丁寧に生きる。

 

まずコロナにうつらないように

あれこれ注意はしていますが、

一日の行動を振り返ると、

やはり万全とはいかないようです。

買い物にでかけて、人と距離をとるとか、

あまりモノに触らない等…

といってもやはりどこかに落ち度はある。

 

マイカーに戻ってひと息つく。

アルコールで手を拭く。

が、ドアの取っ手とかキーとかスマホとか、

いちいち気にするとなると何が何だか分からなくなる。

もしこうした「完璧清潔ゲーム」があったとしたら、

私はすぐはじかれてしまうでしょう。

 

むかし、潔癖症らしき人をみてたら、

トイレでずっと手を洗っている。

全然やめない。で、腕まで真っ赤になっているのに、

まだ洗い続けている。

首をかしげてなお眺めていると、

顔は真剣そのもの。

というより、何か邪悪なものでも取り払うためのような、

とても嫌な表情をしていました。

邪悪なもの、罪深いものが、手に付着しているとしたら、

私も真剣に手洗いをしなくてはならない。

しっかり手洗い―そんな事を思いました。

 

ウィルス感染の恐れと同時に、

経済の失速がひどくなってきました。

ウチの税理士さんは新宿区にオフィスがあるのですが、

先週の時点でコロナによる緊急支援策が、

顧客企業からの要請ですでに満杯だそうです。

しかしいくら急いでも実際に融資等が下りるのは、

初夏ということです。

これでは、とりわけ飲食などの業種は、

まずもたない。

政府及び財務官僚というのは、

街の経営者の事をどのくらい把握しているのでしょう?

溺れている人が沈んでから、浮き輪を投げる。

そんなものが助けになるのか。

とても疑問です。

 

私自身、1991年頃のバブル崩壊を経験しています。

このとき、やはり緊急融資のようなものが発表され、

私は、銀行・役所など各所をバイクで駆けずり回って、

書類の束を何日か徹夜して必死で仕上げて、

もちろん仕事をする時間も削って、

心身ともにボロボロになって

ようやく銀行に書類を提出したことがあります。

 

結果は、助けてもらえませんでした。

1円も助けてもらえませんでした。

これは事前に銀行の窓口で知ったことですが、

私の会社の書類を受け取った銀行員が言うには、

「書類を提出しても、きっと何も出ないでしょう。

カタチだけなんです。今回のこの支援策は、

そういうものなんですよ」

エリート然としたその男は、

私のすべてを見透かしたように、

うっすら笑みのような表情さえ浮かべていました。

 

これから失業者も相当な数で増える。

日本の自殺率と失業者のグラフをみると、

ほぼシンクロしている。

こういうのを経済死というのか。

とても嫌な未来を想定してしまいます。

 

とにかく世界は一変しました。

いや、さらに悪化の一途を辿っています。

 

朝、私は枕元に置いたiPhoneで、

だいたいイーグルスを聴いてから起きます。

朝は、たっぷりのカフェオレを、

ゆっくり味わうように飲む。

一日を通して、テレビはあまり観ません。

仕事の合間に、

筋トレまたはウォーキングは必ず。

夜は、気に入った映画をひとつ。

風呂ではひたすら水の音に集中します。

そして就寝前は、好きな作家の描いた世界へ。

 

なめべくまわりに振り回されないように、

マイペースを保つ。

自分の中に、日常とは違う別の世界をいくつかもつ。

 

誰かに教えられたことがあります。

丁寧に生きなさい。

ゆっくり考えなさい。

 

いまこそ実行しようと思います。