格好いい爺さんになろう!!

誕生日を機に、ふとアタマがひらめいて

格好いい爺さんになろうと思った。

格好いい爺さんが、派手なスポーツカーから降りてくる。

格好いい爺さんが、イタリアンスーツで歩いている。

これ、イメージもシチュエーションも、ベタ。

格好いい爺さんのビジュアルは、例えば誰か?

私のアタマには、すぐにあの007のショーン・コネリーと

名優スティーブ・マックィーンが浮かんだ。

格好いい!

が、私には遠すぎる存在なので、

話をもう少しフォーカスすることにした。

格好いい爺さんは、歯が丈夫だ。

格好いい爺さんは、ももひきなんかはかないのか?

格好いい爺さんは、シワが少ない。

格好いい爺さんは、エネルギッシュ!

分かんないなー?

きっと、格好いい爺さんは、禿げてない。

きっと、格好いい爺さんは、小走りできる。

きっと、格好いい爺さんは、姿勢が良い。

おっ、なんかだんだん見えてきたぞ!

格好いい爺さんになるには、まず

健康でなければいけないのだ!

タバコ、やめようかな?

いやいや、格好いい爺さんは葉巻なんかが似合ったりするので

まだいいや。

この案件は、棚上げにしよう。

ときどき、スーパーなんか行くと

独りで寂しそうに買い物をしているお爺さんを見かける。

身なりは適当なのはいいが、暗い表情でうつむいてコロッケなんか

じっと見ている姿を見ると、身につまされるものがある。

ポイントはこの辺りだろう。

落とし所が少し変なのは分かっているが

この辺りを研究することにより

格好いい爺さんを考えることにした。

その格好いい爺さんは、

レモンイエローのフォルクスワーゲンから

颯爽と降りてきた。

髪は白髪。

まぶしいほどのざっくりとした白いシャツに

綺麗なシルエットのジーンズが印象的だ。

青いスニーカーに見え隠れするのは

なんと素足ではないのか?

彼は、姿勢良く大股で店内へ入ろうとするが

前方目線を動かさずに、サッと片手でカゴをゲット!

運動神経もまだまだ若者に負けていない。

その格好いい爺さんは店内をパッと見渡し

野菜と肉を少々カゴに入れると

例のコロッケ売り場の前で立ち止まる。

興味なさそうにちょっと手に取るが

こんな揚げ物はカラダに悪いだろうと

嫌悪の表情を見せながら、

その揚げたてのコロッケを元の位置に戻す。

が、そこで爽やかに笑みを浮かべながら

「しょうがないな」と言い

姿勢を崩さずにサッとそのコロッケをカゴに入れ

その場を立ち去る。

うん?

格好いい爺さんって大変そうだな?

どこかに無理がある。

嘘くさい感じもするな。

ここまで書いて気がついたのだが

人間やはり外見だけではどうにもならない。

やはり格好いい爺さんになるには

上辺だけでなく

まず内面を磨くしかない。

やはりそこに辿り着くのだ。

で、考えた。

格好いい爺さんは、人生のなんたるかを知っている。

格好いい爺さんは、経験則から発する言葉をもっている。

格好いい爺さんは、哲学がある。

格好いい爺さんは、自然を愛する。

格好いい爺さんは、人を愛する。

格好いい爺さんは、自分の人生を後悔しない。

おっ、格好いい!

なんだか、器に身が入った気がしてきた。

カッコいい爺さんは

そもそも人生の達人なのだ。

心がともなって初めて

格好いい爺さんになれるのだ。

しかし、ここまで書き進めて

格好いい爺さんになるのはかなり大変だ

と言うことが分かってきた。

格好いい爺さんになるには

常日頃の心身の鍛練が必要なのだ!

という訳で

今日からいまから

格好いい爺さんをめざして

頑張りたいのだが

まず、このお腹をなんとかしなければならない。

そろそろ健康診断の季節になったが

今年の血圧は大丈夫か?

最近、物忘れが多いが

アタマはまだ大丈夫なのか???

格好いい爺さんへの道は

まだまだ険しい。

その前に、目の前の仕事を

なんとかしろよと、

自分で自分に突っ込みを入れて

お茶をすする

午前5時のオッサンの姿がありました。

「格好いい爺さんになろう!!」への4件のフィードバック

  1. お誕生日なんですか?
    おめでとうございます!
    格好いいお爺さまになるには恋するのが一番近道かと思います!

  2. 面白かったです!
    「カッコいい爺さん」をめぐるスパンキーさんの “心の軌跡” が、まるでドキュメントフィルムを追っていくようにリアルに追求されていて、とぼけた笑いに包まれているようでいながら、スリリングな読み物になっていますね。落としどころも、ほろ苦いユーモアがあって…。
    この手のコピーか書かせたら、やはりスパンキーさんは当代一流のライターですね。
    カッコいい爺さんというと、ふと思ったのは、クリント・イーストウッドなんかの感じですね。
    デビュー当時は、ただ甘いマスクだけが取り得のイケメン西部劇役者が、今では彼しか撮れないような映画を作って「イーストウッド・ブランド」を作ってしまった感じですね。
    爺さんの “頑固さ” が、そのままブランドになってしまうというのが、うらやましいですね。…とても、マネできないですけど。
    私個人としては、「スーパーで、暗い表情でコロッケなんかじっと見ている爺さん」を目指します。
    はたから見ると、身につまされるような人もいるかもしれませんが、その爺さんの立場に立つと、彼は他のどんな人よりもそのコロッケの美味さを 「頭に描けている人」 なんだと思います。
     

  3. 軽井澤 さん)
    先日、誕生日を迎えまして、とんでもない年になってしまいました。
    アタマはハタチなんですけどね(笑)
    で、やはり来ましたね? 恋!
    恋のワクワクドキドキ感は、爺には最高の若返り効果があると思いますよ。しかし相手がなぁ?誰か紹介して!って言ったところで、こっちは爺ですからね(爆)
    恋のようなもの、例えば私の場合、あこがれのクルマが幾つかあるのでその辺のワクワクドキドキ感を味わいながらの、不良爺をめざしたいと思います。
    だって怖いでしょ、女性は(失礼!)
    コメント、ありがとうございます。

  4. 町田さん)
    格好いい爺さんって、考えれば考えるほど、ホントよく分かんないんですよね?
    自分らしく。
    コレなんでしょうけど、人生の最終コースに入るときのスタイルってちょっと気になるんですよね?
    晩年。黄昏。こんな言葉の中にキラキラ光るものがあるような人生が、私のあこがれなんですけど、現実はなかなか厳しそうで!
    クリント・イーストウッドが頑固な顔をして、スーパーで肩を窄めながらフライドチキンを買っている。コレ、町田さんのあこがれの爺さんでしょ?(笑)
    続きは、キャンプで!
    コメント、ありがとうございます。

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