意外とNHK朝ドラのファンです。
永く観ているので、
「純と愛」の違和感はかなりのものがある。
純と愛だから、
単純に純愛ものだろうと思っていたが、
そうではなかった。
とにかく最初から、NHKの朝ドラとしてはあり得ない、
訳ありばかりのてんこ盛りで、話は進む。
で、ふと気づいたら、
登場人物の誰をも、私は好きになれないということ。
これって、致命的。
まず、純という主人公は、
綺麗とかかわいいとかの次元ではなく、
とにかく落ち着きがない。
いつもガチャガチャしている。
そして、常に感情的な物言い。
料理が上手くないという設定も、
このドラマの狙いだろう。
彼女の家族も、かなり癖のある性格づけで、
このドラマを、
余計とっつきにくいものにしている。
相手役の愛(いとし)も、
例えば霊感があるとか精神的に病んでいるとか、
作為的に風変わりな奴に仕上げてあるので、
そこが斬新といえばそうなのかなと思う。
そして、弁護士である彼の母親も、
かなり尖った性格の持ち主。
でである。
交わす台詞がいちいち嘘くさい。
この流れで、前半がすでに終わってしまったのだ。
正直、このままだと、
毎朝観るのが、かなり憂鬱になる予想。
なんだか、見終わった後のやるせなさだけが残るような…
いつもの朝ドラとは、明らかに違うな。
例えば、純の母親が吐く台詞のひとつに、こんなのがあった。
「やはり純をあなたと結婚させなければよかった」
愛に向かって、この台詞を平然と言ってのける様は、
かなり異様だ。
このドラマでまず目につくのは、
言ってはいけないことばを、平然と言ってのけることである。
うがった見方をすれば、それが作者のめざすものと想像できる。
脚本の遊川和彦という人は、かなりのベテランだそうで、
調べるといろいろ戦歴が出てくる。
代表的な作品は、やはり「家政婦のミタ」と、
「女王の教室」だろう。
他、田村正和が主演の「オヤジぃ。」や
「演歌の女王」なんていうのもあった。
「家政婦のミタ」は、
鬱屈した家族のなかに家政婦としてミタが入ることにより、
最後はミタの影響で家族がまとまるというような話だったが、
最初からかなりの違和感で、話を強引に引っ張っていった。
そして、その違和感がラストのどんでん返しで、
それまで視聴者がずっと引きずっていた憂鬱を払拭する。
これは、ラストの鮮やかさを際立たせるための、
ドラマの新しい昇華法なのか。
「純と愛」も、この匂いがぷんぷんする。
意図的な環境設定。
あり得ない、登場人物の行動。
救われない台詞の数々。
しかし、作者が、
NHKの朝ドラということを意識してではなく、
故意にあり得ない斬新さを狙うでもなく、
最後のどんでん返しがあるでもなく、
このまま淡々と後半が進むとしたら、
これは救われない話だ。
私の勘ぐりが過ぎたと反省しなければならない。
だとしたら、
このドラマはリアリティをめざしているのか。
それならば、いまはそのような時代なのだと、
作者は警告を鳴らしているのかな。
どうかこのドラマが、
私の勘ぐり通り、斬新でありますように。
最後に、
とんでもないどんでん返しがありますように。
要は、
作者お得意の「お伽話」に仕上げて頂きたいのだ。
ああ、正月から、先行き不安。
ふと、世間というもの、
人の気持ちなんぞが気にかかってしまう訳で…
『純と愛』 というのは、NHKの朝ドラとしては、(良く言えば) 異色のドラマなのでしょうね。
おっしゃるように、設定が突拍子もない。
最初の方では、愛が超能力者みたいになっていたり … 。
私はこのドラマをあんまり観ていないので、コメントを差し上げる資格はないのかもしれませんけれど、スパンキーさんが感じられている “違和感” の部分に関してはまったく同感です。
特にヒロインに感情移入できない。
>>「落ち着きがない」 >>「ガチャガチャしている」 >>「常に感情的な物言い」
それが続いたので、観る習慣から遠ざかりました。
“オッチョコチョイのヒロイン” というのは、NHKの朝ドラではある種の定番みたいになっていますけれど、もう 「元気の空回り」 で笑いを取ろうというのが、ちょっと古いかな。
おっしゃるように、斬新な結末によって 「お伽話」 が完成するといいですね。
どうも最近、現実ってこんなもんだよと
ボールを投げられているような気がしてきましたね。
この作者が綺麗などんでん返しを狙っているフシもありますが、
これが現実ですよと突きつけるのも、インパクトあり。
朝からぼおーっと平和ボケな顔でNHK観てるんじゃねーよ、
というメッセージですかね?
が、疑問なのは、主人公が魔法の国にこだわっているくだり。
この掃き溜めの鶴のようなことばが、かなり引っかかっています。
ま、どっちへ転んでも、あまり好きなドラマではないような気がしてきました。
朝はアタマが回っていないので、やはりですね、
おしんのような単純さが良いと思うのですが(笑)…
コメント、ありがとうございます。