キャッチコピー狂時代

名作と呼ばれるコピーを集めたサイト、

「キャッチコピー狂時代」を先日アップしました。

題して、

―あの頃の広告には、愛があったな。―

単なる懐古趣味に映りますが、そうではありません。

良いものを再認識し、これからの仕事の糧にしよう、

というのが本サイトのコンセプト。

私も一応コピーライターなので、

名作と呼ばれるコピーを読み返す程に、

やはりなにかが違うと思います。

ことばにオーラがあります。

ベンキョーになります。

あと、このままだと名作が風化してしまう、

忘れ去られてしまうという危機感もありました。

こんな想いで本サイトを企画しましたが、

まずはさわりを…

「きれいなおねえさんは、好きですか」

媒体 TVCM

広告主 松下電工(現・パナソニック)

商品 美容家電

放映 1992年

コピーライター 一倉宏

ドキッとする問いかけである。きれいなおねえさんって、
姉ですか、いえ、年上の女性のことですかね?
水野真紀や松嶋菜々子を起用し、訳あり気な目つきで
コチラを見る仕草が、このコピーと相まって印象的でした。
そう問いかけられて、好きですよって、つぶやきましたが…

「触ってごらん、ウールだよ。」

媒体 TVCM

広告主国際羊毛事務局

商品 ウール素材

放映 1975年

コピーライター 西村佳也

このコピーは、あまりにも有名ですね。
ウールの良さを端的に言いあらわした卓越のことばです。
繊維は肌触りでその良さが分かるから、そこをグダグダいわず、
触ってごらん、とくる。言い方もやさしい。それでいて、直接的。
すっと胸に訴えかけてくる名作です。

「すこし愛して、ながく愛して。」

媒体 TVCM

広告主 サントリー

商品 ウイスキー・レッド

放映 1982年

コピーライター 藤井達朗

愛の総量は決まっているかのようだ。だから、愛は
大晦日に食べる蕎麦のように、細く永く生きられますようにと同じく
小出しにする?いや、そうではなく、永遠に愛が続きますようにと、
しとやかな女性の真心が伝わる、素敵な仕上がりとなっている。
大原麗子さんの演技も光っていました。

キャッチコピー狂時代サイトはコチラ!

http://catch-copy.info/

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愛が、足りないぜ!

「恋は、遠い日の花火ではない。」

この格好良いフレーズは、

コピーライターの大御所、小野田隆雄氏の作品。

サントリーオールドのCMに使われたので、

ご記憶の方も多いと思う。

隠喩というか暗喩の妙が効いています。

理屈のみで思考すると、? となるが、

感覚を鋭敏にすると、分かる。

そのじわっとくる具合が、漢方薬のようだ。

このフレーズを最近になって再び思い出し、

なんだかほのぼのと嬉しくなった。

と同時にこの人の凄さを再認識した次第だ。

年をとると、恋はまさに、

遠い日の花火のように億劫になり、

ただ過去を思い出すのみとなる。

が、それを「…ではない」と

キッパリ否定してくれる小気味の良さ。

あなた、現役ですよと…

そっと肩を押してくれるようなやさしさがある。

なんだか、ハッとします。

このCMを初めて観た頃は、私も若造だったので、

意味も分かるし良いコピーだな、とは思ったが、

なにせ実感が湧かない。

こちら、恋は、間近の花火だったからだ。

要は、秀逸な広告としてアタマで捉えたに過ぎない。

しかし、小野田隆雄氏の代表作に

ゆれる、まなざし。

がある。これは小椋佳の歌になった。

また、

時間よ止まれ、くちびるに。

が、矢沢永吉の同タイトル曲にも起用され、ヒットした。

そして、世良公則&ツイストのヒット曲「燃えろいい女」の歌詞中に出てくる

ナツコだって、

小野田さんの案だったらしい。

この頃の資生堂のナツコの夏キャンペーは、

ほとんど彼から発信されている。

こうして振り返ると、

彼は幅広いターゲットに対応できる、

各層をそれぞれ鋭く切り取ることができる、

希有の器用さを備えたクリエーターだったことが理解できる。

その手法は優雅であり、人を惹きつける。
 
フレーズの隅々にまで、詩の匂いが漂う。

この表現の豊かさが、

きっとイマドキの広告表現にはない。

あれからせっせと時代が変わり、

広告の手法も変わった。

その変化をいち早く掴むのも、

我々の仕事である。

しかし、なにかが足りない。

売ろうとすればするほど、気が逸る。

そして、みな、

なにかが見えなくなっているのだ。

それは、きっと人をみつめるまなざし、

なのだろうと思う。

やはり原点は、不変であり、普遍だ。

それが、愛なんだろうな…

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お前の夢は金で買えるのか?

