「チェ」というタバコ

ゲバラ4

所詮はタバコだが、

されどこのタバコなのである。

チェは、ゲバラの姿がデザインされている。

なかなかイケテイルなというデザイン。

葉は、無添加・無香料だし、

妙なフレーバーも入っていない、らしい。

中にキューバ産の葉がブレンドされていて、

ちょっと他のタバコとは違い、

いい味わいがある。

チェ・ゲバラのチェは、「よう」とか「やあ」という

南米の言葉だそうで、親しみのこもった呼び方である。

それだけゲバラは、皆に親しまれていたともいえよう。

事実、民衆は、いつもゲバラに味方した。

ゲバラは、常に民衆の事のみを考え、行動した。

で、彼はお馴染みキューバ革命を成功させた人物。

見てのとおりなかなかのイケメンである。

そして時代は流れ、いまや政治的イデオロギーも、

なんだか境目が曖昧になってきているフシがある。

あのアメリカにも、遂に社会主義者の大統領候補が現れた。

中国は相変わらず経済に躍起な共産国であり、

やはり人民も国も「金」なのであった。

もう革命など縁遠いのだろうか?

いや、ゲバラ的に解釈すると、

実はそもそもイデオロギーなど、

どうでも良かったように思えるのだ。

たとえば、一時期、ゲバラと毛沢東は、

世界中の若者を虜にしたが、

毛沢東の文化大革命を見て、

皆、毛沢東を疑うようになった。

一方、ゲバラは依然純粋な革命家であり続け、

医者でもあり、

自身が幼少期より持病を抱えていたので、

当時の弱者に対するまなざしはやさしく、

奴隷・搾取といった制度を転覆させることに、

生涯を賭けた。

これはもはやイデオロギーというより、

純粋に弱きを助け強きをくじく性格が

彼を革命へと誘ったのであり、

あの激しい生きざまの発露も、

そのあたりにあったように思える。

よって、チェなのである。

ゲバラは世界各地の革命に関わり、

自身は最後、アメリカCIAの指令により射殺されたが、

彼はいまだに世界中で人気がある。

それは彼が革命家として、つとに純粋だったからだろう。

権力や名誉ではなく、まして金でもなく、

世界のすべての社会の矛盾を心底憎んだのだ。

かのジョン・レノンも、

ゲバラを世界で一番格好良い男と評した。

―バカらしいと思うかもしれないが、

真の革命家は偉大なる愛によって導かれる。

人間への愛、正義への愛、真実への愛。

愛の無い真の革命家を想像することは、不可能だ―

(出典チェ・ゲバラの名言)

このタバコは、いまもって世界中で人気が高い。

たかがタバコ。

なのに、時代と男のロマンがギッシリと詰まっている。

そこに崇高な物語があった。

それが「チェ」なのである。

ゲバラ3

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