自分のことしか考えない人間
それが私だった
そして俺様といきがる毎日
就職を機に少しは懲りたので
こうした性分も徐々には薄くなったのだが
自己と社会のギャップのなかで
自分は訳の分からない憔悴感に襲われたこともある
結婚という制度に関しても
何の興味もなかった
彼女も年頃だというのに
先をみようとしない
いい加減さと思いやりのなさ
いま
こうゆうオトコが娘とつき合っていたら
即、決闘だ!
いまの私が大嫌いな人間
それがかつての私だった
しかし何故か
流れのようなもののなかで
縁あってか結婚というものもすることとなり
いい加減な新婚生活に突入
その頃
私は仕事に没頭して家庭というものを
意識したこともなく
夢ばかりを追いかけていた
しかし
忘れもしない24年前の今日
私の長男が借金で生まれる(爆!)
看護士さんから
初めて子供を抱かせてもらったとき
赤くて小さくてひたすらギャーギャー泣いている
我が子の重みは
私の人生観を変えた
その日を境に
私は変わった
いや自己中という病が治ったのか?
奥さんに感謝することを知る
新しい命に崇高なものを感じる
そして
彼らを守れるもの
彼らが頼りにしているのは
紛れもなくこの私なんだと
生まれて初めて
自分を差し置いて
ひとのことを想う気持ちになった
人生の前半は「俺」で駆け抜けた
欠点だらけの一人のオトコが考えたこと
自分で稼いで家族を守るということ
そんなことを教えてくれたのが
彼の誕生だった
バカは死ななきゃ治らない
とはよく聞く言葉だが
私はいやいや
そんなことはないと密かに思っている
なにしろ体験者だ
YU、誕生日おめでとう!
人間っていうのも
そうそう捨てたものじゃないぞ!