トカイナカとは、都会と田舎を繋げた造語だ。
私が考えた言葉ではない。
トカイナカに、私は敏感に反応した。
本来、トカイナカとは、首都圏とか主要都市から
少し離れた田舎なのに、そこそこ拓けている、
そんな所を指すらしい。
現在、私が住んでいるところがそうである。
が、私が考えるトカイナカとは、
都会と田舎の良いところを享受する、
いわばライフスタイルのことを指す。
横浜、そして東京。
こうした都会というところに長年住んでみて、
その良さも堪能したが、
反面、田舎に引っ込んでみて分かったのが、
あの都会のせせこましさである。
確かに都会にいれば、ビジネスチャンスがゴロゴロ転がっている。
そして気の利いた店がひしめいている。
美術館が多いのも、いまとなっては羨ましい。
が、如何せん都会は人が多い。
ごちゃごちゃしているので、疲れる。
空が見渡せない。
いまとなっては、これが一番辛いかな?
転じて、田舎は空気がいい。
空を見渡せるのが嬉しい。
クルマ派の私にとっては、
駐車場の料金が安いのもありがたい。
しかし、都会に較べると、
明らかにビジネスのパイは減る。
いや、問題なのは市場ではなく、
ひょっとしたら市場価格なのかも知れない。
仕事の対価としての価格。
これが総じて低く設定されているように思う。
田舎でも気の利いた店なんていうのもあるにはあるが、
嗜好が合わなければアウト。
セレクトの幅が限られているのが、面白くない。
アーティストもなかなかいいの、来ないしね。
でですね、以上のことを踏まえ、
唐突に私なりに思いついたライフスタイルの拠点が、
小田原、軽井沢なのであります。
具体的ですね。
ホントは八ヶ岳が好きなのですが、
二度と都会に出てきそうもないようなので、
今回はトカイナカ候補から外しました。
小田原も軽井沢も、
なかなか素晴らしい自然が残されています。
そして新幹線を使えば、
一時間以内に都内に出られます。
クルマもそれぞれ東名、関越が走っているので、
アクセスも抜群です。
この2点で、両地域のポイントが高い訳です。
軽井沢はいまはまるで考えていないのですが、
小田原での生活は少し考えてみました。
まず、海の見える丘陵地に居を構え、
のんきに畑を耕す訳ですね。
で、収穫したトマトとかキュウリを、
浜の漁師さんにプレゼントして、
換わりに、アジとかサザエなんかをいただく。
食生活は、なかなかいいものになりそうです。
畑なんかも耕しちゃう訳だから、
健康にも良い。
で、日々広い空を眺めて暮らすんですね。
が、或る日突然、
東京のクライアントさんから打合せの依頼。
急な用事ですが、私は平然と「OK」と言い放つ。
翌日の新幹線で、午前11時には品川駅着。
余裕です。
打合せには少し早いが、
軽めの昼飯として、
ゆっくり立ち食いソバなんかを食う。
パスタではありません。
ソバであります。
で、スタバなんていうチェーン店なんかではなく、
駅裏なんかでひっそりやっている喫茶店で、
コーヒーをいただく。
こんな感じ。
で、ここまで書いてふと気がついたのですが、
一般的なトカイナカと言えば、
八王子とか越谷とか柏あたりなのでしょうが、
景色も空気も中途半端、
アクセスも中途半端。
トカイナカというライフスタイルをめざすには、
上記した地域は、私には都会過ぎる訳です。
どうせなら、振り切る。
振り切ったトカイナカこそ、
その利点が鮮明に表れるように思えてなりません。
しかし、下北半島とか佐渡島とか、
四万十川とか五島列島って言われても、
振り切り過ぎていて、こっちが着いてイケマセン。
私がテキトーに考えたトカイナカ・ライフスタイルが、
そもそもちょっと曖昧なのですが、
こんなライフスタイルもアリと考える賛同者が、
果たしてどのくらいいるのか?
勤め人の方には、やたらイライラする提案と思われますが、
自営業者の方はどうなのか?
そこが、私にはさっぱり検討がつかないのです。
生活様式としてのトカイナカ…
いいと思うんですけれどね。