アタマ力

走るのが速い人や、いわゆる力自慢とかいう人は、

それを拝見すれば、おおっすげっーなぁってすぐ分かる。

アスリートと言われる人は、動きがカッコ良いし、

サッカー選手なんかを見ても、その動きは

やはり我々とは違うな、練習してるな鍛えてるなと、

感慨深いため息なんかをついたりする。

要するに、カラダの能力は、割と誰でも理解できるものです。

しかし、あの人ってちょっとインテリそうね、なんて見えても

いざ話してみると、割と何も考えてなかったり空っぽ?

なお方もたまにいらっしゃる。

逆に、外見アホっぽくてごっついオッサンでも、なかなか鋭い事を

指摘してくる、ということもあります。

服装ほか外見で、その人となり、みたいなもんは

ぼんやりみえるのだが、

それでもなかなか人のアタマの中は分からないものです。

で、アタマ力。これ何かっていうと私たちの仕事に欠かせない

能力なんですね。

俗に言うアタマの良いい奴とは、この場合全然違います。

キレる頭脳でもなく、天才でもない。

ただただ考え続ける能力なんですね。

いわば、頭脳のマラソンマン。

アタマの持久力がある人。

これ、私たちの仕事に就く方に欠かせない能力だと

以前より感じておりました。

だって、オーダーを受けてから完成まで、

ずっとその会社なり製品を観察し、

あらゆる角度から考え、その表現方法を探り出すまで

ただひたすらアタマを使い続けなくてはならないんですからね。

で、いざ取りかかってみたものの、何かに狂いが生じると

振り出しに戻る羽目になることもあるんてすね(涙)

ともかく、完成まで気を抜かない忍耐と考え続ける力がなければ、

この商売はできないと断言できます。

私も駆け出しの頃、某石油メーカーから、

全国のガソリンスタンド向けに

サービスマンだけでできる365日簡単イベントマニュアル

みたいなものの制作依頼を受けました。

私の担当はコピーライティングのみだったんですが、

期限は3日!

これ、きついんですよね。

で、寝ないことに決めました。

当時はまだ若かったので、そんな決断をしたと思います。

はじめは季節ごとの歳事や記念日等々、

いろいろな事柄を絡めて企画していったのですが

いざ1月から書き始めたら、

途中から全然ペースが遅いことに気がついたので、ペースアップ! 

ブンブン飛ばしました。

が、二日目の徹夜も朝方を迎えたとき、遂に行き詰まりました。

何も文章が出てこない。

考えても考えても、いや何も考えられなかったのかも知れません。

で、一瞬寝たような?

ワープロの画面が真っ白になりました。

あれっと思い、気がついたときには、

私はアゴを突き出し、天井を向いていました。

ヤバイと思い、再び画面に向かって一心不乱に書き続け、

朝を迎えたんですが、

振り返るに、何故あのとき続きの文章が出てきたのか

いまでも分からないんですね?

私はあのとき、きっと神様が降りてきて助けてくれたんだと

現在でも確信しております。

なんたって、家族みんなの生活がかかっておりましたから

善良な私を助けてくれたんですね(笑)

いや

あのときほど

アタマ力が欲しいと思ったことはないですね(不眠力も)

この話は極端な例ですが、こういう仕事をしていると

近い状況は、常に存在します。

素早い対処とアタマの持久力は、こうした訳で必需品です。

そんなの嫌だなぁと思われるでしょうが、こんな能力は

ひょっとすると、どんな仕事にも通ずる共通項かも知れませんね?

みなさん、そういう訳で

もしこうした仕事をめざすんでしたら、

カラダを鍛えると同時に、

ついでに長編小説でも何でもいいですから

チャレンジ&チャレンジ!

アタマ力も、鍛えましょう!

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