軽井沢

軽井沢

失恋のようなさみしい底冷え

白い国道沿いに立って

碓氷峠をみつめる

吐息のような煙を吐いた

トラックが1台

やっと故郷に帰る旅人のように

それは哀愁の姿

軽井沢

氷にまみれた中から顔を出す雑草は

何にもすがらずに

耐えている

雪の幻想の国のように

垂れかかる木々

暖かい暖炉が待っているのかいないのか

こっちを向いて猫が鳴く

軽井沢

その事はもう忘れてとあのひとは

私の胸のなかで

ひとときうずくまる

私は雪を振り払い

凍える手を握る

これからもっと北へ行くのだと

私は曇空に語るのだ

「軽井沢」への10件のフィードバック

  1. 冬の軽井沢って、さぞや淋しいんでしょうね。「軽井沢」という言葉自体に、夏の明るいにぎわいが凝縮されているだけに、その対比が、よけい寂しさを募らせます。
    >「こっちを向いた猫」ちゃんが唯一生物的なぬくもりを感じさせるので、かえって周囲に立ち込める冷気のようなものが強調されていますね。
    >「これからもっと北へいくのだ、と私は曇り空に語るのだ」という結びに、語り手の寂しさと決意がにじんでいて、素敵です。
    私は現在タイヤチェーンを持っていないので、雪の降る地方にドライブに行くことが出来ません。スパンキーさんの詩で、こちらもつかの間のウィンタードライブを味わいました。

  2. コメント、ありがとうございます!
    ムカシ、遊び仲間とスキーで軽井沢に行ったとき、かなりハイテンションだったのですが、いま思うとその景色がとても切ないというか静寂そのものだったんですよ。で、気分をひっくり返して書いてみました。
    夏の軽井沢も何度か行った経験がありますが、あれは詩になりませんよね?
    いや、なりますかね?
    いや、なるなぁー

  3. 冬の寂しげな情景の中に、熱い”決意”を感じさせます。
    対比がお見事です。
    その行く先には前途多難な未来が待っているのかもしれません。
    それでも、揺るぐことはない確固たる意思。冬の軽井沢の寂しさが、そんな男の決意を鮮明にしています。
    >>これからもっと北へ行くのだと
    >>私は曇空に語るのだ
    とても、心に響きました。
    月並みだけど、「明日もがんばろう」
    そんな風に、思います。
    早く、詩のサイトを作らなければ!
    そんな焦りも抱きつつのドリーミンでした。

  4. 初めまして、スパンキー様
    この詩を読み終わった瞬間、軽井沢に無性に行きたくなりました。
    心にダイレクトに呼び掛けられた気がして、それってすごいことだと思い、ついコメントしてしまいました。
    またしっかりご挨拶に伺います。
    感じることが仕事の軽井澤より

  5. Dreamin’ さん)
    この詩、ホントは、私のなかでは演歌を書たかったんですね。
    いや、演歌ではなく艶歌か怨歌を。哀歌でもいい。
    冬の叙情、オトコとオンナ。そして北へ。ねっ?演歌でしょ!
    詩のサイトは急ぎましょ!なんて焦らしたりして。

  6. 軽井澤 さん)
    はじめまして!
    コメント、ありがとうございます。
    ダイレクトに伝わって、こちも感激しております。ありがたい。
    実は私もいま、仕事を抜け出して軽井沢に行きたい!心境です。
    あそこはただの別荘地ではなく、なにかストーリー性があると、以前から目を付けておりました。
    「感じることが仕事の軽井澤より」ってカッコイイですね!
    是非また遊びに来てください。

  7. 始めは、淡々としていてもの静かな印象を受けましたが、読み重ねてみると、静かだからこそにじみ出る熱いモノを感じました。
    風が冷たく、景色の色も少し寂しくなるこの季節には、凛とした横顔がとてもよく似合います。
    また、この季節には欠かせないもの…
    「潤い」
    冷たい風は、肌にささりますもんね。肌荒れ要注意。たっぷり化粧水です。
    ココロの潤いとしては、もっと肩の力を抜いて、ケラケラ笑える時間が欲しいな~と感じている今日この頃です。
    「ココロの潤いキャンディ」とかあったらいいですよね!
    大分話がそれましたが…
    寂しげな情景に浮かび上がる一人のオトコ。
    ブレない瞳で、先を見据えているようです。
    私も、軽井沢に行ってみたくなりました!

  8. chiakiさん)
    コメント、ありがとうございます。
    最近、寒いですね?
    いつもホットカーペットの上でゴロゴロしているスパンキーは全然、凜としていません。
    詩に負けております。
    こうゆう季節は潤いキャンディーでもなめて、笑顔で頑張らねば。ね?
    軽井沢は今頃半端じゃない寒さだと思います。コメントをみたら、気合いを入れ直してスパンキーも行きたくなりました!

  9. 私も最初は冬の情景とか浮かんで冬ソナなイメージだったんですけど(笑)段々、吸い込まれて最後の“これからもっと北へ行くのだと曇り空に語るのだ”って文とか、スゴい内に秘めた決意と言うか熱い何かを感じました。
    軽井沢。夏と冬は全く違う顔ですよね。
    夏の軽井沢は私の中では爽やかな風が吹く別荘地なんですけど冬は何だか寒く寂しい感じがします。それでも懸命生きる植物の姿には生命の強さを感じさせられますね。

  10. 冬の軽井沢は、特に朝は半端なく寒いです。
    で、風景も一変。夏の面影はどこにもありませんでした。
    だから対比すると伝わるものもあるんじゃないかな?という安易な気持ちも手伝い、ちょっと秘めた気持ちを書いてみました。
    伝わったのでしたら、ありがたい!
    コメント、ありがとうございます。

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