オスカー・ワイルドの審美眼

 

アイルランド出身の詩人で作家、劇作家である

オスカー・ワイルドは、

「サロメ」「幸福な王子」「ドリアン・グレイの肖像」など、

著名な作品を多数残しているが、その生きざまはすさまじく、

ボクなんかが到底ついてゆけないハチャメチャぶりで、

世間をアッと言わせる数々のエピソードを残している。

 

同性愛がバレて牢屋に入ったり、日々酒に溺れたり、

で梅毒による髄膜炎で死んでしまうのだが、

その死の前日に、彼はカソリックに入信している。

 

本人にしてみればとても真摯な生き方をしたと

ボクなんか思うのだが、

裏腹の評判となってしまうのはなんとも皮肉な話である。

 

ちなみに、かのオスカー賞受賞者に手渡される像のモデルが、

オスカー・ワイルドその人ともいわれている。

彼は、1923年にノーベル文学賞も受賞している。

 

彼はいつも人間や人生の本質というものを探求していたのだが、

そのまなざしの角度が人とはかなり隔っていて、

結果、その真実を掴んでしまった彼は、

心の深い井戸に突き落とされたのでないかと

ボクは推測する。

 

それがやがて日常の退廃や懐疑に繋がったのではないかと思う。

 

彼は、日本の文人である森鷗外、夏目漱石、芥川龍之介、

谷崎潤一郎などにも多大な影響を与えている。

 

そんなオスカー・ワイルドが、こんなことばを残している。

 

―――↓―――

 

「男は愛する女の最初の男になる事を願い、

女は愛する男の最後の女になる事を願う」

 

「流行とは、見るに堪えられないほど醜い外貌をしているので、

六ヶ月ごとに変えなければならないのだ」

 

「社会はしばしば罪人のことは許すものだよ。

しかし、夢見る人のことは決してゆるさない」

 

犯罪者というものはときに許されるものである。

しかし、夢見る人というのは決して許されない。

あなたが夢を語ると、それは無理だ、とすぐいう人はいないか。

いい年をして夢を追うのはいい加減にしろよ、

などと訳知り顔でいう人があなたのまわりにいないか。

彼らはみな、自分に自信がなかったり、強さがなかったりで、

夢をはるか遠い昔にあきらめてしまった人たちである。

あなたが夢を実現してしまうのではないかと不安を感じ、

悔しくて仕方がないから、ただ足を引っ張っていると思って

間違いない。

「オスカー・ワイルドに学ぶ人生の教訓」グレース宮田 著より引用

 

というように、オスカー・ワイルドという人は、

神がかり的に人の総てを見抜いていた。

友人、恋人、社会の入り組んだ糸の仕掛けが、

彼にはくっきりと見えていた。

 

彼の残したことばは、だから色褪せない。

真実を掴んだことばは、時代を軽々と超越してしまう。

 

それに引き換え、

おおかたの政治家や大金持ちが吐くことばの

なんと薄っぺらいことか。

まるで気の抜けた夕べのビール、出がらしのお茶、

冷めたラーメン…のようなことばを、

恥ずかしげもなく使い捨て続けている。

 

↑ホントはこっちを書きたいのか? 最近、かなり腹が立っているからね!

 

色褪せないコトバ

 

「オトコは愛するオンナの最初のオトコになることを願い、

オンナは愛するオトコの最後のオンナになることを願う」

 

アイルランド出身の詩人で劇作家・オスカー・ワイルドの言葉だ。

彼はまたこうも言う。

 

「流行とは、見るに堪えられないほど醜い外貌をしているので、

六ヶ月ごとに変えなければならないのだ」

 

なるほど!

さらに…

「社会はしばしば罪人のことは許すものだよ。

しかし、夢見る人のことは決してゆるさない」

 

彼によれば、

犯罪者というものはときに許されるものであるらしい。

しかし、夢見る人というのは決して許されない。

 

人がもつ複雑かつ深層のようなものを、

彼は、この頃すでに指摘している。

 

例えば、あなたが夢を語ると、

即座に「それは無理だ」という人がいる。

夢を追うことに対しても何故か「いい加減にしろよ」

などと不機嫌になる人もいる。

 

こう言う彼ら彼女らは、

実はみな一様に自分に自信がなかったり強さがなかったりで、

夢をはるか遠いムカシにあきらめてしまった人たちなので、

あなたが夢を実現してしまうのではないかと不安を感じ、

悔しくて仕方がないから、ただ足を引っ張っていると思って

間違いない。

 

これもオスカー・ワイルドによる分析。

 

私たちは訳知り顔でそう助言してくれる相手の言葉に、

不思議にありがたがり、揺り動かされ、振り回され、

自体はさらに混迷へと向かってしまうのだが。

 

と言う訳で、

オスカー・ワイルドという人は、

神がかり的に人生の総てを見抜いていた。

友人、恋人、社会の入り組んだ糸の仕掛けが、

彼にはくっきりと見えていた。

 

真実をみつめた言葉は、いつの時代も変わらない。

だから、彼の残した言葉は普遍的で色褪せない。

 

とここまできて、では、オスカー・ワイルド自身は、

どんな人生を歩んだのか?

