ミスター・アーサー

ちょっと聞いてくれないかな、

もしも、僕が大富豪の御曹司だったら、

親に言われるままの政略結婚を拒否できるかって

話なんだけどね。

資産30億。

この膨大な資産の受け取りを拒否してまで、

恋に落ちるに値する女性に出会ったら?

実はそんな女性がいるんだ。

生涯二度と出会うことのできない、

女神のような慈悲と美貌を兼ね備えていて、

なんと僕を愛していると言うんだぜ。

もちろん、僕はそれ以上に彼女に惚れているけどね…

さあ、これから僕は、

運命の天秤に乗って、人生の賭けをする。

あっ、僕の名はアーサー。

そう、ミスター・アーサー。

どうしようもない男さ。

毎日いろんな奴と楽しくやって、

不自由なことなんて、なにひとつない。

そんな僕が悩みを抱えるなんて、

考えもしなかったよ。

人生っていうものを、

深く考えたことがないんだ。

そんな訳で、

僕は初めて不思議な息苦しさを感じている。

これまで自由奔放にやってこれたのも、

これから適当に楽しむためにも、

親の言い付けは守らなきゃ…

いや、そうじゃない、

だから、僕は彼女に言ったんだ。

「僕はこの街が好きなんだよ、

君が望むニュージャージーへ移る、

なんてそれはできない相談だ。

僕はこの街でしか生きてゆけない。

なあ、わかるかい。

俺は、アーサー。

ミスター・アーサーなんだ。

そう言って、僕は人生の賭けをする。

馬鹿だろう。

下らない男さ…

だって、

この話はifじゃない。

もしもの話でもなく、

本当のことだからさ…

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「ミスター・アーサー」への2件のフィードバック

  1. 冒頭の、名前はアーサー、とニュージャージーという地名がでてきたところで、自慢じゃあないですが、あ、これはArthur’s Theme(アーサーの抱える問題)の歌を下敷きにしている、と判りましたよ。
    この曲はいいですね。サビの「もしキミが月とニューヨークシティの間に挟まってしまったら、君のすべきことは恋に落ちることさ」のリフレインが印象的。
    しかし、実は私耳だけで聞いていて、なんで月とNew York Cityの間に挟まるのだろうと、ずっと疑問に思ってました(笑)。
    でも今回この英文詩と歌の成り立ちを調べてようやく判りました。月とは彼女の比喩ないしは、隣州のニュージャージーのことでしょう。
    the best you can do, is fall in love ♪
    なんて、いかにもヌーヨークらしくて、おしゃれですね。愛はすべてに勝るってね。

  2. Soraさん)
    素敵な曲ですよね?
    この曲が流行ったのは、ざっと30ん年前なんですけれど、
    私は、たまたまグアム島で初めて聴きまして、いいなぁと。
    で、後に映画の挿入歌と知りまして、その意味も調べました。
    映画はたいしたことないですが、設定は面白いんですよ。
    が、どちらかというと、このクリストファー・クロスの歌声と詞が
    有名です。
    月とニューヨークの解釈は、Soraさんの言われるようなこともあるように
    思います。
    the best you can do, is fall in love
    私は英語はよく分からないのですが、調べるとこれは確かにおしゃれな
    言い回しらしいですよ。
    コメント、ありがとうございます。

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