いきなり偉そうな奴にこう問いかけられると、

こちらも返答に困る質問ではあります。

金で解決できそうなものもあれば、

そうでないものもポツポツあるような…

で、

この宝くじの新商品「ロト7」のTVCMのシーンは、

走るハイヤーの車内から始まる。

車中で、部下の妻夫木君が、

上司の柳葉さんに話かける。

「部長はロト7って知ってます?」

「知らないな」

つれない返事を返す柳葉。

が、なおも熱心に説明する妻夫木。

ここで、なにげにロト7の特長が語られる仕組み。

うまいな。

で、みるみる柳葉の顔がこわばる。

そして、

いい加減にしろとばかりに、柳葉がこう返答する。

「なあ…。お前の夢は金で買えるのか?」

……………!

カッコイイ!

ここんとこは、柳葉の見せ場である。

クールにキメテイル。

が、あめ玉を入れているような口が、やはり尖っている。

眼光鋭く、あれっ、室井さんか?と思いましたが、
妻夫木君が「部長」と問いかけるので、あっ部長なんだなと…

で、キャラ全く同じ。

柳葉は、もうずっとこれでいくのだろうと。
これで食っていけると思いますよ。

このキャラは、権利と同等の価値がある。

著作権ビジネスにも相通ずるものがありますね。

さて、1人になった妻夫木が、つぶやく。

「かっこいい。やばい、涙出そう」

と、ふと見た先の宝くじ売り場に、

なんと、

あの柳葉部長がいるではないか?

バツの悪いシーン。

双方の驚きの表情が印象的だ。

で、ここんとこが笑える。

で、一体このコミカルさはなんだろうと。

思うに、

建て前がもつおかしさなのではないかと…

部下の手前、カッコつけた柳葉部長の見栄も、

渋さとなる。

が、根本は建て前がもつ胡散臭さか。

私たちは、本音と建て前を使い分ける。

そこんとこは、痛いほど分かる。

ムカシからそうしてきた。

幼い頃、母が「つまらないものですが」と言って、

誰かに折り詰めを渡していたのを思い出した。

つまらないものか?

私は、このやりとりは変だと直感したが、

後々やはりこれでいいんだと…

そうして育ちました、ハイ。

そんな国の建て前を凝縮したような柳葉部長だが、

その彼の本音が丸見えになったとき、

下世話な私たちは笑えると同時に、

心底安堵する。

世の中、夢というか、

まあ、金でなんとかなるものもあれば、

そうでない奥深いものはいくらでもある。

そんなこと、観ている側は、当然織り込み済み。

が、ロト7という商品を鑑みるに、

このCMが観る人を笑わせ、油断させ、

本音のところを引き出して、

あわや宝くじ売り場へ向かわせようとする。

つくり手の、ある意味自虐的な発想も、

功を奏している。

充分、喚起力がある作品。

ちょっと褒め過ぎか。

※このエントリーは、弊社ビジネスブログより転載したものです。

初心者が押さえておくべき コピーライティングのツボ

コピーライティングのノウハウといっても、

そう簡単にはまとめられませんが、

この辺りを押さえておけばなんとかなるというポイントを

幾つか書いておこうと思います。

さて、コピーライティングと言っても

要は文章なので、前提として分かり易く簡潔であること。

ここは共通です。ここは外せません。

コピーが他の文と違うのは、ポイントの押さえ方でしょうか。

が、ここが実は難しい。

作文の経験は誰でもあるとは思います。

そこをもう少し掘り下げて、或るもの・ことについて

売ることを前提に書く内容を考える。

簡単にいうと、これがコピーライティングです。

では、ライティング作業の前に、

セールスするもの・ことの情報を、まずメモにまとめてみる。

これはバラバラのメモ帳でも良いので、やってみてください。

で、散らばったメモのなかから、例えば一言でいうと…

という具合に売るもの・ことの情報を基に、

自分なりにその要所要所のピックアップ作業をしてみてください。

このとき、ここは外せないぞというメモにチェックを

入れておきましょう。

上記作業の前提として、セールスするもの・ことの

特長・優位性などは事前に勉強しておく。

そしてベネフィットをアタマに叩き込んでおく。

ああそう、ベネフィットですね?

