この街を歩けば

新年会に呼ばれ、久々にムカシの仲間と会う。

その日はちょっと早めに出かけたので、

懐かしい駅を降り、

見慣れたハズの街を歩いてみる。

中学・高校時代をここで過ごしたので、

よく行った喫茶店やパブやパチンコ屋を探すも、

見覚えの看板はひとつもなく、

みなどこにでもある居酒屋のチェーン店とか

ドラッグストアなどに様変わりしている。

10代から20代前半をこの街で過ごした私としては、

街の変貌ぶりも去ることながら、

この街を歩く人の姿が気になる。

なんというか、

横浜都民ということばがフィットするような

お洒落な人が多い。

これは私の偏見だが、

そもそもこのあたりに

そんな洒落た人間はいないハズだった。

横浜の田舎町が都内で働く人のベッドタウンになったと思った。

駅向こうのずっと奥の険しい裏山だったところに、

高層マンション群がそびえる。

(もう知らない街だな…)

待ち合わせの駅裏の寿司屋のあたりに戻って

あたりをよくみると「再開発」の看板が目についた。

寿司屋は35年前となにも変わらず佇んでいるが、

周辺は、壊しかけの店舗やさら地、

解体工事中のロープなどがアチコチに散らばり、

この景色も近いうちに様変わりすることを

教えてくれた。

この街に引っ越してから出会った

みんなの名前と笑顔が少しづつ蘇る。

学友、遊び仲間、そして初恋の相手。

みんな元気にしているかな?

北風の強い寒い夜だったが、

久しぶりの仲間たちと会って、

なんだか感慨深く、話が尽きない。

後ろ髪を引かれる思いで店を出る。

翌朝から仕事だったが、

なんだか微熱のようなものが

体から抜けない。

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「この街を歩けば」への2件のフィードバック

  1.  スパンキーさん、おじゃまします。
    育った町が、見覚えのない町に変貌していても、昔遊んだ仲間たちとの絆は変わらない。むしろ、時のへだたりを乗り越えたからこそ、感慨深いものが生まれ、話が尽きない。
    こういう人間関係って、とってもいいですね。
    うらやましいくらいです。
    さぞや「微熱のようなもの」が抜けなかったことでしょう。
    日本全国の、というか世界中の都市が、全く似たような街並みに統一されるようになったのは、都市開発においても、市場優先の思想が徹底してきたから、利用者の最大公約数が消費したがる造りが効率的に追及されるようになったからでしょうね。
    基本的には、駅周辺のショッピングモール化と、山奥などのニュータウン化ということでしょうか。
    無類に便利で、快適で、清潔ではあるけれど、「便利」と「快適」と「清潔」を取り外したら何も残らないというヤツ。
    それを「退屈」だとか、「つまらない」と思っても、もうこういう動きは止まらないでしょうから、じっと爪を噛みながら、黙って眺めているしかないのでしょうね。
    そんなときに、昔のことを語り合う友がいるということは素敵なことのように思えます。
     
     

  2. 町田さん)
    思春期っていうんですか?
    こんな時代に過ごした仲間って、忘れられませんね。
    みんな格好つけないで、ムカシのまんまのノリで、
    楽しい時間を過ごしました。
    よく、仕事自慢とか、成功話とか、うんざりする集まりってあるでしょ?
    そんなの一切なしの付き合い仲間なので、とても新鮮でした。
    ただ、街の変貌にはホントに驚きました。
    正直、つまらない街がまたひとつ生まれようとしている。そんな感覚ですね。
    集まった寿司屋も、もう来年にはないと思います。
    こういうのって、地元に居続ける人間より、外から見ているほうが、
    よく分かります。
    今度はコイツらをアウトドアに引っ張り出そうと計画しています。
    そういえば、変貌しつつある品川で町田さんと飲むのも一興ですね?
    いや、秩父か?
    冬キャンプもいきたいですね!
    3月頃、是非!
    コメント、ありがとうございます。

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