彷徨う夢

その道は

確かに

頂へと続く筈だった

両脇が小高く切り立ち

赤土が木の根を覆うのを

常として眺めながら

皆この道を歩いている

笹の枝が垂れ

その隙間を探すように

わずかな日射しが

ときに顔を照らし

それは温かく美しい光だった

敷かれた石はどれも苔に覆われ

そこを踏みしめ

来る日も来る日も

人はその勾配を登る

汗を拭って振り返ると

ふとした不安がよぎるが

しかしだ…、と

人は皆そこで

語気を強めるのだ

ここまでくると

あきらめとともに

もう引き返すこともない

再び足を運び

前へ前へ

それしかないと

そりが宿命であれ

私なりの頂をめざそうと

歯を食いしばる

やがて笹が途絶え

敷石が消え

その道がまさしく

人を裏切るように忽然と姿を消すと

あたかも知っていたかのように

もう慌てることもやめ

ときに

しょうがないなぁと口走り

鳥も羽ばたかない

暗い森のなかを

独り彷徨う様は

もはや

死への旅路と化すのだった

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旅する詩人、ムスタキのこと

我ながら思春期の頃の夢はませていて、

吟遊詩人になりたいと、

人に話したことがある。

きっかけは、ジョルジュ・ムスタキだった。

それは、この人をテレビで観たときからだ。

彼はいつも、

世界のどこかの街角で詩を書いていた。

キリストのような白い服を着ている。

手づくりの詩集が少し売れる。

それで暮らす。

決して沢山は売れない。

それがみじめだとか、

働かないとか、

そんな風には全く見えず、

私は、彼がまさしく

「自由に生きている」と感じたからだ。

ムスタキはヒッピーではない。

物乞いでもない。

風の詩人だ。

だがしかし、

実は本当のムスタキは、

著名なシンガーソングライターだった。

ユダヤ系フランス人で、

「異国の人」という歌でヒットを飛ばしていた。

当時、私がなにも知らなかっただけだ。

異国の人とは格好良い語感だが、

意味合いはよそ者とか、ガイジン。

そんなニュアンスだ。

この歌は、

世間の規律からはみ出した人やロマン主義者、

祖国を亡くした人々、無国籍者、

はたまた無銭旅行者たちを魅了した。

が、彼のこの歌への想いは、

ホントのところ、恋の告白だったらしい。

こうした勘違いって、いいなぁと思う。

詩には、ときに全く異なる解釈がつきまとう。

彼は「ヒロシマ」という歌もつくっている。

また、阪神大震災のときはいち早く日本へ来て、

チャリティーコンサートを開き、

集まった義援金を被災地の兵庫県に贈ったりもしている。

ウィキペディアによると、

彼は、日本人のことをこう評している。

―ヒロシマの敗者が、伝統と精神性を放棄している。

厳格さ、馬鹿丁寧にぺこぺこする、常に自制心を失わない、

能率のよさ、何が何でも時間を厳守する、

これらに対しては何の魅力も感じない

(略~しかし)

冷静な微笑の裏には本物の親切がある…と。

最後のことばが気にかかる。

ここにムスタキの気持ちが集約されている。

彼は日本を愛していたのだと、私は理解したい。

今年の5月、ムスタキは78才の生涯を閉じた。

勝手な勘違いとはいえ、

彼は、多感な時期の私をトリコにした。

中学生のとき、友人の家にみんなが集まり、

ストーブを囲み、

将来について語り合ったことがある。

誰かが社長になりたいと言った。

建築家になると語った友人もいた。

そして、

私はそのとき、吟遊詩人になりたいと…

当然、場がしらけて私は笑われた。

あれからいくつも時代は過ぎたが、

やはりいまでも、

吟遊詩人はいいなと思うことがある。

これって、

ムスタキさんの影響と思うのですが…

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真夏のエトセトラ

矢沢の夏

♪罪な奴さ、あぁパシフィック…

これってご存知、矢沢永吉の「時間よ止まれ」の出だしの歌詞です。

意味がよく分かりません。しかし、感覚的にいいんですよね。

続いて、

♪西風が笑うけれど…

ええっ、西風って笑うんだ、とからかいたくなりますが、

なるほど笑います、となる。これも聴いているうちに、

分かります。これが矢沢マジックです!

