イマドキノクルマ

先日、

東名高速の真ん中車線を100キロで巡航していたら、

追い越し車線をビュンと走り抜ける黒い奴がいまして、

テール辺りを確認すると、なんとトヨタのプリウスなんですね。

新しいものがあまり好きでない私としては、

当然面白くない訳。

(しかし、それにしても早いな~)

最近多く見かけるクルマは、ちょい悪風ミニバンと、

燃費の良い軽自動車と、ハイブリッドばかりである。

これがイマドキノ道行く風景なんです。

私が日頃のアシにしているクルマは、

2004年型の、フォルクスワーゲン社製ボーラというクルマでありまして、

いまでは街でほんとんど見かけない希有車、

と言えば聞こえが良いが、要は時代遅れのポンコツです。

がしかし、

2.3リッターのV5気筒エンジンというユニークなエンジンは、

アクセルを踏み込んだときの吹け上がりが、豪快かつ爽快。

粘りっこい足回りも、コーナーでは、

なかなか味わい深いものがあります。

本気で走れば、200キロ目前までイケルクルマなのである。

で、ハイブリッドである。

我が愛車が、プレミアムガソリン垂れ流しなのに対して、

ハイブリッドは、まあなんと優等生!

ガソリンを全然喰わないから、地球にやさしい。

知り合いの外車屋さんに聞いたのだけれど、

最近は東京の山の手あたりのお金持ちな方々も、

ベンツとかアウディとか、そういうすげぇクルマを手放し、

地球環境に寄与すべく、みなハイブリッドとか、

日産のEV車への買い換えが進んでいる、

というではないか。

(うーん、

みんなエコで、時代に乗っているなー)

で、思ったのだが、とりあえずエコって、

新たなカッコイイ基準ということである。

(カッコイイは、どんどん変わるのだ)

更に言えば、

とりあえずエコって、イマドキのステータスであり、

ある意味、世間から、そして自らの免罪符の役目も、

果たしているように思われる。

(とりあえずエコカーに乗っているんだから、

東名を違反速度で突っ走ろうが、そんなことは、

実はどうでもいいんである)

そんな感じがしないでもない。

とりあえずエコは、

本来の環境問題とか、現在の日本の、

いや世界のエネルギー事情の本質を捕まえ、

そこから自らの姿勢を考える、などと、

たいそうな考えなどなくても、

全然良いのである。

本質を理解する暇があったら、

とりあえず身の回りからがエコ、

が大事なのである。

誤解されては困るので一応書いておくが、

私がエコ反対などと決して言ってはいない。

例えば、

丹沢の山中の立ち枯れた杉をみるにつけ、

その原因は、この話とは別のところにある訳だが、

とりあえず心を痛めている私なのである。

これでも、いろいろ思うことがあり、

将来は、一応ハイブリッドとか電気自動車とかも、

考えてはいるのではあるが、

如何せん、あのクルマの機構が面白くない。

キッパリ言おう。

クルマなのに、家電の臭いがプンプンする。

うーん、

掃除機が走っているような感じがして仕方がないんですね。

そして、

みな横並よろしく、同じようなクルマばかりが一斉に増えたので、

タクシーと同質に見えてしまうのは、私だけだろうか。

高度成長時代のカローラがそのようにみえた。

バブル期の六本木を走るBMWも同様であった。

なんと個性のないクルマ選び。

とりあえずエコは良いにしても、

クルマもユニクロのようになってしまっては、

面白くもなんともないではないか。

本来、クルマって、

選ぶ人の個性が滲み出るものであり、

もっと色気があって、

ワクワクするものだったハズなのだが、

イマドキノクルマ選びは、

単なるトランスポーターとしての役目のみに、

価値を求められているような気がする。

そこが、ちょっと悲しいのである。

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