ダリア カンナ グラジオラスが
重なるように
鮮やかに濃く
学校の花壇で揺れていた
陽射し かげろう
校舎と電信柱の
深い陰
絵日記はいつも群青で
空の絵と
水まきの虹
最高気温30度
プールの喧噪と
浮き袋のビニールの匂い
まぶたを閉じて広がる
オレンジ色とジリジリと鳴る
真夏のお陽さまの
おしゃべり
ヨーヨーキャンディー
ひやっとして
子安 大口 工場の鉄を叩く音の帰り道
玄関を開けると
金魚と水草
ガラスの紫のふちどり
昼寝したいな
けだるさと畳の匂い
午後3時
ブリキのたらいに
水鉄砲を浮かべて
スイカも浸けて…
赤いかき氷
黄色いかき氷
そして
メロン味のかき氷
もくもく入道雲が
山の上にのっかって
長い石段の上の
森に佇む
神社の夏祭り
ミンミン蝉 クワガタ
不思議な玉虫 竹の虫かご
そしておはじきとビー玉の色
夏の色
それは
遠い昭和の記憶
私のいろ