これは、簡単にいうと、セールスするもの・ことの市場での優位性から

受ける利益とでもいいましょうか。

ここを間違うと、書くことすべてにズレが生じるので、

よくよく検討してください。

例えば、掃除機の場合だったら、業界一の吸引力が売りだとします。

これが特長であり優位性。

で、この掃除機を使うと吸引力が強いので

掃除の時間が短縮できるとか、部屋がより清潔になるので爽快ですとか、

そうしたポイントがベネフィットとなります。

さて優位性のある箇所からピックアップしたメモの重要性を更に絞り、

ベネフィットも付加して眺めていると、

なんとなく語りたい話の流れが見えてこないでしょうか?

それらの断片を考えながら、モザイクを組み合わせるように、

ピースを埋めるように、ひとつのストーリーをつくってみてください。

それができあがると、そうですね

まだ文が饒舌過ぎませんか?

そしたら、それを更に削る。

この際、単語や副詞に気をつけ、更にリアルな表現がないか、

置き換える言葉はないか。

ここは、よーく考えてください。

で、活きの良い言葉と流れができあがりましたら、

ついでに希少性についても考えてみてください。

例えば、そのセールスするもの・ことは数は幾つか?

売り切れる可能性は?

限定○○個だったり限定○○戸だったりしますよね。

ここは、必ず入れましょう。記述しましょう!

もの・ことの希少性は、割と人を惹きつけます。

また、扱うものが鮮魚だったら、日数・時間の特異性もあります。

採れたてとか、産みたてとか、

そういったものも入れたいものです。

この利点を売りに、タイムセールなども考えられます。

以上、このように組み立ててゆくと、なんとなくそれっぽくなります。

そして、それを更に加工するのですが、

最初に話したように、文は簡単・端的にまとめてみてください。

特長はしっかり打ち出してありますか?

ベネフィットは?

希少性もしっかり捉えられましたか?

そして、全体と部分とに分け、何度も読み返しましょう。

これは、大工さんが仕上げに木材にカンナをかけるとか

ペーパーで馴らす行為に似ていなくもありません。

で、一応コピーは完成!!としましょう。

後は、これを繰り返す。

そして、あれこれと工夫しているうちに、次のアイデアや

切り口、発想などもみえてくると思います。

ネットショップの初心者店長さんや、宣伝部新人社員の方などに、

この方法はオススメです。

ぜひ、試してみてください!

※本エントリーは、弊社ビジネスブログ記事を転載したものです。

コピーづくりの現場

広告の仕事をしていてよく思うこと。

それは、コピー軽視です。

特に、キャッチコピーを軽んじている人の

なんと多いことか。

対して、デザインは比較的分かり易いので、

皆さん、アレコレ口を挟みますし、

こだわっているようにみえます。

デザインは、誰もが大筋は判断できるのでしょうね。

格好いいとか、都会的とか…

が、デザインに於いても、

それがコンセプトに沿ったものかどうか、

本来、そこを考えなくてはいけないのですが…

しかし、これがコピーとなると、粗末な扱いとなる訳です。

検討以前となってしまうこともあります。

適当に誰かが書いて、それがそのまま最後まで残り、

掲載されてしまうことも少なくありません。

ボディコピーは、作文の添削と同傾向にあるので、

そのコピーがその場に相応しいかどうかではなく、

一応、みなチェックはします。

しかし、この場合も、

日本語として正しいかどうかのみ、で終わってしまう。

制作する側でも、一部でこのコピー軽視の傾向があります。

こうしたクリエーターは、世の中には大勢います。

だから、広告主も分からない。

フツーの人はなおさらでしょう。

しょうがないといえばそんな気もします。

では、なぜ人はキャッチコピーを軽視するのか?

