山で暮らしていると、季節の移り変わりに敏感になる。
といっても標高100㍍そこそこの住宅地なので、
丘とか台地と呼ぶのがふさわしいような気もする。
早朝、あくびなんかしながら窓をあけると、
鋭角な陽射しが目の前にスッとのびる。
戸外の空気はひんやりしている。
気温は街中より3度以上は低いと思う。
遠くにそびえる連山を望むと、
中腹から上のほうが朝日で光っているのが見える。
いまでは見慣れた景色なんだけれど、
ぜんぜん飽きることがない。
最近になって気づいたのだけれど、
人って暮らす環境、とりわけロケーションによって、
心の有りようやライフスタイルに
かなりの影響を与えるのではないか?
ということ。
(当然ことなのだけれど)
先日でかけた茅ヶ崎のライブでも、
地元のおっさんおばさんたちがみんなおおらかで若い。
陽に焼けた笑顔が印象的でした。
横浜の街中で生まれ育って、
社会に出てからずっと東京のマンション暮らしだった身としては、
自然や四季の移り変わりを身近に感じられるところで暮らすことは、
贅沢としか言いようがない訳で、
もう都会に戻ろうなんてぜんぜん思わない。
毎朝、出勤する必要もないので、
駅チカであるとかタワマンとか、
どこか遠い価値観のように感じてしまう。
東京から引っ越してきた当初は、
毎日のように「不便だなぁ」を連発していた。
(当時は酒呑みだったので、繁華街と盛り場が至近にないと
生きてゆくことができなかったのだろう)
いなかはクルマの運転が必須なので、
酒を飲む機会もめっきり減り、
終いにはやめてしまったが…
おかげでそれまで医者に指摘されていた肝臓の数値の他、
いろいろな数値が少しづつ正常化してきたし、
時間の使い方も変化し、戸外に出る時間も増えた。
山を歩いたり、河原で焚き火をしたり、
近所の農家の畑を見に行ったり、
クルマをいじったり、
そして空いた時間に仕事をしたり…
夜は夜で、映画を観たり本を読んだりと、
実は毎日がけっこう忙しい。
話がかなり逸れてしまった。
そんな訳で、初夏の緑が目に痛いほどに、
山は生命力に満ちているようです。