アウディR8 (CMレビュー)

久しぶりのCMレビューです。

クルマのフロントライトから、

ディティールを舐めるようにカメラが映し出す。

徐々に後ろへと移動し、イグニッションスイッチが入る頃、

アウディのフラッグシップカーであるR8 V10がその姿を現す。

久しぶりに、大排気量スポーツのエグゾーストを聴いた。

忘れかけていた野生が蘇る。

この鳥肌が立つ感動は、あの懐かしさなのか…

そんなゾクゾクするようなエンジン音が鳴り響く。

吹かすと、明らかに「火」がみえる。

青い炎が揺らぐ。

コイツが本当のエンジンだと、主張している。

若い頃に通った、富士スピードウェイ。

レースが始まる前から、入場の時点で皆うるさいクルマばかりが、

何千台も集結していた。

なかには都道府県名を入れた旗を振っている奴や、

団体やチーム名を入れている旗で、すでにヒートアップ。

それは、かなりの迫力で、

こっちもしっかり朝飯を食っていかないと、

気力負けしてしまうので、気張っていたのを思い出す。

で、レースともなると隣の友達とも普通に話せない。

聞こえない。

怒鳴り合うしかないので、途中でコミュニケーション、終わり。

轟音のなかでずっとレースカーを見るのは快感なのですが、

いまとなっては時代遅れは否めません。

でですね、このCMは、アウディもとりあえず悩んだと思います。

このエコの時代に、10気筒というある意味馬鹿げたエンジンを、

真っ向からみせる、という反社会的とでもいおうか…

燃費悪しの穀潰し

騒音倍加の族野郎

CO2出し放題の臭い奴

こんなことを言われても仕方のないR8 V10の心臓部を、

CMの中心に据えるという表現に、まず拍手。

このなんというか

縛りのキツイ世の中で、

突き抜けている製品と表現。

それが返って、

なんだかとても爽やかに届く。

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