そう、答えは簡単。

分からないからです。

割とみな分からない。

で、私たちコピーライターの出番なのですが、

そもそもキャッチコピーの力を信じない人に

その重要性を説いても無駄なのです。

デリカシーのない人に、私も無理強いはしないようにしています。

コピーが元々広告の添え物であり、

そこになにか書いてあれば良し、

要はどうでもいいもの…

そう思っている人は多いのではないか?

が、これは甚だしい間違いです。

本来、人はことばで動いています。

自らの過去を振り返っても、

ことばひとつで勇気づけられたり、

傷ついたりした経験がいっぱいあります。

或るひとことで愛しあう。

或るひとことで涙を流す。

かように、人の心も、ことばで動くのです。

ことばって、割とパワーがあります。

それを突き詰めたのが、経典なのかも知れないし、

呪文なのかも知れません。

これを、人は言霊と呼んでいる。

人が本気で口にしたものには不思議な力が備わる。

また、そうしたことばが、ひとり歩きをしたりもする。

例えはズレているが、

あのお笑いタレントのスギちゃんが流行らせた

「ワイルドだろ~」も、パワーがあった。

普通のセリフなのに、フツーではない魅力があった。

古くは、マラソンの有森裕子さんが、

アトランタ・オリンピックで銅メダルをとったときの、

「…自分で自分をほめたいと思います」も、印象深いことばです。

或る登山家への質問。

「あなたはなぜ山へ登るのですか?」

「そこに山があるからさ」

ことばって、本気で発すると力が増します。

さて、ここから実践編!

例えばあなたがネットショップの店長だったとします。

洋菓子店を経営していると仮定しましょう。

店では、クッキーの詰め合わせなどを売っている。

おいしそうな写真とかわいいデザインで、

売れそうな気がします。

が、オープンしてみると、いまひとつ売り上げが伸びない。

クッキーの写真の下には、

「超甘くておいしいクッキーの詰め合わせセット」

とコピーが添えてある。

さあ、あなたはきっと悩みますね。

どこを修正しようかと。

こんなとき、

私はまずコピーをいじることをオススメ致します。

例えば、このコピーを、

「焼きたてサクサク!!

手づくりクッキーがぎっしり!」

に書き換えます。

さてこれで、売り上げは?

そう、きっと少し上がると思います。

きっと…ですが(汗)

だって、コピーはいきものです。

活きもの!!

本気でいきるものには、魂が宿ります。

よって、コピーは添え物ではありません。

本気で考えたコピーにはパワーが宿ります。

冒頭から散々言っていますが、コピーを信じていない人は、

買うか買わないか、そのギリギリの心理に辿り着いていない。

その臨場感が分からないのだと思います。

買い物で迷ったとき、人は無意識にでもコピーをチェックして、

判断しているのです。

さあ、

これから、なにかの機会で広告に携わる方は、

ぜひ、コピーをつくる空白の時間をつくってください。

購買心理を探ってください。

しかし、

きっと不思議な世界に迷い込むことになりますがね!

※当エントリーは、弊社ビジネスブログに掲載したものを加筆・修正したものです。

スパンキーの随想 その2

最強の共働き

山下達郎・竹内まりあ夫妻が、おのおの3枚組アルバムを出した。
いや、竹内まりあは3年前だけど、この際、同時期としておく。

で、私みたいな横着が聴いているので、さぞ売れていると思う。

それにしても、ふたりとも、いいうた歌うなぁ。
で、懐かしい。
特に、達郎の「ダウンタウン」は、私が出版社の新入社員の頃に流行っていて、
エポが唄っていました。
初期のウォークマンで聴いていたので、印象に残っています。
確か、新譜のページでレビューを書いた覚えがあります。

桑田佳祐・原由子夫妻も高級な(?)共働きですが、
いまは山下夫妻に軍配が上がる。
なんたって、達郎の音づくりが凝りに凝っている。

天災・人災

いま関東地方に住んでいるって、かなりリスクなのか?

いろいろと恐ろしい記事に出くわす。
今度は、首都圏に地震がくる、富士山が噴火するとか…

東北の次は、こっちになるのですかね?

