コピーとかことばの不思議ばなし

広告の仕事をしていてよく思うこと。

それは、コピー軽視です。

特に、キャッチコピーを軽んじている人の

なんと多いことか。

 

対して、デザインは比較的分かり易いので、

みなさん、アレコレと口をはさみますし、

こだわっているようにも思えます。

デザインは、誰もが大筋は判断できるのでしょうね。

格好いいとか、都会的とか…

 

がしかし、デザインに於いても、

それがコンセプトに沿ったものかどうか、

本来、そこを考えなくてはいけない。

そんな観点で今一度デザインをみると、

なかなか難しいものです。

 

で、これがコピーとなると、

かなり粗末な扱いとなる訳です。

検討以前となってしまうことも、多々あります。

適当に誰かが書いて、それがそのまま最後まで残り、

掲載されてしまうことも少なくありません。

 

ボディコピーは、作文の添削と同じように考えるひとが多い。

よってそのコピーがその場に相応しいかどうかではなく、

一応、みな校正のようなチェックはしますが、

この場合も日本語として正しいかどうかのみで終わってしまう。

 

制作する側でも、一部でこのコピー軽視の傾向が、

増えているように思います。

 

よって、フツーの人はなおさらでしょう。

しょうがないといえばそんな気もします。

 

では、なぜ人はキャッチコピーを軽視するのか?

そう、答えは簡単。

分からないからです。

割とみな分からない。

で、私たちコピーライターの出番なのですが、

そもそもキャッチコピーの力を信じない人に

その重要性を説いても無駄でして…

 

私も無理強いはしないようにしています。

 

コピーが元々広告の添え物であり、

そこになにか書いてあれば良し、

要はどうでもいいもの…

そう思っている人は多いのではないか?

その理由は、前述したように分からないから。

 

が、これは甚だしい間違いです。

 

本来、人はことばで動いています。

たとえば、自らの日頃のコミュニケーションを

振り返っても、

ことばひとつで勇気づけられたり、

傷ついたりした経験はないでしょうか?

 

ものの言い方、ことば使いって、

実は難しい。

とてもデリケートなんですね。

 

或るひとことで愛しあう。

或るひとことで涙を流す。

或るひとことで怒る。

 

かように、人の心もことばで動くのです。

ことばって、わりとパワーがあります。

 

おおげさですが、

そのあたりを突き詰めたのが経典とか、

呪文なのかも知れませんよ。

 

人が本気で口にしたものには不思議な力が備わる。

また、そうしたことばが、ひとり歩きをしたりもする。

これを、人は言霊と呼ぶ…

 

コピーはいきものです。

活きもの!!

本気のことばには、魂が宿ります。

よって、コピーは添え物ではありません。

本気で考えたコピーには、不思議なパワーがあるのです。

 

このことを広告に携わる方だけでなく、

毎日を暮らす皆さんに知っていただきたい。

但し、考えすぎると、

不思議な世界に迷い込んでしまいますがね!

 

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