安藤美姫の秘密

週刊文春が、安藤美姫さんの出産についてどう思うか、

というアンケートを募ったそうだ。

そんなことはどうでもいいだろうよ。人には人の事情があるのだから…

これは「悪」を前提にした発想だ。きっと…

それより、あなたのところの林真理子の連載ですが、

毎回、橋にも棒にもかからない内容ですね? 

ついでに思い出しましたが、

この人がまた本を出したそうで、なぜか金スマに出てました。

相変わらず、成り上がる為には…の勢いだけは旺盛。

この人のズレ感凄い。知性とスマートさが全く感じられない。

本のタイトルは「野心のすすめ」だそうだ。

邪心じゃないだろうね?

太巻って、秋元?

NHKの朝ドラって、実はアイドルドラマだったんですね。

知らなかった。

なかなか面白いのですが、どうも太巻のキャラが気になる。

ドラマ中のアイドルへの道も、AKBと同じノリ。

これは、勘九郎のギャグか、皮肉か?

で、なんで太巻って名にしたかというと、

東京のある寿司屋がいまのところの舞台であるからして、太巻。

これが、クドカンの思考回路と思うのです。

万が一、トンカツ屋が舞台だったら、勝男かな?

スイマセン!

居酒屋モヒート

先日、飲み屋で私の友人がモヒートを頼んだ。

モヒート? そうカリブの方の飲み物だ。

で、名前だけは知っていたが、そのとき、

私もその正体を初めて目撃した。

グリーンがかった液体にミントを浮かべた、

実に洒落たカクテルだ。

ラムベースなので、少しクセがあるらしい。

私の友人は、モヒートのイメージとかけ離れた人物なのだが、

帰りに変な酔い方をしたのか、イトーヨーカドーへ行くと言って聞かない。

何故と問うと、ジャージが欲しい。それしか言わなかった。

ま、夜も遅かったので、ヨーカ堂は当然閉まってましたけれど…

復活、華原朋美

あまり感情移入はしない質。

過去からすべて知っている訳ではないが、この人の

生き方を見ていて思わず「頑張れ!」と応援してしまう自分がいた。

芸能人が、いろいろ身の上を切り売りするが、

華原の場合は、明らかに違う匂いがした。

歌は、一級品。

あれだけ人を愛せたんだから…ね!

ラモスのステテコ

ユニクロのCMで、ラモスがステテコ姿でサッカーボールを操る。

うーん、ステテコか?

格好良くはないねぇ、と年のいった私は思う訳だ。

小学生の頃、時計より正確に帰宅する父は、

まずネクタイを外し、ズボンを脱いだ。

と、しょうもないステテコ姿で、新聞を広げる。

とまあそんな風景が、私は大嫌いだった。

それは親父が嫌いなのではなく、あのステテコ姿の親父が、

どっから見ても美しくはない、

そう思ったのだ。

で、そのステテコを派手にリニューアルして、

ラモスがそれをはいて野外に立っている。

うーん、クソ難しい感じ。

どう判断して良いか分からない。

が、ものは試しだ。

私もひとつ買ってみようかな?

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未確認飛行物体の教え

私は、UFOを見たことがある!

………?