あーあ、全然関係ないですが、
私は最近般若心経を買い直しました。
元々好きなんですが、やはりなんというか、
救いなんでしょう。
いまは、こうしたものをじっくりながめる時間が欲しいです。

あと、例の件で中国と一触即発ですね?
冷静に考えて、戦争なんてろくなものではないのは、
みんな知っている。
とにかくまあるく収まって欲しいものです。

あと、アベノミクスですが、これって失敗すると、
酷いインフレが起きそうな気がするんだけど…

かつてない危機が、依然として居座っています。

神頼みならぬ仏頼みです。

パピルス

電車のなかでケータイではなく本を読んでもらいたい…
そんなコピーの募集が、ある本に出ていたと息子に聞いた。
そのある本の表紙をみると、なんと懐かしい「ブレーン」(宣伝会議刊)

うーん、なかなか難しいお題、
とりあえずコピーを練る。

で、こんなん考えました↓

「紙に触れる指は、脳を休める、らしい。」

どうでしょ?

キャッチフレーズは、コピーのなかでも肝なので、
そこが難といえば難。ムズカシイ。

つくる過程で、特別の集中を要する。
新聞や雑誌のヘッドラインもこれに近いような気がする。

詩は、こうした要素が連続して要求されると、
私的には考えています。

ただし、素養は違いますけれど。

黄色いワーゲン

フォルクス・ワーゲン・ジャパンが、ビートルの新モデルを、
大々的にプロモートしています。
TVコマーシャルには所ジョージを起用。良い人選していますね?

で、黄色いビートル。洒落ています。
エンジンは、いまの時代を反映してダウンサイジング。
エコですね。

ちなみに私は、昔、オレンジ色のビートルを中古で買い、
改造に100万吹っ飛ばしてしまいました。
オイルショックの頃でしたが、全然エコなんて分からない時代。

空吹かし、全速で走る―これが私だけでなく、当時の若者の
クルマの扱いでした。

いまはもう年なので、選ぶならノンターボ。
淡いベージュのノーマル仕様のかぶと虫なんかがいいです。
これで、のんびり日本をまわるなんて、夢ですね。

湘南ビーチFM

このラジオ局、正直あまり知りませんでした。
周波数も最近知りました。
我が家は元々電波が入りづらい山あいなので、
Jウェーブとかも雑音だらけ。

エフヨコはよく入るのでたまに聴いていましたが、
湘南ビーチFMのほうが、なんだかすっと入ってくる。

このラジオ曲は、葉山マリーナの一角にあるらしいので、
横浜のランドマークタワーにあるエフヨコより、
より庶民的。というより、センスも良い。

で、最近ではネットでラジオを聴いている訳ですが、
雑音もなくクリア。
千葉のFMだって聴けるから凄いです。

ついでに、世界中のFMが聴けるアプリもありまして、
ラジオって結構世界中の人が聴いているのが分かる。

流行の曲から、ロック、ソウル、民族音楽の他、
なんでもあり。

ヨーロピアン・ジャズなんかも聴けます。

ネットは、いわばハサミです。
使い方次第と思います。

介護の迷宮

最近、知り合いから聞いたのですが、
知り合いと繋がりのある人の話によると、      
老人がその施設に入るとだいたい顔見知りになる。

で、最初は結構元気そうだったのに、
どの老人も次第に弱々しくなるという。

そしてだいぶ経ってから会ったりすると、
車椅子に乗っていたりすることが多いそうな。

うーん。

最後は、その方の顔を忘れてしまう位、
状態が悪くなっているのが常だそうだ。

その施設は、とにかく慢性の人手不足らしい。

帰宅を目標に一時入所するリハビリ施設のハズなのですが、
その施設の前に住んでいるある人の話が、
最近とても気にかかる。

そして後悔の念も…

ガキの文化

テレビを観ていて、いまどうしようもないのが歌番組。
ひいき目にみても、いい歌がない。
というか、惹かれるアーティストもいない状況。

ももクロなんていうのは、ギリギリ頑張ってもらいたいが、
秋元康プロデュースは、ホント飽きた。
というより、最初からうんざりなんだけどね。

モーニング娘のときもイライラしたが、AKBにはホント、
さっさと消えてもらいたい。

伊集院静さんも、昔はアイドルの作詞をしていたが、
いまはおとなの流儀なんかをきっちり語る人なので、
こういう人にAKBのことを聞いてみたいものだ。

ついでにいえば、これが日本のレベルと思われたくない。

もっといいアーティストは日本にいっぱいいるんだぞ!

