或る日

広く どこまでも遠い

あれは草原だろうか

風が強い日だった

耳のあたりが騒々しいほどに

草が木々がなびいている

ちょうど山並みが切れたあたりに

薄水色の空が貼り付いている

底辺をスパっと切ったような

雲がひとつ

いつ頃からだろうか

私はその雲を眺めている

19歳の春

翌年 私は横浜の街を出た

何でもない日だったが

その日のことを

憶えている

にほんブログ村 ポエムブログ ことばへ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.