こんなことを書くとホラになるので、

永年ずっと黙っていた。

いままで余り口外していない。

口外したところで、どん引きされるだけなのだ。

これは自分でもよく理解している。

テレビを観ても、UFOを見たという人が、

必ずバカにされているし、キワモノ扱いだ。

ではなぜ、今頃になってこんなことを

ブログに書くのかだが、実は何も意図していない。

記録しておこうと…

ただそれだけだ。

また、検索順位のアップやアクセス集めなら、

まあ、もう少し気の利いたネタを書く。

たとえば、いまならあまちゃんとか、

指原莉乃のスキャンダルとか…

旬のキーワードはビジネス的に考えると

いろいろ使えるが、

気のないものは書きたくないので、

やめた。

で、話を戻すが、

私は「ムー」のような雑誌に傾倒している訳でもないし、

宇宙人はいるかどうかなんてよく分からない。

しかし確かにアレは、UFO以外、説明がつかないのだ。

私と共に目撃した友人二人も、

後にあの体験は恐ろしかったと述懐している。

それは、

真冬の夜明け前の、そう午前4時頃だった。

朝方の冷え込みが半端ない日だったので、

皆コートを着て車中にいた。

時間で、当時の私のいい加減さが分かるが、

学生の頃は、いつもそんな生活をしていた。

その日も旅行の話で盛り上がり、

朝になってしまったのだ。

横浜の高台にある分譲地にクルマを止め、

盛り上がっている話題の中身はなんと、

ユーラシア横断旅行について、だった。

新潟から船に乗ってロシア(当時はソ連)のウラジオストックへ行き、

そこからシベリア鉄道で移動。

杜の都ハバロフスク、モスクワを経由して東ヨーロッパへ出る。

そこから南下し、欧州を縦断してトルコへ入り、

中東、インドを経由して東南アジアへ抜け、

香港から飛行機で帰ってくるという壮大な旅行計画だった。

が、不思議だったのは、

計画を立てている当の本人たちに、まるで実感がないことだった。

ではなぜ、こんなことを計画したかだが、

大学の先輩が実際にこのルートを回り、

帰国したことから触発されたのだが、

その先輩の話が余りに可笑しく、浮き世離れしていたことだった。

それに憧れ、集まった私たちは、

更に絵空事のような感覚に陥ってしまったのだ。

まだ、家がまばらなその高台からは、

現在の横浜ららぽーと辺りが一望できた。

その頃は、まだ田んぼや畑で、ぽつんぽつんと

工場が点在している田舎だった。

3人がクルマの中で話し込んでいると、

外が妙に気になった。

それは私だけでなく、他の二人も同様、

異変に気づいた。

それは不自然な発光体だった。

闇夜の一点が突然明るくなり、

それが徐々に大きくなったのを、

皆見ていたからだ。

旅行の話をやめ、

皆空に見入った。

一瞬、ヘリコプターかなと思った。

が、音が聞こえない。

あのパタパタ音が一切しないのだ。

感覚だが、その発光体は、

我々からそう遠くない距離にいるように思われた。

じっと上空を注視すると、

その光は突然オレンジ色に変わり、

いきなり私たちのクルマを照らしたのだ。

それは、夜すれ違う対向車のライトのようだった。

光りは更に大きくなり、迫ってくるようだった。

しかも無音だ。

突然の恐怖で、

運転席にいた友人が慌ててギヤを入れて発進したが、

気が動転していたのか、草むらに突っ込んでしまい、

その間、何があったのか、

皆記憶にないのだ。

次の記憶は、長い坂を猛スピードで下ったときから始まる。

空を振り返ると、光りは青い発光体に変化し、

北の方向へ一瞬のうちに移動し、

そして消えたのだ。

牛乳配達のおにいちゃんが、

私たちの慌てようを見て、

何事があったのかと怪訝な顔でこちらを見ていたのが、

いまでも印象に残る。

後、一年の内に、皆が次々に患った。

私が急性肝炎になり、一ヶ月を棒に振った。

友人は、それぞれ結核と十二指腸潰瘍になり、

寝込むこととなった。

これも偶然といえばそうとも言えるが、

以後、彼らとこの話をすることは、

タブーとなった。

例の旅行も取りやめとなり、

私たちの壮大なユーラシア横断計画は頓挫した。

この話を或る人に延々と話したことがあるが、

彼が言うには、私たちの旅行計画が余りに無謀だったので、

それをやめさせるため、

或る意志が動いた、と言うことらしい。

この説には幾分納得させられたが、

いまひとつ説得力に欠けるようにも思えた。

まあしかし、

壮大な旅行と引き換えに、この世の不可思議を体験したので、

引き分け、イーブンというところか?