君の瞳は10000ボルトか?

堀内孝雄(アリス)のヒット曲「君の瞳は10000ボルト」。

この曲は、資生堂のアイシャドーのCMに使われた。

いや、正確に書くと、この曲はCMのためにつくられ、

思惑通り、商品もヒットしたということになる。

いまから、かれこれ三十数年前の話だ。

そもそもこの楽曲は、或るコピーライターの発案から生まれた。

それに、谷村新司さんがイメージを膨らませて歌詞をつけ、

堀内孝雄さんが曲を作った。

そのコピーライターの名は、土屋耕一。

広告業界に長居していて

この名を知らない人は、まずいないだろう。

彼の代表作に、微笑の法則というのがある。

これも柳ジョージ&レイニーウッドがヒットさせている。

他、ピーチパイ(竹内まりや)、A面で恋をして(大滝詠一)等、

いまでは考えられない、ことばの力をみせつけた人だ。

彼のことばのセンスは、私が思うに、

美的に優れていたこと。

そしてなにより洒落が効いていた。

「軽い機敏な仔猫何匹いるか 土屋耕一回文集」(誠文堂新光社)を

読むと、彼のことばの操りの妙がみれる。

・なぜ年齢を聞くの

・あ、風がかわったみたい

・肩のチカラを抜くと、夏

・ああ、スポーツの空気だ。

・太るのもいいかなぁ、夏は。

・女の記録は、やがて、男を抜くかもしれない。

これらは、彼のセンスが光る代表的コピー。

何気ない文なのに、気にかかるものがある。

なぜか、心に響いて余韻が残る。

彼が或る雑誌のインタビューに応えていた。

それによると、君の瞳は

1000ボルトではなく100000でも1000000でもなく、

君の瞳は10000ボルトなのだそうだ。

それは理屈ではなく、勘。

そんな主旨のことが書かれていた。

現在は、コピーライティングも

セールスレターのように、

ダイレクト・レスポンスが求められる。

緻密になったといえば、その通り。

実利といえば、致し方ない。

が、余韻が残るものがない。

たとえ、花より団子でも

うまい団子は喰いたい。

それがコピーセンスの差になるのだと思う。

いまでも想い出す、フレーズ

「よう、これで遊んできなよ」

若い頃、良くない連中と付き合っていた時期がある。
と、その筋の先輩からポンと10万円入りの封筒を渡された。
そのときに言われたことば。
一瞬回りの空気が固まったのを覚えています(笑)
もちろん後日返却しましたが、
あのときもしあの10万円を使っていたら、
私の人生も間違いなく悪い方へ…と思うのですが。

「だってお父さんとお母さんが好きなんだもん」

ウチの長男が保育園に通っていた、ずっとむかし、
なんだか原因不明の登園拒否になりかけてしまい、
彼に「なんで?」と話したところ、
うつむいて発したことば。
あれから、うん十年。
いま彼は、一人前風で、デカい面をしている。

「今日まで、お疲れ様でした」

夏の暑い日の朝だった。
姉のマンションで突然亡くなった父。
電話を受け、飛んで行ったものの、
私は頭が真っ白になってしまい、
ただ父の遺体に頭を下げ、
無意識にこのことばを繰り返していました。
(もっと話しておけば良かった…)
後悔だけが残ります。

父は結局苦労人だったと思います。

「俺みたいな大人をなめるんじゃないよ」

中学生のとき、城ヶ島で散々泳いで民宿に忘れ物をし、
京急の三崎口で、たまたま通りかかったパトカーにその事情を話して
乗せてもらったことがある。
いわば、タクシー代わりにパトカーに乗ったことになる。
計器類をいじくっていたとき、かなりかんに障ったのだろう。
ドスの効いた話し方に、ガキながら権力を手にした親爺の怖さに、
返ってむっときた私でした。

「お天道様がみているよ」

小さい頃から、おふくろに散々言われ続けたことば。
おてんとうさまとは、太陽のこと。
人目にさらせないようなことは絶対にするなと、
おふくろは常に私の行動を信用せず、脅し続けていた?

