鐵馬厩 (テツマヤ【旧店名】鐵馬舍)というお店

降り出した雨で焚き火を中止し、

河原を後にした。

天気予報で事前に分かっていたのだが、

途中でちょっと日差しが出たので、

もしかしたら、と甘い判断をしてしまった。

車の後部座席とトランクには、

薪やコンロ、椅子、テントなどなどが、

結構びっしり積んである。

このまま帰るのも、なんか悔しいなぁ。

走る国道沿いで見かけた看板を頼りに、

道を逸れて小道を進むと、

山あいの静かなところに、その店はあった。

こういうムッときたときは、寄り道にかぎる訳。

雨に佇む…という形容詞がふさわしい。

大屋根の古民家を改造したお店は、

なかなか時代がかっていて風情がある。

 

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平日、しかもランチの時間も過ぎている。

店内は私たちだけだった。

 

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天井の太い梁が、この建物の歴史を物語る。

黒い炭でいぶされた内天井は、そのままいかしてある。

 

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店の若いご夫婦にいろいろとお話を伺った。

お二人とも揃ってハーレー乗り。

普段も晴れた日などは、東京などから、

続々とハーレーな人たちが訪れるらしい。

私も東京にいた頃はバイクを愛用していた。

渋滞ばかりの道では、バイクのほうが断然有利だし、

四輪に較べれば維持コストも安い。

が、その頃からハーレーは雲の上の存在だった。

まず私の免許が限定解除ではないので、

そもそも1200㏄もあるハーレーには乗れない。

またがる機会もなかった。

さらに金銭的に縁が無かったので、

ハーレーは眺めるもの、と決めていた。

元々、馬を繋いでおく場所に、

いまはハーレーが2台納まっている。

いわゆる馬と人間が同じ屋根の下に暮らす、

曲り家という特徴的な家だった。

岩手県の南部曲り家を取材したことがあるが、

確か曲り家は

あの地方独特のものだったように記憶しているが、

神奈川県にも昔はあったのですね。

ハーレーにちょっとまたがしてもらった。

初めての体験だが、

なんかしっくりくるなぁ。

ほどよい着座位置、握りやすいグリップの感覚。

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これを操って、暇な日などは、

山梨までドドッとツーリングに出かけますと、お二人。

よってお店は「鐵馬厩」の名が付けられた。

以前、「鉄騎兵、跳んだ」というモトクロスの小説を読んだことがある。

傑作で、なかなか興奮させられた。

やはりその中でもバイクが擬人化される。

マシンというのは、まああれこれと生き物に例えられる。

BMWは、狼に例えられるし、

アメリカのロックバンドであるC・C・Rは、

蒸気船のメアリー・エリザベスを、

「プラウド・メアリー」という歌にして、

全米ヒットチャートのトップに躍り出た。

もっともC・C・Rのジョン・フォガティは、

実在する船など知らずにこの歌をつくったというから、

当時の優雅な蒸気船を生き物に例えると、

気位の高いメアリーだった…

というところだろうか。

船は女性名詞だし。

で鐵馬厩は、やはり擬馬化か?

ハーレーは馬なのである。

いまでもこのハーレーという乗り物は、

勝手な想像だが、アメリカでは、

南部に集中しているように思えてしまう。

しかし映画「イージーライダー」のなかで、

よそ者として扱われ、自由を求めてさすらって、

遂にライフルで撃ち殺された若者が乗っていたのも、

チョッパーに改造されたハーレーだったし。

向こうでのハーレーの評価とか立ち位置というものが、

いまの私にはちょっと分からない。

 

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雨の降る山の木々の風景が美しい。

春で色づき始めている。

新芽が吹いて風に揺れている。

山桜がまだ残っているが、

道沿いのソメイヨシノは散り始めている。

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マグロの餃子、出汁巻きたまご、

格別の味噌汁に、生クリームがイケるシフォンケーキに、

和の器でいただくカフェ・ラテ。

うまいものを、たらふく腹に収めたので、まあ満足。

焚き火は、またの日の仕切り直しということで、

早々の帰宅となった。

↓食べログ

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