遠い世界に

 

一枚のハガキ届いて

ボクのココロにふたつの風船おどり出す

開け放った窓から飛び込む風に

ふたつの風船おどり出す

 

街へ出て

目ぬき通りのいちばん端のくだもの屋で

小さなオレンジをひとかご買った

 

ステップを踏むように歩いていると

太ったおばさんが笑っているのを

小さな少女がけげんそうに眺めていた

 

街の外れの道を逸れ

柵を乗り越え

牛の背中に飛び乗って

 

流れる白い雲につかまった

 

かごのなかのオレンジ

空に放たれ

黄色の風船も

空のかなたに消えていった

 

一枚のハガキ届いて

ふたつの風船おどり出し

そしてボクは世界を見渡し

ちょっとオトナになっのさ

 

 

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