ギジンテキ自販機論

よく使う有料駐車場がありまして、

そこは長時間駐めていても割安なのですが、

精算機に千円札を入れるといきなりひったくるので、

当初は背後に人がいるのだろうと

ちょっとアタマにきたことがありましたね。

(大人げない)

去年の暑い日に街を歩いていて

喉がカラカラになってしまい、

目の前にあった自販機に小銭をいれたのだが、

冷え冷えの富士のミネラル水が全然出てこないんです。

もう喉がゼイゼイしていまして、

しょうがない諦めるかと返金操作をしても、

なんと小銭も戻らないんですね。

で蹴っ飛ばそうとしたら、

警報器が付いていますよステッカーが貼ってあって、

荒い鼻息のままどうしてくれよう、もう小銭ないし…

あとは一万円札のみ。

と故障の際の電話番号が書いてあるステッカーをめっけまして、

この怒りをどうしてくれようと力み気味に電話を致しましたところ、

いつまで経ってもだぁれも出ない。

ここで怒りマックス!

再び返金レバーをガチャガチャやりまして、

全く小銭を返す意思がない涼しい姿の自販機に

遂に蹴り! を入れようと思いましたが、

ハタとまわりを見渡すに、

私を不審の目で見るオバサンが約一人、

横のマンションの3階から見下ろす学生らしき兄さん約一人を確認致し、

なんと炎天下に冷静を装い、

何もなかったの如く歩き出す私なのでありました。

いま思いだしても腹が立ちます。

そしてですね、

以前の事ですが、お客さんとの打合せが長引きまして、

やはりぐったり歩いていますと、

またまたここで自販機が目に入りまして、

めざす私好みの缶コーヒーを購入したところ、

この自販機がなんと「今日もお疲れ様でした!」と

若い女性の声でささやくのでした。

これが結構情のこもった声でありまして、

思わず自販機を振り返った私は微笑んでしまい

騙されそうになりました。

後日、この日は午前中でしたが、

この自販機で再び缶コーヒーを購入したところ、

「いってらっしゃい!」と声をかけられた私は、

なかなかよくできた自販機だなぁと感心しきり。

時間帯でメッセージを切り換えていることを知りました。

さて遡ることムカシムカシなのですが、

まだ自販機がしょぼい頃に

我がいなか町に画期的な自販機が登場しまして、

お金を入れると程なくしてあったかいうどんが出てくる。

これには皆驚きまして夜中によく喰いに行きました。

で、ここでやはりちょっと気味が悪いと思ったのは、

うどんが出てくるときのこの自販機の動作なのですが、

どうも誰かが後ろからそっと差し出すような感じで

いつのまにかうどんがすうっとあらわれる。

とですね、いろいろな体験を経て、

もうすでに私のなかの自販機は擬人化しておりまして、

次回より小銭を投入したにもかかわらず商品が出てこない、

または返金にも応じず涼しい姿をしているときは、

躊躇することなく蹴飛ばしてやろうと思います。

そしてあたたかい声をかけられたら、

なんのためらいもなく微笑もうと…

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