きょうの短歌

 

 

雨空にたちのぼる白龍のよういまこの世界いにしえ(古)の如き

 

 

 

柿食えば幼い頃をおもいだすバナナではないパインでもなく

 

 

 

きょうの短歌

 

 

葉が散りてトンボは群れて空を舞う昨日までの陽はつるべおとし

 

 

 

 

きょうの短歌

 

路面電車に揺られてゆく病院父を知らないおじさんと呼び

 

 

きょうの短歌

 

蘇るという言葉を最期まで携えてゆけ僕は信じる

 

 

きょうの短歌

太陽の
味とかおりがすると君
夏のビーチで
わかめラーメン

きょうの短歌

 

 

水底に

深く眠れる葉のように

幸も不幸も

手なずけたなら

 

 

 

 

きょうの短歌

 

じーじーと

鳴く虫とゆく

あぜ道の

空に広がる

白いカゲロウ

 

 

きょうの短歌

 

 

海いろの 

シャツはためいて 

灼熱の 夢 

胸をわた る 

貿易風 

 

 

きょうの短歌

 

ゆく手に 

有り余るひかり

地を跳ねて

夏の夜明けは

ボクの舞台だ

 

 

 

きょうの短歌

 

群青の 

 陽はうつろ

風舞って

白いビーチに

朱の傘ひらく

 

by spanky