僕がヒーローだったとき

オレンジの陽だまり

午後の公園

ぽかりと雲が浮かんで

ああ

ここは永遠だね

時間は止まった

僕は銃を置いて

温まった躰をくねらせ

眠りにつく

公園の外では

天地が揺れ

相変わらずミサイルが飛び交い

死者も出ている

ひょっとすると

これは神が見放したのだろうと…

しかし

人は生きるために産まれてきたと信じ

人は死んではいけないと神に教えられ

迷宮のなかで行き場をなくす

だから

僕は夢をみたんだ

そして不思議を手に入れた

僕は死んだ人を復活させ

その人と抱き合う

僕はミサイルを片手で掴み

海へ放り投げる

僕は暴れる大地に四つん這いになり

地の神と話し合う

目を覚ますと

公園はすっかり暗くなってしまい

凍える程に寒く

僕の躰も冷えきって

時は猛烈に動き出していた

もうここは公園ではない

ああ

僕は再び銃を握りしめる

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