雪柳
春に小さい白い花を咲かせる雪柳。
暖かい陽ざしに決して溶けたりはしない、ユキヤナギ。
雲
雲は流れる、時も流れてゆく。
ああと感嘆詞の瞬間さえ、遠くへ遠くへと消えてゆく。
水辺
水辺は季節を映す鏡。木々を空を水鳥を描く。
けれど、君の考えていることは、まず映さないからね。
不吉
とても美しい日暮れに身体を抜ける心地よい風。
出来過ぎた一日…つい良くないことの前触れかと勘繰ってしまった。
朝もや
朝もやのなかを、テクテクと歩いている酔っ払いがいる。
そこには、爽やかなズレのような空気が生じている。
桜
お祭りに使う造花なんじゃないかと思うほど、過剰なきらびやかさ。
ソメイヨシノって、自然な不自然で咲いている自然の造花物。
桜山
満開なのに誰も見に来ない。無風。鳥の声も止んで。
この桜山は、有史以来ずっと孤独でした。