世界の片隅で

 

陽が昇ると

太陽神は世界を見渡して

誰それが何処で何をしているかを知ることとなる

 

そして海神と世間話をするうちに

つい愚痴をこぼしてしまい

夕方にはまた

深刻顔になってしまうのが

中世からの日課のようなものだった

 

やがて星々が笑い始めるころ

月神が山神と話し込んでしまい

遠い銀河系の噂を小耳に挟んだりして

ときどき夜明けは遅くなったりするものだから

「困ったものだ」と朝つゆがぼやく

 

世界の営みはいつも

危ない綱渡りで成り立っている

 

消えない放射能が神々を悩ませ

 

あの山は削られ

この川は濁り

海には毒薬が垂れ流されていた

 

世界の酸素と二酸化炭素と窒素のバランスは

果たしていつまで保たれるのか?

(気持ちよく昼寝をしているウミガメの足には

ビニールのながい紐が固く結ばれていた)

 

ミサイルや爆弾が

誰に何をしたのか

よくよく問うてみたことがあるというのか?

 

大統領が偉い訳ではない

将軍が勢力図を動かしているのではない

 

では国境を取っ払って

人類をシェイクして

世界を平均化したところで

問題はより深刻になるばかりだった

 

(人は神に似せてつくられたのに…)

 

陽が昇ると

太陽神は世界を見渡して

誰それが何処で何をしているかを知ることとなる

そして海神と世間話をするうちに

つい愚痴をこぼしてしまい

夕方にはまた

深刻顔になってしまうのが

中世からの日課のようなものだった

 

やがて星々が笑い始めるころ

月神が山神と話し込んでしまい

遠い銀河系の噂を小耳に挟んだりして

時々夜明けは遅くなったりするのだから

「困ったものだ」と朝つゆがぼやく

 

宇宙の意志はいま

本当に困っているに違いない

 

 

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