ピアノマン

青春のときの夢は

確か一流になること

だったよね

苦いビールを何杯か飲み干してから

キミが昂ぶり

とても大きな夢を話していたことを

覚えている

一流になれば

もちろん名が知れて

そのうち大金も転がり込むってね

でもあれから遠い月日が流れて

いまじゃキミも年をとった

相変わらずあの店でピアノを弾いているけれど

キミが草々金持ちのようには見えないし

有名になったという噂も聞かない

今日もキミのファンで店はいっぱいだ

キミのピアノの音はとても落ち着くし

ときに驚くほどエキサイティングだ

店がずっと廃れないのも

みんなキミの腕を目当てに

顔を出すからなんだよ

あれからビアノの音が幾度も変化し

レパートリーも増えたってね

試行錯誤を繰り返し

キミはキミなりに

一流をめざしたのだろう

さて

今日の帰り際の一曲に

私は嬉しくて涙が溢れたが

そんなセンチメンタルをいちいちキミに伝えるのは

止めておこう

キミはピアノマン

いまじゃ一流だよ

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「ピアノマン」への2件のフィードバック

  1. 動画で見るかぎり、ビリー・ジョエルも 「良い年の取り方」 をしてきたように感じます。
    昔は、才能だけが異様にほとばしる “油断のならない青年” といった風貌だったのに、今はその才能を 「人のなかに潜む優しさ」 を見つけ出す方向に使っているという感じですね。
    スパンキーさんは、本当にビリーがお好きなんですね。「allen town」 の話も素敵でした。
    この短いポエムで表現されているように、「一流になる」 ということは、マスコミで名が売れることではまったくない、ということが、私にもようやく分かってきました。
    それが分かるには、ある程度の 「年輪」 というものが必要だったような気もします。
    「一流になる」 ということは、ここでピアノを弾いているビリー・ジョエルのような表情を持つ人間になるということなのかもしれませんね。
     

  2. 町田さん)
    ビリー・ジョエルを初めて耳にしたのは、確か22のときだったと思います。
    ストレンジャー、凄いヒットしましたね。が、町田さんのいわれるように、
    才能が突出しているように私にも思えました。
    一度、彼のドキュメントを見たのですが、
    あるとき猛烈なスランプと自己矛盾に陥り、都会を離れ、田舎暮らしをしているそうです。
    いまでは良いオヤジですね。
    「一流」という考え方って、私も最近になって自分なりに合点がいくようになりました。
    ピアノマンって翻訳すると、全然違う歌詞なのですが、私なりにつくってしまいました。
    allen townもそう。彼の映し出す詞とメロディーの陰影が大好きです。
    P.S
    怒濤のコメントの連打、感謝します。返事が遅れて申し訳ありません。
    仕事がバタついていて、どうにも時間がとれませんでした。
    我が家の一大イベントが終わったら、またお付き合い、よろしくです。

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