2年ぶりの八ヶ岳。
前回も猛暑だったことを思い出した。
途中、立ち寄った山梨県・双葉サービスエリアで、
車のドアを開けると、
外はたき火の横にいるような熱気に包まれていた。
食堂は人の列。
僕は自販機でアイスコーヒーを買い、
そのまま立ち去った。
標高1200メートルの山小屋に着いたときはホッとした。
その日の夜は肌寒くもあった。
そして今回の宿は、小淵沢。
山梨県と長野県の県境あたり。
標高600メートルくらいだろうか。
昼間はぜんぜん涼しくないが、
夕方になるととても心地の良い風が吹く。
近くにサントリーの白州工場がある。
水がおいしくて豊富だからだ。
八ヶ岳は晴天率も飛び抜けて高い。
首都圏は相当天気が荒れていたらしいが、
こちらは小雨が降った程度で、あとはサッと晴れる。
この日は小淵沢へ行く途中の、
中央高速の長坂インターを降りて
まず清里へ向かった。
ずっと上り坂なので、
車のエンジンは回転数を上げ、
なかなか良い音と振動が伝わる。
山の緑の陰影が美しい。
空がデカい。青い。
雲がぽかんと浮かんでいる。
車を清泉寮の牧場にとめ、
コーヒーを飲みながら、
ずっと雲が流れてゆく様をみていた。
陽差しは強いが、
気温は25度くらいだろうか。
遠くに人の声。
草のなびく音。
近くにいた家族ずれ。
小さな女の子がソフトクリームを頬張っている。
その向こうに、初めてのデートと思われる若いカップル。
ふたりの仕草がなんだかぎこちない。
(懐かしい風景)
いまこの空に、たとえばペガサスが飛んでいたとしても
何の違和感もないようなひととき。
日常と奇跡は、ひょっとして紙一重なのかも知れない…
僕は思わず居眠りをしてしまった。
↑清里は閑散としている