旅行への憧れだけは、やはり永いこと尾を引いたが…

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届く、パーソナル・マーケティング

沖縄地方の特産には、いろいろなものがある。

シークァーサー、サーターアンダギーとか、

チンスコウ、ソーキそば、海ぶどう、そしてもずくなど…

以前は、沖縄の泡盛もよく飲んだ。

残波という泡盛は石垣島のものだが、

これはうまいしネーミングが気に入っていた。

残波…リーフで波が砕ける様子が目に浮かぶ。

雰囲気からしてうまい。

久米仙という酒もまた、名前良し、味良し。好きだったな。

沖縄には一度しか行ったことはない。

隣の与論島という島も行ったが、

ここはサトウキビ畑と珊瑚礁のリーフが美しい。

この島で泡盛を初体験した。

ベロベロに酔ったが、何故か翌朝は爽やかだった。

で、飯もうまい。

この辺りの食い物とか酒はいいね、という印象から、

後年通販を利用していろいろ試したことがある。

あるときウコンのDMが来て、

これはなんだかカラダによさそうと、頼んだことがある。

当時は酒ばかり飲んでいたので、ウコンはいいですよと、

確かそんなことが書かれていた。

で、ときは流れて私も酒を飲まなくなり、

こうした特産品も飽きた。

が、相変わらず電話がかかってくる。

DMも届く。

これは他でもよくあることだが、

ここの売り込みの特徴は、

なんだか他と違っていやらしさがないのだ。

DMの中身を取り出すと、直筆の手紙が入っている。

印刷かなとよく確かめると、直筆である。

うーん、やるな。

で、ふんふん感心していると、頃合い良く、

わざわざ沖縄から電話がかかってくる。

○○さん、お元気ですかとか、

最近おからだの具合は、とかコチラが買う意思がなくても、

嫌みなく話してくる。

こうなると私の警戒心も解かれて、

一応話しますよね。

それがマニュアルに沿った話でなく、

世間話なんかを織り交ぜ、

気がつくと沖縄の知り合いの人と話している。

そんな気になってしまう訳。

アドリブが利いているのだ。

DMの中身一式は、あるひとつの流れに沿ったもので、

そのセットに目新しさはない。

が、直筆の手紙というのは、どこも面倒なので避けて通る。

電話にしても、テレマーケティングのテーゼというのがあって、

それに則ってかけている。

が、他はもっと事務的かつスピーディーである。

そのあたりが他と違う。

まるごとひっくるめて沖縄なのである。

ビジネスにしては、かなりユルイ。

が、しっかり私に届く。

いまはまるで欲しくないものばかりなのに、

なんか買うものはなかったかなと、

再度DMをながめていた。

今度はきっと買ってしまう、だろう。

快く無駄金を使うであろう、

パーソナル・マーケティングの仕掛けなのでありました。

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白い夏

透き通る

青と白のストローに触ると

コップのなかの氷がカランと鳴る

ほら

ダンボが飛んでいるよって

ガラスに描かれたディズニーの絵にみとれ

額の汗を拭い

そしてやおら立ち上がると

じっと動かないでいる

軒先の金魚風鈴が気になった

テーブルの上に広げられた

描きかけの絵日記

ぱらぱらとめくっても

ただ毎日晴れとだけ続いて

たどたどしく

赤いクレヨンで

どこもおひさまの絵ばかりなので

隣の家の庭を眺めて

そうだ

今日はひまわりを描こうと…

風が凪ぎる

時が止まる

そこを切り取り

私の遠い夏を持ち帰えると

確か傍らに

おかっぱ頭の姉がいて

姉は信じられないほど

作文を書き続け

本を積み上げ

私たちはことばも交わさず

姉は汗も拭かずに…

その頃

きっと親の期待が重かったのだろうと

止まった夏時間は

もう姉の記憶にないだろう

母は氷を砕いて

たらいにスイカを置き

その姿はいつも健康で丈夫で

いつまでも若いと思っていた

それは父も同様で

大きな背中はなにも言わず

語らず

しかし世の中のことは

すべて知っているようで

そんな父が怖かったけれど

たまにを私を連れ

映画へも出かけた

昨日の朝

あなたたち二人の写真に

挨拶をした

なにかとても穏やかそうで

それがなによりで…

8月1日

施餓鬼

8月9日

あなたのいなくなった日

そして今年は

お母さん

あなたの新盆です

そうだ

久しぶりに姉に電話してみます

そして尋ねてみます

あの夏は覚えていないだろうけれど