だってお母さん、雨とか曇りの日はお天道様いないよ 
と言い返し、何度か叩かれた覚えがあります。

「都会という森に棲む、ということ」

品川駅の海側の開発地区のビルを歩いていたときに、
思わず浮かんだフレーズ。
緑もあってとても素敵な空間だったのですが、
言いしれぬ閉塞感に突然息苦しさを覚えて、
そうした神経を鎮めようと思いつく。
だって、こうでも考えないと、
私はもう都会には出掛けられないなと…

人はことばで変る?

「もうプールで泳ぎたくないよ!」

娘が幼稚園の頃、風邪が長引いて数日寝込んでいたとき、
憂鬱顔を泣き腫らして、私たちにこう言いました。
うーん、いまは真冬だし、
スイミングスクールにも通っていないし…
ハテ?
「分かった、泳ぐの、やめようね。」

最近、娘にこのことを尋ねたら、
「私ってあの頃ネガティブだったのよね」
ふーん。

「産んでくれて、ありがとうございます」

おふくろを亡くしたとき、こんな陳腐なことばしか
出てこなかった。これってよく聞くフレーズですが、
考えるにやはりよくできたもので、
結局いまもこう思っています。
ある意味、普遍的なフレーズ。

これに尽きる! そう思います。

モーレツなコマーシャル

Oh! モーレツ

その昔、小川ローザという素敵なモデルさんがいて

クルマが通り過ぎるとスカートがまくれ上がった。

軽快な音楽に乗って、Oh! モーレツ

となる。

このCMは60年代後半に大ヒットして、

それは幼少(?)の頃の私の記憶にも残っている。

商品は、ハイオクガソリン。

丸善石油のCMで、確か「ダッシュ」というハイオクを入れると、

クルマが格段に速くなる、というもの。

それがホントなのか否か、真偽の程は不明だが、

当時はそんな広告が多かったたように思う。

広告表現も途上だったが、このTVCMはインパクトがあった。

当時の日本は高度成長の真っ最中で、景気も年々良くなるばかり。

文字通り、どこのお父さん方の誰もが、猛烈に働いていた。

そこには明日への夢があり、よりよい未来が約束されていたように思う。

きっと現在の中国の景気に似ているのかも知れない。

当時のサラリーマンは、憧れの職業。

みんな自信に満ちていて、数多くの猛者サラリーマンが、

世界に繰り出していた。

そして、日本で売れそうなものを世界の果てまで探しに行って仕入れ、

また、日本の製品を地球の隅々にまで売りに行ったりしていた。

こうして後、この国は世界から、

「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれるまでに成長したのだ。

まさに日本の経済事態がモーレツに急伸していた時代だ。

「モーレツ」のコマーシャルは的を射ていた。

時代背景をも、的確に表現していたと言える。

私と同世代のサザンの桑田さんも、

このコマーシャルの印象が強かったらしく、

小川ローザの白いミニのワンピースとヘルメット姿がアタマから消えないとみえ、

茅ヶ崎の実在したホテルの思い出を歌った「ホテルパシフィック」で

当時の彼女と同じ格好の女性を登場させている。

これぞ、印象に残るモーレツなコマーシャル。

昔のテレビコマーシャルが如何に影響力があったかという、

典型的な例だ。

※この記事は、オールアバウトプロファイルコラム及び弊社ビジネスブログを転載したものです。

僕らにとってのコカ・コーラという存在

一応コピーライターなので、CMネタをひとつ。

いまでは、どうということのない飲み物だが、

コカ・コーラを子供の頃に初めて飲んだときは、

ホントに驚いた。

それは味であり、色でもあったと思う。

当時の炭酸飲料といえばサイダー位しかなかったので、

コーラはなんというか、

表現しづらい不思議なインパクトがあった。

うまいといえばうまい、かな?

