横浜・元町を歩く犬

 

横浜・元町を、プラプラしてみた。

平日の夕刻。

以前ほど賑わっていないなぁ。

 

街のあちこちに廃れた感が漂っている。

道行く人も、買い物というより

ボクと同じく、ひやかしのようにみえる。

 

店に入る客は、あまりいない。

 

がしかしだ、

通りに駐まっているクルマが、

どれもふだんはあまり見ない高級車ばかりで、

クルマ好きのボクとしては、ため息の連続。

と同時にこの街の特異性を感じとれた。

 

ベンツやポルシェは当たり前なんだけど、

ベントレーとか高級SUVのレンジローバーとか、

ふだんは見慣れないクルマがフツーにとまっている。

 

フェラーリやカウンタックのような派手派手のスーパーカーはみかけない。

それがこの街の特異性だ。

 

街の空気感もまた、東京の青山や麻布界隈と何かが違う。

横浜という地域性もあるのだろうが、

やはり海の向こうのにおいがぷんぷんするのだ。

 

それはここにある店の個性なのか街のつくりなのか判然としない。

が、とにかく海外のどこかの街角のような空気なのである。

 

そう、ボクは「舶来」というキーワードにたどり着いた。

 

という訳で、廃れたとはいえ、

いぜん横浜・元町は一種独特の空気で覆われた、

異国のかおり漂う老舗ブランドの街なのである。

 

で、なんだか目についたのが犬を連れた女性。

いや、きれいそうにみえてしまう女性に連れられた

こじゃれた犬なのであった。

 

ボクは犬に関する知識が全くない。

庭に繋いだ雑種しか飼ったことがない。

その雑種はかなりどう猛でよく鎖をちぎって逃走したりしていた。

 

翻って、元町を歩く小型犬はどれも、

素人目にみても、いわゆる高級そうなワンちゃんなのである。

(ボクの飼っていた犬は、野犬だったのであろうか?)

 

大きなリボンを付けたり、服を着てたり、ブーツを履いていたりと、

なんだか人間的でみないちように毛の艶がいい。

夕暮れの日射しに照らされて金色に光っているのだ。

連れている女性もとうぜんセレブなのであった。

(ホントは知らないけれど…)

 

で、ワンちゃんを観察していてふと思ったのが、

並のドッグフードなんか食っていないのではないか?

ということ。

思うに、フランスから輸入したチーズとか

産地限定の無農薬野菜とか、

日本近海でとれた本マグロの中トロとか、

黒毛和牛の炙ったやつとか、

そんなものを口にしているのではないか?

(考えすぎだと思うけれどね)

 

振り返れば、

この街はムカシから近づきがたい街であった。

若いころは当然お金がなかった。

それでもフクゾーのトレーナーとかヨットパーカー欲しさに、

元町をめざす訳。

で、値札をみてはその都度退散ということを繰り返していた。

またこの元町にはフランス料理の老舗「霧笛楼」があるが、

ボクはいまだにこのレストランに入ったことがない。

(レンガチョコしか食ったことがない)

 

という訳で、

ボク的には依然として敷居の高い街。

 

それはとにかく犬をみれば明らかなことなのだ!