金魚風鈴って知ってる? って…

innocent

野蛮とデリカシーをかき混ぜ

人がね

程よくできあがるってさ

ああ

そんなことってあるんだ

己の誠実を生きると

それはつまりぶつかるんだよな

まっすぐな心って結構やっかいでさ

きっといつかどこかで

誰かを傷つける

その意識がどう動くか

分かっている奴は

振り返る繊細さを発見し

そして

抑揚のある思考を掴むからね

けれど

複雑さに閉じ籠もろうか

自己嫌悪に沈もうかとか

思う訳で

辛いけれど…

人はどうしたって人なので

やはり

人のなかでしか育たないから

それを救うのも殺すのも

そうだね

きっと

野蛮な奴の仕事なんだよなぁ

遅い。けれど…

彼の第一志望は、かつて弁護士だった。

しかし、当時、父親の死により公務員になる。
以後数十年その職務を全うし、がやはり組織に疲弊して、
最近その職を離れる。

私の夢はルポライターになることだった。
もの言う写真の撮れるルポライター。
しかし、食えないとの現実を知り、
いや、腰が退けての進路変更。
が、フリーな立場だけは堅持するも…

お互いここ数年激務だったが、
最近の彼の落ち着き様に安堵し、
先日の飲み屋会議で、
遅ればせながら東北行きを決める。

何もしなかった自分たちが、
まず現実を見ることから
始めようと…

遅すぎる行動。
その自分に苛立つ。

そして、
もう若くもないし勢いもない、
俺たちってホント腹立つな!

それが合い言葉になってしまった。

………

浜で「お母さん」と叫んでいた、あの女子高生。

なのに、

自死を叫ぶ女性ひとり助けられない現実があった。

言い訳は100思いついても、やはり罪は残る。

せめて向かい風に立っていないと、
いまの自分は、
やがて崩れるだろう。

人が人であるために、できることをいまから…

親父、お袋、

これで良いんだよな?

気になるCM  脱臭炭

正直、私にはイマイチよく分からないが、

とても気になるCMを紹介しよう。

これって、まず作り手というか、

クリエーターが何から考え始めたのかが不明なので、

私の場合、それが気にかかってしまうのだろう。

音楽は日本の歌謡曲のような曲調なのに、

間奏で古いアメリカンポップスのような雰囲気に変わる。

歌っている人もソウルフルに歌っているようであり、

最後がストンと終わってしまう。

で、サングラスをかけた女の子が、まだ幼いようで、

妙な振りでエロティシズムを醸し出す。

あの黒い衣装は何だろう。

脱臭炭の炭なのか?

舞台の袖で騒いでいる女子も、なんだかダサい。

この一種不思議な雰囲気のなかで、

脱臭炭だ。

忘れる訳がないですよ。

そう、それが狙いですよね?

アウディR8 (CMレビュー)

久しぶりのCMレビューです。

クルマのフロントライトから、

ディティールを舐めるようにカメラが映し出す。

徐々に後ろへと移動し、イグニッションスイッチが入る頃、

アウディのフラッグシップカーであるR8 V10がその姿を現す。

久しぶりに、大排気量スポーツのエグゾーストを聴いた。

忘れかけていた野生が蘇る。

この鳥肌が立つ感動は、あの懐かしさなのか…

そんなゾクゾクするようなエンジン音が鳴り響く。

吹かすと、明らかに「火」がみえる。

青い炎が揺らぐ。

コイツが本当のエンジンだと、主張している。

若い頃に通った、富士スピードウェイ。

レースが始まる前から、入場の時点で皆うるさいクルマばかりが、

何千台も集結していた。

なかには都道府県名を入れた旗を振っている奴や、

団体やチーム名を入れている旗で、すでにヒートアップ。

それは、かなりの迫力で、

こっちもしっかり朝飯を食っていかないと、

気力負けしてしまうので、気張っていたのを思い出す。

で、レースともなると隣の友達とも普通に話せない。

聞こえない。

怒鳴り合うしかないので、途中でコミュニケーション、終わり。

轟音のなかでずっとレースカーを見るのは快感なのですが、

いまとなっては時代遅れは否めません。

でですね、このCMは、アウディもとりあえず悩んだと思います。

このエコの時代に、10気筒というある意味馬鹿げたエンジンを、

真っ向からみせる、という反社会的とでもいおうか…

燃費悪しの穀潰し

騒音倍加の族野郎

CO2出し放題の臭い奴

こんなことを言われても仕方のないR8 V10の心臓部を、

CMの中心に据えるという表現に、まず拍手。

このなんというか

縛りのキツイ世の中で、

突き抜けている製品と表現。

それが返って、

なんだかとても爽やかに届く。