そんな初めての味が、みんなを虜にしていったと思う。

しかし、薬っぽい味といえば、そんな気もする。

そもそもコーラを発明?した人が薬剤師だったというから、

当初は疲労回復とか、そんな売り方をしていたらしい。

しかし、全然売れない。

で、この権利を買い取った人が飲み物として売り、

大ヒットした。

商品のポジションって重要だな。

中身に関しても、当時はいろいろな噂が飛んだ。

南米産のコカの葉(麻薬の一種)が入っているとか、

飲み過ぎると骨が溶けるとか…

これはいまでも都市伝説のひとつだろう。

コーラといえば、日本の場合はコカ・コーラなのだ。

ペプシが強い国もあるらしいが、

日本はペプシではなく、コカ・コーラ。

コカ・コーラが日本に根付いた理由は、やはりコマーシャルの力だと思う。

味ではない。

ペプシもそれなりに頑張ってはいたが、

コカ・コーラのプロモーションのうまさは、

当時から群を抜いていた。

この飲み物は、まずアメリカというリッチな国の生活を

体現させてくれた。

その頃は、

映画・若大将シリーズで大人気だった加山雄三が、

実にうまそうにコーラを飲んでいた。

もちろんCMでだが、僕らへの売り込みは成功した。

日本がこれからリッチになろうという時代に、

コカ・コーラはタイムリーに上陸したのだ。

贅沢な生活シーンとコカ・コーラ。

この憧れが、徐々に世間に広がりをみせた。

で、コピーはまずこんな具合。

♪コカ・コーラを飲もうよ

コカ・コーラを冷やしてね♪

実に単純なコピーだか、

当時はこの「冷やす」という行為が贅沢だった。

いまは冷えている飲み物は当たり前だが、

電気冷蔵庫が普及したての当時の日本では、

冷やすというのは、なかなかリッチなことだったのだ。

余談だか、この頃のコカ・コーラのボトルは、

個性的な曲線でつくられ、

それが独特の存在感を表していた。

一説では、

女性のボディラインを元にデザインされたということで、

後に、僕がいまの仕事についたとき、なるほどと思った。

その頃の僕らにしてみれば、

コカ・コーラは、ひとつのお洒落なアイテムだった。

これもコマーシャルの力だ。

夏場は、コーラとの付き合いも親密で、

海ではサンオイルじゃない、コパトーンじゃない、

コーラを振りかけて陽に焼くというのが、流行った。

で、夜はいまでいうカフェバーみたいた店に集まり、

アメリカンロックなんかを聴いて踊ったりしたが、

そのときの飲み物が、ウィスキー&コーラ。

要するに、コークハイだ。

冷静に味わえばうまくはない。

しかし、そんなことはどうでもよかった。

バーベキューをしながらコーラを飲む、

というシーンをテレビで観たときも、

僕らは、その初めてのスタイルに驚いた。

肉をガンガン喰いながらコーラをグイグイ飲むーーー

これは贅沢の極み以外のなにものでもなく、

そのインパクトは日本中に伝搬したに違いない。

アメリカン・ライフ・スタイルは、

こうして世間を席巻し、

僕はぼんやりと、

ああ、アメリカという国には勝てないな、なんて思ったものだ。

ま、こうした驚きもインパクトも当然意図的だが、
それが素直に伝わったというのも当時の日本を映しているし、
コマーシャルにもパワーがあったといえるのだろう。

こうして時代も流れ、日本も豊かになると、

コカ・コーラもコマーシャルスタイルを変え、

日本という国に併せたコマーシャル展開となる。

町の魚屋さんのおっさんとかOL、

サラリーマンとか京都の舞妓さんとか、

普通に働く人と日常の生活シーンのなかにコカ・コーラがあるという

スタイルをとるようになる。

これで外資、

いや、コカ・コーラ文化が日本に確実に根付いてゆくこととなる。

僕らが大人になっても、

コカ・コーラのコマーシャルは相変わらず印象に残るものが多かった。

それは、

映像の秀逸さに併せるように、コピーに共感できるメッセージ性があったからだ。

スカッと爽やか、も素晴らしいコピーだが、

僕が凄いと思ったのは、単なるコーラのコマーシャルが、

愛だの自由だの、人間を語り出したことだった。

♪本当のひととき 本当の人生

生きている心

自然にかえれと誰かが呼んでる

そうさコカ・コーラ

この広い空の下

生まれてきてよかった

そうさ

人間は人間さ

コカ・コーラ♪