骨董ミステリー

コレクションの趣味はないが、骨董好きなので、

ちょいちょいと骨董屋へ通っている。

最初は、浮世絵が好きだったのでそんなものばかり

見に行っていた。

特に広重がいいなぁと思うも、そんな凄いものはなく、

まぁ、無名のものでも良いものは揃っている。

江戸の浮世絵の優れた点は、ヨーロッパの絵のように、

「受胎」とか「ビーナス誕生」とかそんなクソ難しいテーマではなく、

「大はしあたけの夕立」とか「亀戸梅屋舗」とか、

何気ない日常を描いていることと思う。

雨

広重

そんなことを考えながら、絵のなかの風景や人の表情、

仕草、着ているもの、建物、

そして裏刷りの確認、年代の裏付け、

紙の焼け具合などをチェックしていると、

その時代に遡ったようで面白い。

江戸時代から開国、そして版画も日清・日露戦争など、

図柄も戦記物へと変遷するが、

この頃になるともうつまらない。

そんなものを一通り見た後は、

焼き物へと目が移るのだが…

焼き物は鍋島が飛び抜けて美しい。

シンプルで清楚。

青磁を生かした文様が際立つ。

伊万里

が、外人には古伊万里が人気だ。

赤や金を施し、こちらはかなり派手である。

古九谷または九谷も人気らしいが、

九谷焼きは、どうも色がきつい。

私の好みではない。

という訳で、

古伊万里や九谷はいま、

かなり諸外国へ流れているとのこと。

古伊万里

九谷

また現在海外で人気なのが、どうも漢字である。

漢字はその名のとおり、現在の中国が発祥だが、

中国漢字と日本漢字は、やはり違う。

書というのは、時代、国、書法など、

人それぞれの好みの問題となるが、

やはり私は、日本の仏教人の書いたものに惹かれる。

先日、あの一休宗純禅師の書というものを目にした。

これには私もかなりの疑いをもっていたので、

とりあえずiPhoneで撮影。

そして幾度となく、ネットでチェックを試みた。

結果、これと全く同じものが、

京都のとある寺に納められていると知った。

となると私が目にしたものは贋作かということで、

隅々まで双方の写真を確認したが、

未熟さのせいか、その違いが分からない。

昔の贋作の方法としては、本物を横に、

腕の覚えのある人間が何枚も何枚もまねて書く、という方法と、

本物の上からなぞる方法があるらしい。

私も書道を少しかじっているので、

その筆の置き方、走り具合、

かすれなどを細かく見ているつもりだが、

とても贋作とは思えない出来栄えだった。

骨董店の店主に、何気なく値段を尋ねると、

すわ40万円とのこと。

うーん、いやぁ、高いな!

が、もしこの書が本当に一休さんのものだとしたら、

国宝級の価値をもつのではないか?

最近、仕事の合間にチラチラ気になるのが、

このことなのだか、

いまだ本物かどうかの決め手は、

なにひとつない。

ホント、イライラする。

一休

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