サードマン現象を紹介する本や記事には、
幾つかの事例が紹介されている。
例えば、
或る家族が乗った船が難破し、ゴムボートで漂流することとなり、
途中、嵐に遭遇する。
笹舟のように揺れるゴムボートの水を、みんなで必死にかい出すも、
船はいまにも沈みそうになる。
が、一家は奇跡的に助かった。
数年後、やっと心の傷も癒えた頃、
みんなが重い口を開き始めると、
或る一人の男の存在が浮上する。
この一家は4人家族で、
ゴムボートに乗っていたのはこの一家だけだったが、
嵐が激しくなって、ふと気がつくと、
或る男が必死で水をかい出していた。
あのとき、ゴムボートには確かに5人乗っていたと…
皆が口にしたのだ。
これは、一家全員の記憶が一致している。
9.11の世界同時多発テロで、
旅客機が突っ込んだニューヨークのワールドトレードセンターから脱出した一人は、
煙と瓦礫に阻まれた階段を下りられず、絶望したが、
どこからともなく聞こえた声に従い、命拾いをしたと言う。
極限状況下の傍に現われ、
頑張れ、生きろと励ます謎の存在。
これが、サードマン現象。
雪山で遭難し、
疲労と寒さで寝ていた登山者を、
或る男が起こしてくれて、
無事に助かったという話は数多い。
サードマン現象は、
姿、形がなくとも、声・気配など、
いろいろなアプローチで、私たちを導く。
その証言は多岐に渡る。
こうした現象について、
現代の学者や研究者たちは、
脳認知学や神経学、心理学等を駆使し、
それを何らかのカタチで結論づけるのだろうか。
かつて、キリスト教の修道士やチベット仏教徒が、
この世の真理とやらを探しに、
山奥で修行などに励んで自らを追い込んだ末、
例えばサードマン現象を体験したら、
そこに神や天使や仏さまを見たに違いない。
サードマン現象の正体は、いまのところ不明だが、
現在の科学で証明できるものは、
この世界のわずかな事柄に過ぎないという事実。
果たして、神なのか、幻なのか。
いや、私たち人間の、隠された能力のひとつなのか。
このブログの前項に記した私の体験は、
以上の話と較べて、
かなり生ぬるいと言わねばならない。
しかし、あのときの自分は、
いま思い返しても、ある種の極限状態だった。
サードマンに遭遇する状況はもうゴメンだが、
こうした現象への興味は尽きない訳で…