冬の心

どこまでも続く海岸線で

もう少したてば桜が咲くよと話してくれた

おばあさん

もういないのかい

いろいろな事があって

あの人もこの人も逝った暦の春が

またくる

今年もクリスマスがやってきて

海は静かで

ああ

正月にどう笑えばいいのかな

そんなことを考えたり

そして

雪を掻いたりしているうちに

やっぱり

春はやってくるのだろう

いったい

なんの春がくるのかな

海岸に

忘れ物の弁当箱と転がったサングラス

冬は嫌だな

(静かで寒い

寡黙な日に…)

「冬の心」への2件のフィードバック

  1.  
    静かで寒い、海岸の冬の一日の気配が伝わってきそうですね。
    >「忘れ物の弁当箱と転がったサングラス」 という情景を描きながら、「冬は嫌だな」 とつぶやく “間のとり方” がいい感じですね。
    ちょうど、その間が一行空いているんですが、その空白の一行に、言葉にできないような空気がいっぱい流れているように思いました。
    「冬」 というのは、別離を思い出させる季節なんでしょうかね。
    逝った人たちのことが、なぜか浮かんでくる季節。
    そして、物憂げな春がやってくるという、静かでさみしい季節の捉え方に感心しました。
     

  2. 町田さん)
    私は割と自己中だし、あまり世間と歩調を合わせようなんて
    考えない人間です。この傾向は、若い頃、顕著でして、
    ひと言でいえば、嫌な奴だとみんな思っていたと思います。
    こんな自分ですが、いろいろなことを経験するうち、
    人の意見も聞くようになりましたし、少しはマシになった
    つもりではいます(?)
    今回の震災は、本当に私の中で何かが変わりましたし、
    生きていること、そして死に関して、より身近に考えるように
    なりました。
    元々、子供の頃から、そうしたことはかなり意識しているフシはありましたが、
    現実に打ちのめされました。
    私は被災者ではありません。が、どんな立場だろうと、
    できる限り想像する努力はしているつもりです。
    しかし、体験者の心は、私にはわからない。
    でも、できる限り考え続けていこうと思います。
    コメント、ありがとうございます。

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