最後の夜に

夜の街を切り裂いて

どこまでも走り続よう

時速150キロの馬鹿げたゲームさ

だって時間が飛ぶんだぜ

景色が空に舞うんだぜ

さあ

アクセルを開け
ブレーキに触るな

エンジンに怒りを込めて!

別に前を見なくてもいいんだぜ

笑って笑って
ほらっ
恐さなんて消えるだろ?

今夜こそ
突っ込んで血祭りだ!

だって
いつも朝は退屈なんだ

死んでも知らないよ

死んだら終わりだよ

ああ

死んでも
いいよ

「最後の夜に」への2件のフィードバック

  1. 「イマジネーション」 から 「ヒドノハ」 、そしてこの 「最後の夜に」 あたりにかけて、スパンキーさんの扱う世界がちょっと変ってきたかな…という印象を持ちます。
    扱う対象に、怖れることなくズバっと切り込んでいく勇気。
    あるいは、“危ないもの” に対しても、真正面に見据えようという視線の強さ。
    そういったものが、書いているものの底にしっかり流れ始めたように感じます。言ってしまえば 「文学」 に近づいた…ということなんでしょうね。
    「文学」 って、優しくて、心地よくて、心が温まって…というものだけではないでしょう。人間の心の極北にも迫らなければならない時もあって、ある意味、危険なものでもありますよね。
    そういう 「文学の危険性」 みたいなものが、特にこの 『最後の夜に』 という作品には濃厚に漂っているように感じました。
    「危険の先」 には当然 「死」 があって、結局 「文学」 っていうのは、「死をどう見つめるか」 という問題に関わるものだという気もします。
    で、マーク・ボラン。
    ここにつながる構成が見事でしたね。
    グラムロックというのは、華麗で、ビジュアルで、ホモセクシュアルで…というような表層的な理解のされ方をしますけれど、実は 「死」 を見つめるロックなわけで、『 Get It On 』 の呪術的なブギのギターリフには、「死の舞踏」 のリズムが刻み込まれているように感じます。
    それを時速150㎞の暴走の果てに見えてくる 「死んでもいいよ」 という達観と結びつけるなんていう手腕は、たいしたものだと感じました。
    Tレックスに関する叙述などひと言も掲載されていないのに、ものの見事にTレックスの本質を表現した作品になりましたね。
      

  2. Tレックス、何故かすごく惹かれるグループです。飽き性の私が、何回聞いても飽きないのは何故なのか?
    ビートルズでもなくツェッペリンでもなく、Tレックスにはドラッグにも似た魔性が潜んでいるように思います。
    当然、そこには「死」の臭いも感じていました。だから、詩が勝手に危ない方向へ行ってしまうんですよね!
    不思議な事に、彼等は飛行機事故で全員不慮の死を遂げました。まるで自分たちの結末を知っているような楽曲ですよね?
    文学に近づいたか否かは、私自身分かりません。ただ、こいつ等のように、いまは突っ走るしかないのかなという次第です。

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