ひところ、
浅田彰の「逃走論 スキゾキッズの冒険」がヒットしたことがあるが、
あのときはよく分からなかった。
なんで逃げるのかが。
そしてどこへ逃げるのか?
本のなかで、人を大きくふたつに分類して、
スキゾ人間とパラノ人間に分類。
まあ偏執的・定住型のパラノより、
これからは分裂的・移動型のスキゾの時代だぞ、
と書いていたように記憶している。
ピンとこないなぁ、自分はどちらの人間だろう、
そしてスキゾはどこへ逃げるのかだが、
要は移動=逃走なんだろうと勝手に単純化してみた。
時代は変わり、いまではパラノ型(オタク)も定住でなく、
結構、外に飛び出して楽しんでいるように思う。
何はともあれ、一時避難的移動は必要だなと、
最近になってつくづく感じる。
それは、現在の立場から、環境から、イデオロギーから…
いやいや仕事でしょ。
逃げるのは、なにも卑怯ではない。
そんなことが理解できるようになったのは、
つい最近のこと。
「男は逃げるな!」
それしか教わっていない世代は、
常にメンツばかり気にして、
結構、冷や汗かいてきたもんなぁ。
―男は黙ってサッポロビール―
こんなコマーシャルが流行った時代に、
我々は育ったのだから、言い訳などはもってのほか。
黙することが男だぞ、と教えられた。
こうした精神論って一見カッコイイが、
イマドキどこかで破綻するように思う。
まさに、男は辛いよでは済まない、
世の中の厳しさがヒシヒシと身に沁みる。
最近では、女性のほうが逃げないのではなかろうか?
結構、みんなたくましい。
で、仕事も「デキる」人が多い。
でも逃げたほうがいい。
男の立場が危ういなんて呑気な時代ではなく、
ここはひとつ、男女分け隔てなく、
全人類みんなで逃げちゃいましょう、
そんな感じがするのだ。
ワーク・ライフ・バランス
火星脱出計画
どちらも方向性は違いますが、
ある意味、同根だと思います。
心身の危機、地球規模の危機。
そういったものがどんどん迫ってくる、
またそっと近づきつつあるように感じます。
さて、今回の逃走はヨコハマでした!
午後に仕事を放り出しての逃走です。
夕刻、山下公園や中華街を歩いていたら、
ヒマ人でいっぱいでした 笑
それでいいのだ、と思います。
ホテルニューグランドは開業157年だそうです。
中庭では、
すでにクリスマスのイルミネーションが点灯。
クラシックな空間がムード満点に演出されていました。
前の山下公園前の街路樹は木枯らしに揺られ、
黄色の葉がひらひらと舞っていました。
この公園から眺める夜のベイブリッジは、
まるで天空にのびる救いの道のように、
不思議な絵となっておりました。
中華街で担々麺とか、その他ちょっとをつまんで、
ぷらぷらする。
やたらと焼き栗を差し出される。
占いの呼び込みが激しい。
この平和さ、賑やかさがたまらない。
ここって、私が高校生の頃は、
すっげぇ怖い街だったのになぁ…
翌日はというと、断れない用ができてしまい、
関内駅近くの会社とPRの打合せ。
タイミング的にちょっと疲れたので、
気分直しにみなとみらいへ。
ここみなとみらいの全景は、
万国橋からの夜景が、やはり一番。
その先に鎮座するワールドポーターズは、
その名の通り、世界のいいものが集まっているので、
私はいつもここへ寄る。
買わないけれど、寄る。
特に家具を見るとベンキョーになる。
赤レンガ倉庫はおみやげ屋だし、
クイーンズスクエアもランドマークタワー内も、
マークイズもなんだかいろいろなファッションだとか
グルメだとかで食傷なので、
行かない。
ザ・海鮮丼を喰って、寝る。
翌朝は、早朝の馬車道をぷらぷらしていると、
早々に出勤してくる皆さんに出くわす。
胸中、今日もガンバってください、と。
反対方向へと歩いていると、
懐かしい関内駅舎に到着。
ここで、JRに乗り、次の桜木町で下車。
歩く歩道にのっかつてランドマークタワーの下を過ぎて、
めざすは、横浜美術館。
コレクションを見てまわっていると、
スーパーなものはないものの、
その時間と空間がやたら落ち着く。
やはりイマドキは超人気の若冲ですかね?
アレ、東京のどこかの美術館でやっているなぁ。
そういえば、撮影可のスペースが、
どんどん増えている。
そこらでカシャカシャとやっている。
にしても、じっと見入っているときに、
ケータイが鳴る人がいて、これは興ざめ、
気が散りました。
で、ずっと話してる中国マフィアのようなおっさん、
職員に注意され、退場。
(ざまぁみやがれ!)
↑港の見える丘公園より横浜港を臨む
帰路、徐々に現実に引き戻されてゆくのが、分かる。
横浜駅の雑踏で、現実に引き戻されました。
あーあ、
近場、しかも超短い逃走だったなぁ。