初冬のハイキングは
気候もほどほどに寒いので、
汗のかき具合もちょうど良い。
そこが我ながら気にいっている。
今年は気温が高めなこともあって、
軽装で出かけることが多い。
関東平野の冬は晴れの日が多いので、
こうした天候をヨーロッパの人に言わせると
羨ましいらしいのだ。
思えば、私があっちへ行った季節も冬だったが、
来る日も来る日も曇天で、
えらく憂鬱になったのを思いだした。
あれじゃ、メランコリーが多いというのも納得。
紅葉を英語でカラフル・リーフと言うらしいのだが、
なるほど、そう言われればそのようにも思うが、
ホントはカラフルじゃなく、
木々の葉が死してゆく、
日本の哀の色の妙なんだけどなぁ。
水、食料、カメラその他諸々を詰め込んで、
さて、今日はいきなり急坂の急階段を登ることに。
これはやはり息切れする。
年もいってるし…
が、徐々にカラダも慣れ、登るほどに体調も戻ってくるから、
いつも不思議だなぁと思う。。
この日は汗をかいて風邪を治そうという下心もあったので、
ひどい息切れも折り込み済。
登る途中で、
落ち葉があちらこちらから、
はらはらと音を立てて舞い落ちる。
その絵画的風景のなかを、
枯葉を踏みしめてよいしょよいしょと歩く。
この感覚がたまらないのだ。
小一時間もすると、
約束通りというべきか、
赤土がむき出しの階段が見えてくる。
タオルで汗を拭い、ようやく頂上に辿り着く。
息が荒いので、
見晴らしの良いベンチに腰を下ろし、
水を補給して、しばし一服。
そしてコンビニのおにぎりにかぶりつきながら、
改めて汗を拭う。
周りの紅葉が目に飛び込む。
双眼鏡でパノラマの景色を観察する。
そこには、
とても穏やかで静かな時間が流れていた。
日射しのきらめき、
山々の稜線。
ふっと通り過ぎる風の囁き、
そして
麓にたなびく温泉の湯気けむり。
どれもこれもが美しく、
呆れるほど単純に、幸せだなぁと思える。
だがホントはね、
カヌーを積んで秩父あたりの湖にでも
行きたいと思っているのだが、
いろいろあっていまだ実現せず。
湖面に浮かべるカヌーの目線で眺める森は、
日頃と全く違う景色を映し出すから、
これまた格別の美しさを味わえる。
人生は短いなぁと、最近富みに思う。
ああ、
デスクにばかり座っている場合ではない。
早くあちこちへ出かけよっと!