希望の詩

下弦の薄明かり
三日月の下

とぼとぼと人が行く

空には星の如く
飛行機が光ってやがて小さく
消えてゆく

何処へ?

すっと目線を上げれば
山々は遙かにたなびき

揺れて流れる雲海は
海の底に落ちてゆく

すべてが何をめざして
なぜ存在しているのかと思う

心を静寂にして想えば
知れども知れども
底なしの淵に沈み

やはり見えないものは
自分の内の行方なのか

いまだ消えない炎のように
誰も知らない秘密のように

月は東へ

悠久といえども
たったひとつの物語り
永遠といえども
限りある命

やがて月は
麓に下りれば

総てが時の溜まり場となり

そして陽は昇る

それでも
また陽は昇る

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