 

記録によると、とても残念だけど、

彼の最後は、酷く孤独で惨めな死に方だったと言う。

 

うーん、そういうこと?

 

実のところ、ここがポイントなのである。

 

人生って結局よく分からない。

予測不能でミステリアス。

 

だから、とりあえず幸せを求めて、

誰もが一生懸命生きている。

 

ありきたりだけど、結局のところ、

私たちの知恵って、それで精一杯なのではないでしょうか?

 

 

オスカー・ワイルドに学ぶこと

 

本で溢れてしまった部屋を片付けようと決断するも、

結局、座り込んでアレコレと読みふけってしまった。

 

さっさと整理して、ブック・オフに売りに行くつもりだったが…

 

この調子だと当分片付きそうにないが、

いくつか気になる本がみつかった。

 

ということで、今回はそのなかの一冊を紹介する。

 

「オスカー・ワイルドに学ぶ人生の教訓」(サンマーク出版)。

教訓などというとちょっと引くが、読むとそうでもない。

まあまあ面白い。

 

教訓というより、結構ひねくれた表現ばかりが目につく。

オスカー・ワイルドの人となりが色濃く出ている。

 

この人は、18×4年の10月××日にこの世に生を受けた。

なんでここを強調するかというと、実は私と誕生日が同じだからだ。

それもキッチリ100年違う。

100年後の同年同月に、私が生まれた訳だ。

それがこの本を買った理由なのだ。

きっかけはそれだけ。

イージーといえばイージーだけど、

本との出会いなんてそんなもんだと思う。

 

さて、オスカー・ワイルドは詩人であり作家・劇作家なのだが、

服装の奇抜さとか妙な言動とか同性愛者であるとか、

そんなことばかりが噂として流布する人物だったようだ。

 

文学的傾向としては、耽美的・退廃的・懐疑的など、

なんだか後ろ向きかつネガティブな印象。

 

作品は「サロメ」「ラヴェンナ」をはじめ著名なものが多い。

日本では森鴎外、夏目漱石、芥川龍之介、谷崎潤一郎など、

そうそうたる作家に影響を与えたとも言われている。

この人物を知るほど複雑な気分になるのも確かだ。

 

オスカー・ワイルドは46歳の若さで亡くなっている。

死因は、梅毒による髄膜炎。

葬式には、友人が数人集まっただけだったというから、

客観的にみれば寂しい最後だった。

 

で、この本には彼の放ったとする教訓のようなものが

最初から最後までびっしりと記されている。

たとえば、こんなのがある。

 

「実年齢を教えてくれる女を信用してはならない。

実年齢を言ってしまうような女性は何でも話してしまうのだ」

で、対抗ページの解説にはこう記されている。

 

「聞いてもいないのに自分から実年齢を言ってしまう女性には、

口外してほしくないことを話すのはやめたほうが無難である。

彼女たちに秘密を話すときは、宣伝して欲しい秘密や、

作り話に限る。男でも女でも、年齢をかたくなにごまかす人間は、

秘密は守れるかもしれないが、個人的なつきあいにおいては、

あまり誠実でない可能性が高い。もったいぶっていくつにみえる?

などという女性は、面倒なのでつきあわないほうがよい」

 

これは誰の意見なのだろうと思うも、著者のグレース宮田という

方のオスカー・ワイルドに対する深読みだろうと想像する。

さらにその文の横に解説のようなものが記されている。

 

「彼自身が、当初は2歳若く年齢を公表していました。

彼の母親の年齢詐称も有名な話です」

 

以上を読んで、うーんと唸ってしまいましたね。

 

結局この本の内容が教訓なのかどうか、よく分からない。

ときとしてなるほどと思えたりもするが、皮肉が効き過ぎていたり、

誇大解釈ではないかと推測したり、用心が過ぎるなぁと引いたり、

しまいにはコイツは少し変なのではと思ったり、

とにかく複雑な気持ちにさせられる。

 

そうした意味に於いては飽きがこない一冊ではある。

 

で、この本をペラペラと読んでの私なりの教訓なのだが、

誕生日が同じだとか、星座が一緒だとか、同郷だとか、

同姓同名であるとかの理由などで、

自分と著名人を重ね合わせても何もみつからない、

という仮説を得たことだ。

 

それが今回の大発見と言えるだろう。

 

という訳で一応の収穫はあったのだが、

いい加減に読むのをやめてさっさと片付けないと、

この先ろくな事はないと思ったね。

なにしろやらぬばならない事は、

他にも山積している訳だし…