60歳も過ぎたきょうこの頃、
「あんあ、じじいになったなぁ」と鏡を見て実感。
シワがメッキリ増えたなぁ、
あれ、こんな所にシミができている!
で、改めて己の事をまじまじと考えた訳だ。
アタマに浮かんだのはリタイアという言葉。
この言葉に、己は良いイメージがない。
しかたなく将棋なんかを打っていたりね。
挟み将棋しかできないので、コレはパス。
時間はタップリとあるので、
図書館でじっと新聞なんかを読みふける。
幾ら読み続けても、2時間余。
喫茶店に入って、今日のオススメのコーヒーなんかを注文する。
顔なじみになってしまったこのこの店のねーちゃんも、
清楚な笑顔で対応してくれるものの、
つくり笑顔が引き攣っている、
お互いにバツが悪い。
と、こんなのは嫌だなぁと思ったが、
よくよく考えるとこうした暇人には、
そもそも金がある、という前提があることに気がついた。
年金は65歳にならないと原則支給されない。
己は自営なので、そもそも年金も少ない。
己はやはり働かねばならない!
という事で現役続行という結論に至ったのだが、
このとき、なんだか暇人というのも
なかなか大変そうな事に気づいた。
ポジティブな暇人というのを
幾度かテレビで観たことがあるが、
豪華客船なんかに乗って、
世界各地を巡る船旅などというものに
夫婦揃って参加したりしている。
もうエンジョイしているんですね!
が、これが己的にどうしても羨ましくないですね?
それが何故なのか原因が全く掴めない。
有り余る財産、有り余る時間…
まあ、そうゆうものに全く縁がない。
他人事と端っから興味がないのか、
どうもそのあたりが原因らしい。
更に考えるに、働くという行為に対して、
己の人生観が喜んでいるフシがある、ということ。
これに気づいてしまった。
そもそも好きで始めた仕事なので、
働かされているという意識もない。
定年もない。
勤め人は30歳くらいで見切りをつけたので、
いま思えば良かったと思う。
誰に文句も言われないし、肩叩きにあう訳でもない。
が、これからも仕事を続けるには、
相当メンタル的な強さが要求される。
きっと、己が自分の肩を叩かねばならない日が、
いつの日かくるのだろう。
その日まで、仕事に対して常にチャレンジしなければ、
己の恥となる。
廻りに迷惑をかけてしまう。
そういえば、数人の占い師さんに、
「あなたは一生働きますよ」と言われた己であるからして、
筋金入りの労働者なのである。
ムカシ、お袋さんからよく言われたのが、
「働かざる者、食うべからず」という
古い伝説のような呪文で、
これがいまだ己に取り憑いていて、
その呪縛が解けないでいる。
嫌々働いている訳でなく、
いまのところは、
たいそうな病気もしていないことを、
神さまだか仏さまに感謝!
今日も働かせていただいていると思うと、
「ありがたい、ありがたい」と頭を垂れる、
己なのでありました。
こうした考え方が、
いわゆる日本人の詰まらない人生観らしいことは、
海外からよく指摘されている事は知ってはいるが、
そんな事は大きなお世話。
人生観など、廻りに揶揄される筋合いのものではない。