バブル狂騒年表

竹の子族

駆け出し編集者だった私は、ネタ探しに奔走していた。

あるとき、原宿に変な格好をした集団が、

毎週末集まっているという情報をキャッチ。

早速、カメラマンと一緒に原宿へ!

と、そこには原色のハーレムスーツを着た集団が輪になって、

不思議な踊りを踊っていた。

カメラマンが夢中で写真を撮る。

私がみんなに取材を開始する。

程なく、皆不機嫌な顔で、私とカメラマンを取り囲む。

「おめぇら、勝手に話しかけたり写真なんか撮るんじゃねーよ!」

族とか不良集団とは、明らかに違う臭い。

まあまあとなだめながら、取材続行。

撮影が進むにつれ、次第に皆ポーズをとりはじめる。

こいつらイケルナ、クルナと思いました。

ポカリスエット発売

酒を飲んだ後にポカリスエット。

暑くて汗をかいた朝にポカリスエット。

もちろん、スポーツの後にもポカリ。

と、ポカリにハマった友人がいて、

なんと、ひと夏に3キロ太ったという。

スイカ汁のような味。

甘いんだかうまいんだか、舌が理解できない味。

当時、あの飲み物の志向が、私たちにはさっぱり分からなかった。

喉が渇いたら、せいぜい水とかジュースだった時代。

水分の質とかバランスといわれても、理解できない。

糖分と塩分がなぜ必要なのか?

いまでは当たり前になった考え方の元が、

この頃新発売された。

確か、ポカリって当初は苦戦を強いられていた。

東京ディズニーランドオープン

ディズニーは、幼い頃から慣れ親しんでいたので好きだったが、

あの湾岸を埋め立てた場所には、一切行かなかった。

東京とは名乗るも、場所は千葉。

ああ、ミッキーもドナルドもダンボも、

動いて私の目の前にあらわれてはならない…

あれは、キンダーブックのなかの私だけの世界なのだ。

子供を連れて行く行かないで、奥さんと何度となくもめた。

結局私は、いまだに行ったこともないし、

相変わらず、行きたいとも思わない。

が、映画「クリスマスキャロル」のスクルージ(ドナルド)は、

いまでも好きだなぁ。

ファミコン登場

息子とスーパーマリオ・ブラザースにはまる。

最後のゴールでの怪獣との戦いは、かなり手に汗だった。

また、ドクターマリオというゲームもあって、

同じ色のカプセルをうまく並べないとアウト。

瞬時の判断がゲームを左右する。

これは奥さんと何度も対戦。

明け方に終わることもしばしばだった。

いつ寝ていたのだろうと振り返る。

やはり若かったからかなぁ。

当時はビックリマンというシールも流行っていて、

このシールに勝てる企画をと、

某広告代理店より話が持ち込まれる。

企画料10万円也。

破格の安ギャラ。

不まじめに考えた末、その企画も泡と消えました。

日産の高級車シーマがバカ売れ

夜の六本木で安い酒を飲んでいて、

気がつくといつも深夜。

こうなると、まず朝方までタクシーが捕まらない。

空車がないのだ。

どいつもこいつもタクシーに乗って帰る。

そんな時代。

うしろを振り返りながらテレ朝通りを歩いていても、

通り過ぎるのはBMWばかり。

いま思えば、変な風景でした。

休日に、地元・横浜の友人が遊びに来るという。

で、乗ってきたクルマがシーマ。

後部座席に座ると、

なんと車内に怪しい色のルームライトが、ふわぁと光っている。

ソファなんかフカフカだ!

私はオフロードバイクが日常のアシだったので、

ホント、驚いてしまいました。

ハウスマヌカン

出版社を辞め、何度か転職を繰り返し、

辿り着いたのが表参道にある広告制作プロダクションだった。

青山通りを歩いていると、どの子も黒づくめの服ばかり。

アパレル関係もDCブランドとかが出てきて、

女子服もまた活気に満ちていました。

で、そんなお店で働く女の子のことをハウスマヌカンと呼んだ。

辛そう、どこか寂しそうというのが私の印象。

ヘア・スタイルは皆決まってボブヘア。

コシノジュンコさんあたりのマネだったのでしょうか?

売れ始めた頃の林真理子さんが、やはり同じような格好で、

よくあの周辺を歩いているのを見かけました。

「夜霧のハウスマヌカン」という歌がちょいヒット。

やはり暗いメロディーと歌詞でしたねぇ。

ボディコンシャス

東京のウォーターフロントとかが注目され始めたのも、

この頃でしょう。

有明にでっかいディスコができて、

毎夜、狂ったように女の子が踊っていたようです。

六本木のロアビルも賑わっていました。

このビルに何度か通いましたが、

そうですね、私の知っている古いヨコハマ・チャチャは、

もう誰も踊ってはいませんでした。

で、躰にピッタリのボディコンワンピースは、

なんだか原色とアニマル柄が多かったように記憶しています。

「オトコって、要するにアクセサリーなのよ」

こんなことをほざいている女子がかなりいましたねぇ。

女性がどんどん変わってゆく、

そんな潮目に立ち会ったような気がします。

にほんブログ村 ポエムブログ ことばへ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.