12月のうた

外は北風ピープー吹いていて

ちょっと苦手だけど

僕はマフラーを巻いて外へ

北風くん

雪でも降るのかな?

北風く~ん

北風

街はもうすぐクリスマス

だからあれもこれも

忙しいな

買い物にでかけなきゃ

見上げると

ああ 

やっぱり空が怒っているよ

ほらね

冬将軍だ!

怒

でも

でかけなきゃ

クリスマスの支度をしなくちゃ

空を見ながら歩いていると

あっ 北の妖精くん

今年もきてくれたんだね!

あったかい僕の部屋にきて

また話してくれるかい?

むかしムカシの

冬が生まれたころの

話のつづきをさ!

妖精

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落ち葉を掃くひと

この季節になると

必ずみかける光景が

落ち葉を掃いている姿だ

落ち葉を掃いている様は

とめどない

それがどこか空しく

終わりのない作業のように思えるも

永いひとの一生の

日々の暮らしのようにも思えてくる

累々と降り積もる落ち葉

が、どのひとも修行僧のように寡黙で

それは

なにかを分かっているようでもあり

それが運命だとあきらめ

うなだれた気持ちを

丸まった背中で語っているようにも

思えてくる

掃くそばから

無情にも葉が止めどなく落ちるが

ひとは構わず掃き続ける

こうして冬が深まり

皆、暖の支度を終え

景色は色を落とし

空は澄み

キンと張り詰めた季節が

今年も始まる

逝ってしまったひとよ

もの悲しいこの季節に

僕はよく思うのだが

あなた方の時間は

やはり

日々

落ち葉を掃くように

過ぎてゆくのですか?

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鰯のプロフィール

虹色の海では

今日はどの船も大漁で

きらきらとしたウロコが

ピカっと跳ねて

港では歓声が沸き上がる

丘に上がったイワシは

どの姿も

一見

まったく同じようすで横たわっているが

しかし

この中のおのおの一匹いっぴきに

実は家族がいて

親類縁者なども存在し

生まれたふるさとも記憶していて

まして名前もあるんだよ…

その名はイワ太郎

優秀な家系に生まれ

いつかはと

太平洋をめざして

皆と泳いでいたところを

運悪く捕まってしまって…

ちょうど一緒に捕まった

イワ子のことを

ものごころついた頃から

イワ太郎は好いていて

いつ告白しようかと

そればかり思っていたんだけれど…

そればかりか

やはりイワ子にも

実は家族がいて

親類縁者なども存在し

生まれたふるさとも記憶していて…

回転寿司屋で

通り過ぎる鰯の握りを見ていて

そんな事を思ってしまったら

ああ

もう何もかもいけないなと

ついつい

思ってしまって…

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オールド・ファッションド・ラブ・ソング

古いラブソングが

ちょうどラジオから

流れているね

これって

永遠の愛を誓い合った

恋人たちのメロディーが

いっぱい詰まっているんだ

そのゆっくり流れるメロディーを聴くと

以前どこかで耳にしたなって

君も思い出すだろ

しかし

彼らに戻ってと言う必要なんてないさ

なぜなら

彼らは永遠に離れたりしないから…

古い古いラブソングさ

これってひょっとしたら

僕たち二人のために書かれた歌?

古い古いラブソングさ

3人のハーモニーだね

二人がよく分かる

優しさとフィーリング

愛し合うときには

ライトを落として

聴こうよ

毎晩

僕らが夢に陥るときに

聴こうよ

そのゆっくり流れるメロディーを聴くと

以前どこかで耳にしたなって

君も思い出すだろ

しかし

彼らに戻ってと言う必要なんてないさ

なぜなら

彼らは永遠に離れたりしないから…

古い古いラブソングさ

これってひょっとしたら

僕たち二人のために書かれた歌?


