオを消して

紅茶でも入れて

伝えて欲しい

私は今夜もひとりですと

涙がこぼれる枕元に

詩集を幾つか並べれば

そんなもの読まなくたって

人は物語をつくれる

そんなものだろう

男と女の間には…

という台詞があるけれど

超えてみたいと思う日は

「シェルブールの雨傘」を

観てからにしよう

好きですと言ってから

考え込むのはもうやめよう

どうせ

人の心は

走馬燈のように

風のように

便箋を用意して

どのペンで書くか

そんなことをしているうちに

言いたいことがこんがらがる

とりあえず書き出さないと

始まらない

何もかもが

ホントの恋

ホントのヒトトキ

ホントの気持ち

ホントはホントは

あなたって

なんなのさって

ホントは

叫びたい

恋のピスタチオ

その魅力的なスタイル

みんながほっとかないね?

ピスタチオ

南国生まれなんだね

なんて日本で魅力的!

僕もあいつもお前の虜

今日も街でお前にアタック!!

なのに切ないピスタチオ

なかなかガードが堅いから

なかなかガードが堅いから

ああ ナッツやピーナッツみたいに

答えてよ

その魅惑の笑顔でひとことOK

それが僕の夢なのさ

それが僕の夢なのさ

塩辛いピスタチオ

殻の固いピスタチオ

今日もコンビニへ出かけるぜ

今日もまとめ買いだぜ

愛してるぜ

愛してるぜ!!

ビスターチーオーーーーーー!!!!!!

※最近、ピスタチオに凝ってます。こりゃ、猿もなかなか食えないだろうな
 なんて思いながら、殻をいちいち剥いてニタニタしています。

フォトフレーム

僕にとって

あの日は

世界がひっくり返るほどの

驚きと

よろこびに溢れていたのだけれど

いまになって思えば

君は

あの日あのできごとに

あくびのでるような

退屈さを覚えたことだろう

僕はあらん限りのことばで

君に伝えようとしたんだよ

微笑んだ君は

たいして語ることもなく

OKってそれで

遠くをみつめていたね

(不確実なあるいはうつろい)

ただ、あの笑顔だけは

いまさら取り消さないで欲しい

(悪夢のなかで泳ぐこと)

おとなになりなさいって

君はよく言ってたが

おとながなにを考えているのか

僕に教えて欲しい

だって

おとなは愛し合わないのかい?

おとなはホントのことを語らないのかい?

(あるいは武器として)

君にとっては面倒なことだけれど

それがせめてもの愛だろう?

僕にしてみれば

悲しいけれど、それでも

ちっぽけな

愛なんだろうと思う

(滑稽なおとことテーブルの上の写真)

さようなら

軽井沢

軽井沢

失恋のようなさみしい底冷え

白い国道沿いに立って

碓氷峠をみつめる

吐息のような煙を吐いた

トラックが1台

やっと故郷に帰る旅人のように

それは哀愁の姿

軽井沢

氷にまみれた中から顔を出す雑草は

何にもすがらずに

耐えている

雪の幻想の国のように

垂れかかる木々

暖かい暖炉が待っているのかいないのか

こっちを向いて猫が鳴く

軽井沢

その事はもう忘れてとあのひとは

私の胸のなかで

ひとときうずくまる

私は雪を振り払い

凍える手を握る

これからもっと北へ行くのだと

私は曇空に語るのだ

悲しいときは

悲しいときはオープン・ハート

この世界はひとりじゃないぜ

泣いて狂って脳みそなんか吐き出しちまえ

おとななんか信用するな

分かったような顔に回し蹴り

説明なんかすることはない

みんなのなかで生きてゆけ

悲しいときはオープン・ハート

この世界にたったひとりだとしても

この想いを宙に聞いてもらおう

おとななんか信用するな

訳知りの言葉に毒を吐け

説明なんかすることはない

夜露も結構あったかいこともある

悲しいときはオープン・ハート

あとは時の神様に頼むのだ

心はじつにタフなのだと分かる

ニヤニヤしたおとなに唾を吐け

説明なんかすることはない

あとは

ほろ苦い想い出が胸にポツンと残るだけだ

だから
悲しいときはオープン・ハート
悲しいときはオープン・ハート
悲しいときはオープン・ハート

荒野で吠える狼となれ