ひとのゆくみち交差点まじわって秋の日差しに笑えあえたら
ことばの壁にぶつかって我ひとり立ち尽くすローマのまち寒く
濃いいろ淡色まだらの秋けしき僕の収穫ひとつ老いたり
ひとのゆくみち交差点まじわって秋の日差しに笑えあえたら
ことばの壁にぶつかって我ひとり立ち尽くすローマのまち寒く
濃いいろ淡色まだらの秋けしき僕の収穫ひとつ老いたり
雨空にたちのぼる白龍のよういまこの世界いにしえ(古)の如き
柿食えば幼い頃をおもいだすバナナではないパインでもなく
葉が散りてトンボは群れて空を舞う昨日までの陽はつるべおとし


路面電車に揺られてゆく病院父を知らないおじさんと呼び
蘇るという言葉を最期まで携えてゆけ僕は信じる



水底に
深く眠れる葉のように
幸も不幸も
手なずけたなら

じーじーと
鳴く虫とゆく
あぜ道の
空に広がる
白いカゲロウ


海いろの
シャツはためいて
灼熱の 夢
胸をわた る
貿易風
ゆく手に
有り余るひかり
地を跳ねて
夏の夜明けは
ボクの舞台だ
