相変わらず、風の冷たい日が続く2月某日。
「それにしても青サギのことが気になるなぁ」
という訳で、やはりというべきか、
カメラを手に、例の場所へ。
河川敷を歩きながら、キョロキョロする。
水田跡に目を配るが、
一見保護色にも見える青サギは、
やはり遠方よりの視認では無理。
反対側の川岸へ近づくため、
河川を上流へ上り、一つ目の橋をめざす。
その地点から見渡せるどこかに、
青サギはいるハズだった。
が、いくら目を凝らしてもその姿がない。
荒涼とした水田跡に、ムクドリが数羽固まっているだけ。
あきらめて水辺を覗くと、
珍しく白っぽい鯉が泳いでいる。
河川沿いの枯れた木々が寒々としている。
がよくみると、
なんとそのなかの大きな枯れた木に、
孤高の如く青サギは佇んでいたのだ。
こうなると、
さらに他のショットが欲しくなる。
立ち姿や餌をついばむシーン、
いや、羽ばたく瞬間も撮りたいなぁ。
そんな訳で後日でかけてみると、
あの孤高の勇姿が、河川敷の横の池にいた。
カメラを構えていると、
なんと、後方からもう一羽の白鷺が舞い降りた。
そして、二羽で餌をついばんでいるではないか。
それは、立ち姿の美しい二羽だった。
平和そうにみえる。
そこにはもう、孤高の気高さはない。
きっとそれは、
こちらが勝手につくりあげた幻想だった。