高校時代にヒットした忘れがたい曲。
スリー・ドッグ・ナイトのハーモニーが、
当時とても新鮮でした。
レコードジャケットも、Good!
その頃付き合っていた彼女は、
後に2児の母となったそうな…
 

夏休みに

母と八百屋で

苺をひとかご買った

帰り道に

突然の夕立

怖くて怖くて

ふたりで手を繋いで

夢中で走って

雨が絞れる程濡れて

帰った

途中で

苺がころころと

いくつもいくつも転がって

それが

雨粒の跳ね返りに紛れたのを

いまも覚えている

家に着いて

かごを覗くと

苺はほんの数粒しかなかったけれど

母は笑いながら

「雷さま怖かったね」と言って

手ぬぐいで

僕の頭や顔をごしごしと拭いて

抱きしめてくれた

僕はほっとして

母をじっと見ていた

幼い頃から

ずっと

母は永遠の人だと思っていたのに…

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伝言

親父

あなたはいま頃

どのあたりを旅しているのかな

七回忌もやっちゃったし

当分会えないな

そうそう

おふくろに会ったかい

今年の秋に

おふくろの三回忌やるから

一応聞いてみるけれど…

まあ言うことは分かってるよ

あたしゃね 見かけたよ

だけどそれだけだよ ってね

最近夢を見てさ

俺がね 

昔に住んでいた家なのか

どこの家だか知らないが

まだ幼くてさ

隣の部屋をふと覗くと

若い親父とお袋が一枚のふとんを被って

窓の外を見ているんだ

で何かコソコソしゃべっているんだけど

あれ

ふたりって仲がいいんじゃんって

驚いて

ああ

その昔むかし

やはり親父とお袋って

愛し合っていたんだって…

本当に初めて俺

泣けてきてさ

お袋

ときどきね

ふとしたときに

あなたの気配を感じるけれど

まだ近くにいるよな

そしたら親父に伝えておいてよ

つれないのは

もういいだろ?

「俺は元気です」って

それだけでいいよ

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夏の匂い

さわさわと降る雨に

草花はいっせいに蘇り

細い小径が湧き立つ

よける枝を掴んで歩くと

やはりいのちなんだなぁ

その葉

匂い 

葉のしずく

むせ返る生々しさに

遠い風景が重なる

夢をそんなことと笑っていたその頃

私はどんな色をしていたのだろう

忘れられない一葉の写真に沁みた

或る日

埋もれた記憶は呼び起こされ

白い砂浜に波の音が流れて

背後に

ざわざわとさとうきびが揺れている

18の夏だろうな…

きょうも小径は

青々と勢いが増し

いのち匂い立ち

陽ざしが無数のドラマを紡いで

この夏の日がはじまる

さあ

いまさらだけれど

などと思いながら

私の物語を

始めるとしようか

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オレのロック

オレって嵐の夜に産まれたんだゼ

横殴りの雨が産湯って訳さ

お袋のことは愛していたけれど…ね

ああ でももう平気さ

そんなのも味なもんだぜ

そう イカした話さ

オレこそ 飛び跳ねるフラッシュだよ

カッコイイだろ

汚ったない魔女に育てられ

嫌というほど殴られた幼年時代

ああ でももう平気さ

そんなのも味なもんだぜ

そう イカした話さ

オレこそ 飛び跳ねるフラッシュだよ

カッコイイだろ

それからオレは溺れさせられ

そう 見捨てられたんだ

足は血まみれ

それからだよ

些細なことにもオレはイライラするのさ

そうさ この大きな釘がね

オレの王冠さ

ああ でももう平気さ

そんなのも味なもんだぜ

そう イカした話さ

オレこそ 飛び跳ねるフラッシュだよ

カッコイイだろ

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夜更けに想うこと

そのむかし

天使と

悪魔が

酒を酌み交わし

意気投合してつくったのが

人間なんだなぁ

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悲しみ

指さす先の

見上げた

きっとあのあたりに

私の悲しみはあるのだろう

忘れ物を

心の何処にしまっておこうか

ああ

神様だって忘れてしまって

空が泣いている

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