風になびく人々

いま、国会議員の不倫が騒がれていて、

まあみんな同じ人間だから

政治家といえどもたいして変わらないや、

という私の安直な感想などもってのほからしく、

世間は、絶対に彼らを許さないのであった。

昨日まで全く知らなかった政治家でも、

テレビを観て初めてその人間を認識すると、

途端、絶対に許さないのであった。

にしても、遡上に上がった人たちの政治手腕というものは、

この際一切語られないし、

ネガティブな報道一辺倒。

あたり前といえばそのように思う。

実際、たいした実績もなければ、

風当たりはすさまじく激しくなるのである。

とにかく 徹底的に叩かれる。

イマドキ、政治家だけではないですよ、

有名人だけではないですよ、

いずれは私たち市井の人間も、

キッチリと品行方正でなくてはならない、

というような風潮にすり替わるから、

今後一層世の中は厳格になります。

イマドキの風潮ってそんな感じ。

まあ、先の政治家の件は、

そもそもそんなところでつまずく事自体甘いけれど、

わざわざテレビで大々的にやるって、

なんだか時間の無駄でもあるように思うんだけど、

或る方たちにとっては放ってはおけない事柄らしいのだ。

これに繋がって、

連想ゲームのようにアタマに浮かんだのが、

イマドキの潔癖症ブームなんである。

社会の底流に流れているのは、

きっと同様のメンタルなんじゃないか。

風呂もテーブルもマナ板もですね、

菌が少しでもいたら不潔。

イケマセン。

こうした許しませんよ的潔癖さについてですが、

実際はゼロ無菌などちょっと無理だと思うんですよ。

しかしテレビコマーシャルなんかを観ていると、

清潔、真っ白、ピカピカ、除菌99.○○%とかね。

こんなのばっかり。

こうした啓蒙(?)って、いわば企業の経済活動の一環だから、

そのうち知らぬ間に、私たちの生活習慣として

定着するようになる。

で、環境が整うとこうした製品って売れるんですねぇ。

こっちの勝手な理屈を言わせてもらえば、

こうしたケミカル商品ってなんかあやしい。

成分的にもホント大丈夫なのかとほぼ疑っている。

さらに、こっちとしては無菌活動反対で、

ほどほどの菌たちとは常日頃から共存したほうが良いと

考えるので、意見相反ですな。

これはある本の記事で知ったのだが、

インドに行く観光客で、最初に体調を崩すのは、

まず日本人であるらしい。

それも腹痛、下痢が多いそうである。

原因は、明白ですね。

話を先の政治家の件に戻すが、

事の中身は完全にワイドショーネタである。

だから、しょがないといえばそのような気もする。

みんなで袋叩きにされて、

この人たちは、もう終わりである。

とにかく、事はテレビ局の意向に沿って

動いてゆくのである。

いや、民意を忖度(そんたく)して動くと言ったほうが、

正確か。

とにかく、事の本質に辿り着くことはまずない。

そんな事は誰も望んでいないかのようだ。

こんなくだらないブログを読んでいる間にも

蛇足論争、横道報道のおかげで

時間の超無駄遣いは続いているわけで、

それがわたしたちにとってどうゆう時間なのか、

それを考えるのが、

実は知性というものなのかも知れませんね。

国の重要な政策・案件など、数々の報道も、

池上さんがなんでも説明してくれるとは限らないし。

俯瞰してまわりを見渡せば、

外交、経済、福祉等々、

どれも待ったなしの時代が来ている。

いつか身に降りかかる問題である。

というわけで、もっとしっかりしてくれよ、

政治家、マスコミ、メディアと言いたいが、

実は私たちがその元凶なのかも知れない…

そう考えると腑に落ちることが幾つもあるから、

本当に怖いのである。

「風になびく人々」への2件のフィードバック

  1. スパンキーさん、こんにちは。
    旅先ですが、今日は曇天。安息日としましたので、返事したいと思っていたコメントをしますね。
    確かに、芸能・政治関係者への不倫のバッシングはここ数年その強度を増してますよね。私は、心理的には自己バッシングだと思っています。不倫は昔からもちろんあるのですが、そのタガが緩くなってきている。一般人の間でも見聞きすることは多くなっている。かといってまだまだ、亭主がイヤになったからと言って他に移るわけにはいかない。移りたい替えたいという潜在的願望を押さえ込むために、他人の特に自分よりすでにいい目をみていると思う有名人を叩きたいのです。パートナーを替えることが日常茶飯事の文化になっている欧米では、不倫であろうが正倫であろうが著名人の引っ付き・離れは道徳的には話題にもならない。日本は、過渡期にあってバッシングが捌け口として盛んなのだと思います。
    クリントンもモニカとの情事?を叩かれましたが、結局は「クリントンもオトコだからなあ、相手がヒラリーではなあ」の「理解」で一般人は矛先を納めたと理解しています。
    恐らく宗教的にも、「汝らのうち罪無き者が石を放て」と姦淫した女を石打の刑に処すべきという律法主義者を叱ったイエスの偽善を排す喩え、これ教養あるアメリカ人ならみんな知っている逸話ですから、不倫を批判しにくい素地もあります。
    ばい菌への潔癖主義は、おそらく、もう一つのトレンド、「なによりも健康第一主義」から派生していると思います。スパンキーさんの仰るとおり、無菌状態はむしろ人間を弱くするのですが。

  2. Soraさん)
    どうも!
    ちょっと富士山の麓へ出かけていました。と言ってもSoraさんの旅からみれば、
    私の場合、ごくごく近所という感覚になってしまいますね 笑
    Soraさんは今日はどのあたりか、後でブログみてみますね。
    という訳で、お返事、遅くなりましてすいません。
    で本題ですが、やはり昔より不倫て増えているのですかね?
    私はそこがよく分からないんです。
    もっと本音をいえば、他人のそういったことに実は興味がないんですね。
    なので、どうもいわゆる世間やメディアの正義づらした
    偏狭かつ厳しい態度に違和感がある。
    (私は不倫推進論者ではありませんよ!)
    テレビも、もっと大切なコンテンツを流してもらいたいし、
    もっと観ていてワクワクするようなコンテンツをつくってもらいたい。
    まあ、視聴率が下がればあんなもの流さないだろうけれど、
    実際はみんな観ているんだろうなぁ、というのが私の分析です。
    そこんとこが総じてちょっとよく分からない。
    欧米の事情は、Soraさんの分析が当たっていると思います。
    今回、ばい菌の話とまぜこぜに書いたのは、その潔癖さ、
    偏狭さが、いつか自分の首を絞めるほどにつまらない社会を形成し、
    もっと大事ななにかを見失うんじゃないかという懸念ですね。
    ま、今回のようにつまらないことをして有名になってしまう政治家はバカですが、
    私たちはもっと他をみていたほうがいいと感じまして。
    突き詰めるとかなりメンドーな話かも知れません。
    Soraさん、コメントありがとうございます。

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