人類に忖度なし。
新年早々の大きな地震が起きてしまった。
自然は容赦ないなぁと改めて思う。
被災地の方々には心よりお見舞い申し上げます。
太平洋側は常に地震の警戒が言われていたけれど、
能登半島なのかと、虚を突かれた感じだ。
テレビを観ていて3.11を思い出す。
とても嫌な記憶が蘇ってきたので、
いい加減にテレビを消す。
ハードディスクにためておいた映画に切り替える。
「ネバーエンディングストーリー」。
もう2回観ているけれど、
なぜかこの映画には惹かれてしまう。
要約するとこんな映画だ。
本の好きないじめられっ子が、古本屋から拝借した本を
読みふけっているうちに、
ストーリーのなかに入り込んでしまい、
もうひとりの勇者と言われる少年とともに、
旅を続け、ようやく世界を救う…
(映画は夢と現実が同時に進行する)
簡単に書くと、そんなストーリーなのだ。
いにしえから男の子は困難な旅に出なくてはならない。
そうして誰かを救うことで一人前になり、
やがておとなになる。
こうした話は世界中で散見される。
いわば物語の定番であり王道だ。
が、この映画の設定がなかなか良いのだ。
この映画で、少年が戦う相手は「虚無」だ。
そう虚無なのだ。
映像はわりと幼稚なのだけれど、
虚無というものを敵に設定するところが秀逸。
人は夢や希望を失うと心がむなしくなり、
やがて虚無がその人を支配するようになる。
(これは現実に起こることでもある)
それが世界に広がると、やがて世界は崩壊する。
(そうなのかもしれない)
夢のない世界、失われた希望…
ふたりの少年の旅は、ある意味で、
人の心に灯りをともす旅であり、
いろいろな困難に打ち勝つことで、
ようやく世界は復活する…
一見単純だれど、テーマには、
人間にとって不変の尊い精神性が込められている。
現実は、
ロシア・ウクライナ戦争、イスラエル・パレスチナ戦争、
オイル危機、世界で起こっている災害の数々、
そしてパンデミックから、
いつ起きてもおかしくない金融システムの崩壊などなど、
ボクたちを取り巻く世界だって、
いつ「虚無」が広がるかわからない様相なのだ。
容赦ない。
という訳で、正月早々なのだけれど、
あまり明るいことは書けなかった。
今年はある意味で、
世界も日本も天王山の年になるのではないのか、とも思う。
(アメリカの大統領選も今年である)
やはり、気の引き締まる正月である。