荒涼とした世界に、カメラを構える男。
緑の豊かな大地ではなく、そこは殺伐とした大地。
風が荒れている。
景色に色がない。
水辺にも、生き物の気配がない。
が、カメラを構える男。
なにをめざして、ここを訪れたのか。
突然ファインダーに、見知らぬ人が映る。
風「ここで何をしている?」
妻夫木「あなたは誰ですか」
風「私は風だ」
遂に風が見えた。
妻夫木「風… 僕はあなたを撮るためにここに来ました」
風「君に私が見えるのか」
山、川、雲。枯れた草地。
あらゆるものにファイダーを向ける。
妻夫木「あなたが見えた気がしました。何千年にも渡る
あなたと大地の物語が…」
「連作交響詩 「わが祖国」 第2曲 ヴルタヴァ(モルダウ)」が
いちいちさみしくもあり、重厚かつ思索的。
スコットランドの自然は、人を哲学に導くのか。
一眼、ではなく、まさにイチガンが切り拓く新世界なのかも知れない。
10代のとき、カメラマンをめざしたことがある。
以来、ニコン派。
いまさら、キャノンが気になりだした。