(前号までのあらすじ)
イヤイヤ高校生活におくる俺は、いつものように地元に帰ると息を吹き返す。パチンコ屋、ボーリング場をウロウロして時間を潰す毎日。
俺はつぶやきながら、なあとヒロシを呼び止めた。
「なあ、ヒロシ」
「ああ?」
「あのさ、レアって店、知ってる?」
「ああ」
「あそこ、どうゆうとこよ?」
「純喫茶じゃねえの?」
「純喫茶って何よ?」
「うーん、わかんねぇ」
「コーヒーでものむとこなのかね?」
「わかんねえ」
「バッカー!」
俺はイライラしてきた。
コーラを飲みきると席を立ち
じゃーなとみんなと別れて
再び駅のほうへ向かう。
ポケットの千円札を確かめる。
俺は考えながら歩いた。
駅が近づいてくる。
電車がくる時間だ。
俺はたばこを投げ捨てると、ある迷い事についての腹を決めた。
改札から出てくる大勢の人の顔を見ていると
なんだかアタマがズキズキしてきた。
手のヒラが汗ばんでいる。
遠くのほうから女の子のふたり連れが歩いてきた。
ふざけながら歩いてくるのが分かる。
白いブラウスにプリーツの入った長い紺のスカート。
「来た」と俺は心のなかでつぶやいた。
ふたりは俺と目が合うとふざけるのをやめ、
やがてひとりがこっちへ目配せをして
「うまくやんなよ」と言い
バイバイと小走りに改札を抜けて
エンジンがかかっているバスに飛び乗った。
「よう!」
「待っててくれたの?」
「いや、ちょっと用があったんだけど
時間をみたらなんかさ、いるかなって思って」
「ありがとう」
「いいとこ、あるんだ」
「どこ?」
「うん、最近できた喫茶店なんだけどさ」
「ふーん」
二人はとぼとぼ歩き出した。
本屋の角の脇道を入り、少し行くと
白くまぶしい建物が目に入った。
店の入り口にはお祝いの花がいっぱい飾ってある。
ここか、と俺は思った。
白い壁には銀色の流れるような文字で
「レア」と書いてあった。
つづく
※この話はフィクションです
ますます純喫茶「レア」の正体が知りたくなりました。
そこで何が起きるんでしょう。
その店は、主人公の気持ちにどんな変化をもたらせるのでしょう。
続きが楽しみです!
純喫茶「レア」の正体は、これから徐々に明かされてゆきます(笑)
しかし、その先は秘密ですね!
何故なら、まだ考えがまとまっていないからです(爆!)
いつもコメント、ありがとうございます。