東京の流儀

最近はよく神田に行くが、

その度に違う地下鉄に乗ってたどり着く。

で、私がとにかく把握できないのは、

この界隈に潜っている3つの駅の位置関係だ。

新御茶ノ水駅、小川町駅、淡路町駅。

どの駅で降りても必ず迷う。

自分の行くべき方向が

電車を降りた瞬間から分からない。

地下なので、余計に感が働かない。

私の目的場所は神田美土代町で、

いまだにどの駅が一番近いのか把握できていない。

当然、帰りも迷う。

だって地下鉄の入り口に、

駅名が3つ並んで書いてあるんですよ!

一度、iPhoneを頼りに歩いたが、

まあ馬鹿らしいのでヤメにした。

私は古い人間なので、

どうもああいうのを見ながら歩くことに

馴染めていない。

さらに、男は地図が読めないといけない。

その地を把握せねばならない。

そして感を働かせて歩く。

自らの力で目的地に近づくに連れ、

ワクワクするもんな。

iPhoneはダメだ。

ああいうのは、まず地形を覚えない。

そしてなにより街の全体像が掴めない。

偉そうに書いているが、

そうやって感を頼りに毎回迷っている。

私はよく近所の山にハイキングに行くが、

地下鉄は近所ハイキングより、結果、水を欲する。

景色が爽やかである訳もなく、爽快感もなく、

やたら喉だけが渇くのだ。

カラッカラ!

万歩計を見ると、

いつも軽く1万歩を超えてしまうから、

これはもう都会限定でチャレンジできる

サブウェイアウト・ドアと言ってしまおう。

んんん、地下鉄ってヘビー!

で、話を戻すが、

いったい、あの神田の地下鉄の3駅は、

平面図に起こすとどうなっているのだろうか?

そして立面図は?

おのおの近いような気がするが、

実は相当離れているような気もするし…

こうした疑問は、

渋谷の地下でも新宿でも大手町でも、

要は東京の至る所で、

沸々と湧き上がってしまうのだ。

これって私の性癖なのか?

地下鉄の改札口で、

独りで難しい顔をして出口を確認していると、

通り過ぎる人は皆、何の迷いもなく、

スマフォを眺めながら淀みなく流れてゆく。

すると、

どこからともなく囁きが聞こえてくるのです。

「都会の流儀に反していますよ、そこのご老体…」

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