届く、パーソナル・マーケティング

沖縄地方の特産には、いろいろなものがある。

シークァーサー、サーターアンダギーとか、

チンスコウ、ソーキそば、海ぶどう、そしてもずくなど…

以前は、沖縄の泡盛もよく飲んだ。

残波という泡盛は石垣島のものだが、

これはうまいしネーミングが気に入っていた。

残波…リーフで波が砕ける様子が目に浮かぶ。

雰囲気からしてうまい。

久米仙という酒もまた、名前良し、味良し。好きだったな。

沖縄には一度しか行ったことはない。

隣の与論島という島も行ったが、

ここはサトウキビ畑と珊瑚礁のリーフが美しい。

この島で泡盛を初体験した。

ベロベロに酔ったが、何故か翌朝は爽やかだった。

で、飯もうまい。

この辺りの食い物とか酒はいいね、という印象から、

後年通販を利用していろいろ試したことがある。

あるときウコンのDMが来て、

これはなんだかカラダによさそうと、頼んだことがある。

当時は酒ばかり飲んでいたので、ウコンはいいですよと、

確かそんなことが書かれていた。

で、ときは流れて私も酒を飲まなくなり、

こうした特産品も飽きた。

が、相変わらず電話がかかってくる。

DMも届く。

これは他でもよくあることだが、

ここの売り込みの特徴は、

なんだか他と違っていやらしさがないのだ。

DMの中身を取り出すと、直筆の手紙が入っている。

印刷かなとよく確かめると、直筆である。

うーん、やるな。

で、ふんふん感心していると、頃合い良く、

わざわざ沖縄から電話がかかってくる。

○○さん、お元気ですかとか、

最近おからだの具合は、とかコチラが買う意思がなくても、

嫌みなく話してくる。

こうなると私の警戒心も解かれて、

一応話しますよね。

それがマニュアルに沿った話でなく、

世間話なんかを織り交ぜ、

気がつくと沖縄の知り合いの人と話している。

そんな気になってしまう訳。

アドリブが利いているのだ。

DMの中身一式は、あるひとつの流れに沿ったもので、

そのセットに目新しさはない。

が、直筆の手紙というのは、どこも面倒なので避けて通る。

電話にしても、テレマーケティングのテーゼというのがあって、

それに則ってかけている。

が、他はもっと事務的かつスピーディーである。

そのあたりが他と違う。

まるごとひっくるめて沖縄なのである。

ビジネスにしては、かなりユルイ。

が、しっかり私に届く。

いまはまるで欲しくないものばかりなのに、

なんか買うものはなかったかなと、

再度DMをながめていた。

今度はきっと買ってしまう、だろう。

快く無駄金を使うであろう、

パーソナル・マーケティングの仕掛けなのでありました。

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「届く、パーソナル・マーケティング」への2件のフィードバック

  1.  
    スパンキーさん、ご無沙汰しております。
    ずっとブログは拝読しておりましたが、コメントはひさしぶりです。
    最近のエントリーを見ていると、テーマごとのまとめがすごく洗練されてきましたね。
    特にこのようなマーケティング的な記事、CM戦略への詳察。
    すごく納得のいくものばかりです。
    スパンキーさんならではの専門家的な分析と、一視聴者の立場からの素朴な感想のバランスがすごくよくて、面白い読み物になっていると感心いたします。
    特に 「気になるCM 脱臭炭」 は良かったですよ。CMの不条理感を解析する言葉の一つひとつが、すべて 「ごもっとも」 と腑に落ちるものばかりでした。
    「アウディR8」 のCMレビューもいいですね。
    反時代的なコンセプトにチャレンジするという制作陣の緊張感が、いい意味で画像全体から伝わってきて、観ていると、確かに燃えます (萌えます)。
    スパンキーさんは、ほんとうにYOU TUBEからの素材の掘り出しがうまいですね。
    湘南海岸に並ぶホテルへの思い出を綴ったエントリーも、さすが神奈川で生きているスパンキーさんでなければ書けない記事ばかり。情報を知っているだけでは書けない “身体的な” リアリティを持った読み物でした。
    一連の “クルマもの” もさすがですね。
    やはり、“自動車関連” の編集部にいただけのことはありますね。
    クルマというものに、どことなくノスタルジックなものを感じてしまうのは、我々の歳のせいか、はたまた時代のせいか。
    私たちは、ようやく 「クルマを語ることがドラマになる」 という歳 (or 時代 ? ) を迎えているように思いました。
     

  2. 町田さん)
    最近のCMは、ホントのところ、あまり面白くないですね?
    突っ込む元気も出ないくらい、一時に較べ、品質が落ちている気がします。
    際立つのが、チラホラ。
    ロトとか大和銀行のはかなりハイレベル。良いですよ?
    脱臭炭のCMは、仕分けに困るCMのひとつとしてエントリー書きました。
    アウディのCMは、率直に素晴らしいなと…
    が、こんなものばかり書いていると、現役らしくない気がしてきまして、
    まるで天野祐吉さんのような立ち位置になってくるのが、自分でも可笑しいですよ。
    広告は時代を映す鏡とはよく言われますが、本当ですね?
    やはり金余りの時代に、かなり凄いものがつくられている。
    アート、芸術と一緒にするつもりもないですが、やはり余裕のある時代に、
    いろいろなものが開花していますね。
    ホテルとかクルマとか、どうも最近は渋好みで、あまり派手なのは扱いたくはないですね?
    そうしたものは、情報誌とかサイトでも分かるので面白くないですね?
    町田さんも、実はそのようにと察しますが、いかがでしょう?
    そうした企画や編集ものがあったらよろこんでお手伝い致します。

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